栽培の現場ワサビ種採り物語 Vol.1

シリーズ「栽培の現場」では、当社スパイス&ハーブ原料の、栽培からお客様の手元にお届けする商品に至るまでの一貫した安全・安心生産体制として取り組んでいる、忍野試験農場の代表的な実施例を、『種採り物語』と題してご紹介したいと思います。

第一弾は、忍野の水(富士山の伏流水)と切っても切れない和の香辛料の代表格"ワサビ"。
当社は、長年の研究で培ってきた栽培技術をワサビ原料の供給地としてベトナムに導入し、良質で安全・安心な原料確保の体制を整えています。その根幹を支えているのが、忍野試験農場で行われているワサビの採種栽培です。
採種栽培の確立までには、まず品種の収集から始まり、その品種特性の確認及び採種技術と並行し、実際の産地で栽培検証・選抜といった、気の遠くなるような地道な作業が繰り返されています。そして、このような取組みは、当社が「より良いワサビ原料」そして、お客様に満足して頂ける「より良いワサビ商品」を開発してゆく為に、決して終わる事のない研究です。

ワサビ種採り物語

今回は、種採り作業の前半部分をご紹介します。

11月種まき・苗作り

ワサビの種はとってもデリケート。種まきをするまでは、忍野の清流中に静かに眠っています。(①)
専用の容器に種まき。(②)
発芽約一か月後の元気な幼苗を選別し、苗作り用の畑に移します。(③)
"苗半生(なえはんしょう)"※1という言葉があるくらい、健全な苗を育てる大切な時期です。

  • ①
  • ②
  • ③

(翌年)4月定植(ハウスで栽培を行います)

葉数5、6枚程度の元気に育った苗を定植します。

5~8月生育初期

梅雨明け前までにしっかり根を張らせ、がっちりした苗にさせる為に最も気を使う時期です。特に、夏場の暑さ対策、遮光等によるハウス内の温度及び空調には、注意が必要です。

9~10月生育中期

夏も過ぎ秋になり、ワサビにとっては嬉しい季節。どんどん大きくなってゆきます。

12月

冬も本場へ突入、ハウス内は暖房により適度な温度管理が行われます。
もうこの時期に、来年種を採る為の花芽ができています。

次回続編は、春になって満開のワサビ花、種採りの様子、採った種がどのようにして管理されているか、そして種がベトナムへ旅立つまでの『種採り物語』をご紹介致します。

※1:苗半生(なえはんしょう)

"苗つくりがうまくいったら、あとは成功したようなもの"というくらい苗作りの大切さを意味する言葉。