創業当時から、スパイスとハーブにこだわった商品づくりは、エスビー食品の最大の強みです。
スパイスとハーブを調達する専門の部署があり、メンバーは世界中の産地をターゲットに、日々、現地の天候や栽培状況、政治情勢を収集しながら、より良い原料の調達に奮闘しています。
産地の気候によってその品質や収量は影響を受けやすく、エスビー食品の品質基準に合った原料を毎年安定的に調達する苦労は少なくありません。産地を分散させたり、契約栽培を進めたりと、さまざまな工夫をしながら安定的な調達に努めています。
今後も産地を定期的に訪問し、生産者・現地加工メーカーとの信頼関係の強化を図りながら、より良い原料調達の取組みを継続していきます。
持続可能な香辛料調達ビジネスモデル
香辛料の生産者の中には、売り先を確保できずに市場や中間業者に販売することも少なくありません。エスビー食品は、中間業者を介さずに、生産者から直接買い付けを行うお取引先様(加工・輸出業者)から香辛料を調達するビジネスモデルの構築を進めています。
生産者と取引先にとっては、利用者に直接販売することにより、安定的な売り先を継続的に確保できるため、持続可能な生産や販売につながります。
エスビー食品にとっては、トレーサビリティが強化された高品質な香辛料の安定的な調達が可能となります。顔の見える継続した取り引きは、お取引先様との信頼関係を強化するとともに、産地全体の品質向上や地域社会の雇用創出にも貢献しています。
スパイス&ハーブの追究
富士山麓忍野八海で知られる山梨県忍野村に試験農場を設置し、湧水や冷涼な自然環境を活かして、より良いスパイスとハーブの原料調達のために栽培研究を行っています。
16棟の温室では、ワサビ、唐辛子、バジル、マスタード、各種ハーブなどのより最適な栽培方法の検証、品種の維持や保存を行っています。スパイスとハーブの先駆者として、今後も品質のさらなる向上を目指して追究していきます。
フレッシュハーブへの取組み
年間を通じて新鮮な国産フレッシュハーブをお届けするために、北海道から沖縄までの複数の産地と契約し、安定調達に努めています。
当社では独自のGAPシステム※の導入に加え、一部の産地ではJGAP認証を取得し、食の安全や環境に配慮した生産工程のもと、高い栽培基準を設けて、安全・安心なフレッシュハーブづくりを実践しています。
※GAP:Good Agricultural Practiceの略。農業において、食品安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組みのことです。
エスビーハーブセンターつくば
エスビーハーブセンターつくばは併設したほ場で栽培するフレッシュハーブの管理とともに、全国の契約産地からベビーリーフ・フレッシュハーブの原料を受け入れ、商品への仕上げ出荷までを行うハーブ事業の中核センターです。
また、エスビー食品独自の生産システムの開発や品質管理体制の構築と併せ、生産者および技術者の育成・研修、商品開発ならびに実験ほ場としての機能も担っています。
JAおきなわエスビーハーブセンター
JAおきなわとの地域に根差したフレッシュハーブ事業の取組みは35年になり、エスビー食品においては、沖縄県は国内におけるフレッシュハーブの最大生産地です。
その要となるJAおきなわエスビーハーブセンターは、適正な温度管理と衛生的な環境下で、近隣の生産者が収穫したフレッシュハーブ原料の受け入れから選別、袋やパック詰め商品への仕上げ、出荷までの一連の業務を担っています。
国産からし種の栽培の取組み
安全・安心であることはもちろん、お客様のご期待に応えるために、国産の香辛料を使用した商品を開発しており、その一つが「名匠にっぽんのからし」です。北海道産のからし種をこだわって使用しています。
日本での栽培の知見がない中で、産地や品種の選定に始まり、試験農場での病害虫防除のための農薬使用、異物除去方法の検証を重ね、2010年の商品発売までに5年を要しました。
現在は、栽培から収穫・選別・保管・使用まで品質と安全性を確保すべく、一貫した管理体制が構築されています。近年は、気候変動の影響も受けて降雨量が増加傾向にあり、安定的な栽培や良質なからし種の十分な収量確保には苦労も少なくありません。継続的な安定調達と品質のさらなる向上に向けて担当者は産地を定期的に訪問し、生産者と一緒に奮闘しています。