忍野試験農場では様々な種類のスパイスやハーブを試験栽培しています。
栽培技術や品種に関する研究を行い、原料産地で応用を図ることを目的とした栽培過程を、新たに「栽培日誌」と題してこれまで紹介していない作物にフォーカスしていきます。
今回はその中から、フェンネルの栽培を紹介しましょう。
フェンネル栽培日誌
フェンネルは「魚のハーブ」とも呼ばれており、魚料理との相性が良く、魚の臭みを消すために利用されるハーブです。和名をウイキョウと呼ぶ地中海沿岸が原産のセリ科の植物です。種子はスパイスとして利用され、五香粉やカレー粉の原料となります。栽培面では一度植え付ければ毎年収穫ができる多年草で、冬は地上に出ている部分は枯れますが、春になると再び新芽が出てきます。今回は忍野試験農場におけるフローレンスフェンネルの栽培をしてみましたので、播種から定植までをご紹介します。フェンネルには葉を食すスイートフェンネルと根球を肥大させるフローレンスフェンネルの2種類がありますが、育て方は一緒です。
5月
フローレンスフェンネルの種子。大きさは5~6ミリくらいです。
播種は1つのポットに3~4粒くらいになるようにしています。
播種から約2週間が経って芽が出てきました。大丈夫かな?と、ちょっと不安になるくらいの細さです。
6月
播種から約1ヶ月、10cm程度にまで育っていたので、日当たりの良い場所に優しく定植しました。マルチシートに開けた穴の中央に植えて、まっすぐに立たせるようにしています。
今回は以上です。無事に大きく育つか楽しみです。次回続編は収穫の様子をお伝えします。