公開日:2012.04
おいしいごはんとは?
昔からごはんをおいしく炊く秘訣は「はじめちょろちょろなかぱっぱ、じゅうじゅう吹いたら火を引いて、赤子泣いてもふた取るな」と言われるように、
「①初めはお米に水を吸わせるために弱火で炊き、②水を吸わせた後は強火で一気に炊き上げ、③吹いてきたら火を弱め、④炊けたら火を消して蓋を開けずに十分に蒸らす」
とおいしく炊くことができます。直火で炊いたり、一度にたくさん炊いたりするとおいしく炊けるとも言われています。
おいしいごはんは白くてツヤがあり、ふっくらとして粒立ちがよく、滑らかな舌触りで適度な粘りと弾力があり、噛むとごはんの香りと甘さが口の中にふわっと広がります。
ごはんのおいしさを"見て"みましょう
今回は、家庭で一般的に使われているマイコン炊飯器やIH炊飯器で炊いたごはんと、エスビー食品の"つややかなごはん"と同様に大釜ガス直火で炊いたごはんのおいしさを比較してみましょう。
ごはんのおいしさを"見る"(測定する)ために、「炊飯食味計」という装置を用います。炊飯食味計は、ごはんに光を当てて透過する光と反射する光を検知することで、「外観・硬さ・粘り・バランス度・食味」の5項目を数値化し、ごはんのおいしさを測定することができます。
マイコン炊飯器とIH炊飯器はそれぞれの設定に従って2合炊飯しました。大釜ガス直火炊飯は、研究室で実際に"つややかなごはん"の炊飯に使用している大釜を使い、製造時と同等の火加減のガス直火で炊飯しました。
マイコン炊飯器で炊いたご飯
IH炊飯器で炊いたご飯
大釜ガス直火で炊いたご飯
それぞれの炊き方で測定した結果が次のグラフです。
- マイコン:マイコン炊飯器で炊いたごはん
- IH:IH炊飯器で炊いたごはん
- 大釜直火:大釜ガス直火で炊いたごはん
※マイコン炊飯器:底部のヒーターで窯を加熱する方式
IH炊飯器:IHヒーターで窯自体を発熱させる方式
※この分析では新潟県産コシヒカリを使用しています。
「炊飯食味計」の測定値について
- 外観:デンプンの糊化(α化)度合により変化する照り具合を測定します。
- 硬さ:主にタンパク質含量により変化するごはんの硬さを測定します。
- 粘り:アミロース含量により変化するごはんの硬さを測定します。
- バランス度:測定した硬さと粘りの数値から食感(バランス)を計数化します。
- 食味:以上4項目の測定値からごはんのおいしさを総合的に評価します。