お取引先様との取組み

商品の販売においては、常にお客様の視点に立った企画提案型の営業活動を推進し、小売店や外食チェーンや加工業者などのお得意先様とともに成長することを目指しています。

基本の食品流通の流れ

基本の食品流通の流れ

家庭用営業

家庭用営業は、全国の小売業さまの店頭での提案・販売を通じて、エスビー食品のブランドイメージをお客さまに直接伝える重要な役割を担っています。スパイスとハーブに関する事業のさらなる拡大に向けては、12年ぶりに発売した洋風スパイスの新ブランド「スティックスパイス」や、品目を拡充した「オーガニックスパイス」および「シーズニング」を含むスパイス&ハーブカテゴリーだけでなく、スパイスやハーブを根幹とした味づくりを行っている「パウダールウ」についても、注力すべきカテゴリーと捉えています。引き続き、お客さまのスパイスやハーブの利用を促進する提案に取り組んでまいります。

スパイス&ハーブ関連製品の販売強化

2024年3月、より多くのお客さまにスパイスとハーブを手軽に楽しんでいただくため、利便性に優れた洋風スパイス「スティックスパイス」12品を発売しました。スティックタイプの製品としては他に、2023年に100周年記念製品として発売した「カレー粉スティック」があります。これらの製品により、スパイスやハーブを使い切れずに余らせてしまうというお客さまの悩みを解消し、いつでも開けたての香りと彩りを楽しんでいただけるようになりました。これまで洋風スパイスや赤缶カレー粉に興味を持ちながらも、購入にハードルを感じていたお客さまへのご案内を進めています。さらに、同じく100周年記念製品として発売した即席ルウ「赤缶カレーパウダールウ」も、その香り立ちが評価され、売上は伸長しています。

シーズニング製品の提案強化
シーズニング製品の提案強化

エスビー食品では、約100種類のメニュー専用シーズニングを販売しています。店頭では、お客さまにメニュー選択の楽しさを感じていただけるよう、独自のミールソリューション什器を設置し、リーフレットやPOPなどを使って製品の魅力を伝える活動を強化しています。さらに、ブロッコリーなどの冷凍素材との組み合わせ提案や、シェフ監修製品の拡充など、幅広い提案を行っています。シーズニングの多様なバリエーションを通じて、手軽に本格的な味を楽しんでいただくことで、スパイス&ハーブカテゴリーの持続的な成長を目指しています。

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業務用営業

業務用営業は「セレクトスパイス」を重点製品として、お客さまへの提案を強化しています。コロナ禍でお客さまの外食機会が減少したため、2020年度には売上が減少しましたが、2022年度には2019年度の水準に回復し、2023年度にはさらに大きく伸長しました。これは、拡販に向けて、中食・加工業態向けに一部製品への仕様追加を行い、外食業態向けには人手不足対策やメニューの付加価値向上に寄与する「シーズニング」のラインアップを拡充したことが貢献しました。今後も、セレクトスパイスの多様な価値を通じてお客さまの課題解決に努め、業務用市場で「そこに、スパイス&ハーブ」を体現してまいります。

「セレクトスパイス」売上伸長

セレクトスパイス売上高推移

セレクトスパイスシリーズはエスビー食品の業務用主力スパイスブランドで、原料調達、選別、製造、品質・安全にこだわり、単品のスパイスやハーブから、ひと振りでひと皿を本格メニューに変身させるシーズニングまで多くのラインアップを取り揃えています。2023年度は加工食品の原料や外食チェーンへの提案強化に努めた結果、過去最高の売上高になりました。

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トッピング系シーズニングの販売・提案強化
トッピング系シーズニングの販売・提案強化

業務用スパイスのさらなる市場の拡大を目指し、販売好調なトッピング系シーズニングの新製品として「ディル香るオニオンガーリック」を2024年2月に発売しました。大粒のフライドオニオンとローストアーモンドがザクザクとした食感を生み出し、一つの食材のような「食べるスパイス」として仕上げました。調理の手間を減らし、少ない人手でも高品質な料理を提供できるプロフェッショナルな調合で、お客さまの課題解決に貢献します。

フレッシュハーブ営業

1987年に初めてフレッシュハーブ製品を発売して以来、全国約40の生産者との契約栽培による食品メーカーならではの安全・安心な生産体制を構築しています。直近では、インバウンドによる外食需要増や外食・中食でのメニューの価値向上のためにフレッシュハーブ・ベビーリーフの活用が増えており、需要拡大が続いています。

フレッシュハーブをより身近に、必要性を感じていただくため、2023年度はインフルエンサーの起用や栄養面を訴求する提案を強化しました。2024年度は同様の提案を継続しながら季節に応じた訴求の強化を図ります。

ハーブ苗販売の拡大

S&Bハーブ苗

近年の生活様式の変化によるガーデニング需要の高まりに対応して、エスビー食品は2022年に「S&Bハーブ苗」の販売を開始しました。30年以上のフレッシュハーブ事業の経験を活かし、初心者でも育てやすい品種を厳選し、現在15品目をラインアップしています。

2024年度はさらに、ゴールデンウィーク前後の最需要期に向けた提案強化と新製品「トッピングバジル」の投入により、売上が大きく伸びています。また、お客様相談センターには育て方や使い方に関する多くの問い合わせが寄せられ、お客さまの関心の高さが伺えます。

エスビー食品のレシピサイトでは、2,000件以上のフレッシュハーブレシピが公開されています。さらに、SNSを通じてお客さまに情報を提供し、ハーブを育てる楽しさと収穫したハーブを料理に使う喜びを広めていきます。

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年間を通じた安定供給に向けて

需要拡大が続くフレッシュハーブのなかでも、独特な味わいをもつ“パクチー”はエスニック料理店やエスニックフェアの増加により外食シーンを中心に需要が高まっています。その一方で、高温に弱いパクチーは気候変動に伴う安定供給が課題としてあり、群馬県や長野県の冷涼地に新規圃場を開くなどの取組みにより、さらなる年間安定供給のための体制構築を進めています。

海外営業

海外事業部では、海外の各市場において当社製品の取扱い店舗数の拡大ならびに、「S&B」ブランドの認知を向上するべく日々活動を行っています。近年では海外で寿司やラーメンなどの日本食人気が高まっていることを追い風に、現地のニーズに沿った製品展開を加速しています。また、各種イベントやSNSを活用したPR活動でお客さまとのコミュニケーションを図っていくなど、さまざまなマーケティング活動を推進していくと同時に、それらの活動と連動した販売施策を効率的に実施できるよう、各国において販売体制の整備にも注力しています。グローバル市場における競争力を強化し続けていくことで、持続可能な成長を実現します。

海外事業の強化

エスビー食品では、カレーとわさびに関連する製品を中心に約250品目を67の国と地域に輸出販売しています。長期目標として掲げている「海外売上高比率40%超」の達成に向けて、市場特性に応じた製品開発やマーケティング活動を行い、「『S&B』ブランドの世界定番化」 を目指しています。重点エリアとして「北米」「ASEAN・豪州」「西欧」「東アジア」の4つを設定し、各エリアの特性を捉えた販売促進活動やSNSでの情報発信に取り組んでいます。さらに、国際的なサプライチェーンの強化、新規チャネルの開拓・拡大などの取組みを進めています。

海外拠点と重点エリア

重点エリアでの取組み
北米

当エリアの営業・マーケティング活動は、1992年設立の「エスビーインターナショナルコーポレーション」および2022年設立の「エスビースパイスカナダ」が担っています。従来より浸透を図ってきたわさび、カレー製品のほか、直近ではうまみトッピング(輸出専用具入りラー油)の市場投入に注力しています。また、SNSでは、ゴールデンカレーとうまみトッピングを中心に、現地の嗜好を踏まえた投稿により需要の拡大を図っています。

西欧

当エリアにおける和食への関心の高まりを受け、2022年に欧州支店を開設し、現地密着の活動を進めています。小売店におけるゴールデンカレーの配荷拡大のほか、外食・給食向けの業務用カレー製品の提案も強化しています。また、エリア独自のウェブサイトの制作・発信などにより、さらなるジャパニーズカレーの定着を図っています。

ASEAN・豪州

当エリアでは、当社製品がカレーやわさびの市場を牽引しています。2017年に設立された「エスビーシンガポール」は、さらなる市場の掘り起こしによる需要創出に注力しています。また、国ごとの食品展示会などのイベントに積極的に参加することで、ブランドの認知度向上を図っています。

東アジア

当エリアでは、主に国内拠点から営業担当が現地を訪問しています。カレーやわさび製品において競争の激しいこのエリアでは、現地の販売代理店との強力なパートナーシップの構築や、ウェブやSNSでの情報発信の強化により、「S&B」ブランドのさらなる浸透を目指しています。また、製品の使い方をわかりやすく示したレシピ発信にも力を入れ、ブランドの認知度と信頼性を高める活動を行っています。

EC事業

EC事業の強化

3種の適塩カレーセット

エスビー食品のEC事業は、「『地の恵み スパイス&ハーブ』を核として、嗜好性・健康・Well-being・利便性など、個のニーズに対応した顧客ロイヤリティの高い事業の確立」を基本方針としています。現在、自社ECサイトである「お届けサイト」のほか、「楽天市場店」「Yahoo!店」「Amazon」の4つの直営サイトを運営しており、各種洋風スパイスシリーズやレトルト、業務用香辛料、EC専用品など1,000種類以上の製品を販売しています。特に、スパイスやハーブの機能性を利用した機能性表示食品や、アップサイクル製品第1弾「本鶏だし」の販売に力を入れています。

2024年2月には、おいしさと健康管理を両立させるレトルトカレー「3種の適塩カレーセット」を発売しました。この製品は、「1食あたり塩分1gのおいしい適塩カレー」をコンセプトに、タニタ食堂と共同開発したもので、お客さまの健やかな食生活をサポートします。

今後も、ECならではの製品の開発・販売を進めていきます。

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