ハーブティーと紅茶の違い

ほっと一息つく時や食後にゆっくり過ごす時間にドリンクは欠かせませんね。健康や美容を考えて、飲み物を変えるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。最近は、街のカフェやレストラン、またコンビニエンスストアやスーパーで、コーヒー、紅茶、お茶だけでなく、様々なドリンクを見かけるようになりました。ハーブを使ったドリンクも増えてきていますね。

ハーブティーや紅茶とカフェイン

時々、ハーブティーを紅茶の1種と考える方もいらっしゃいますが、紅茶はツバキ科のチャノキ(Camellia sinensis (L) O.Kuntze)の葉が原料で、通常ハーブには分類されません。チャノキの葉を原料とするお茶には、紅茶のほかに緑茶や烏龍茶なども含まれます。
ハーブティーは香りをもつ植物を原料にしていますが、植物の種類や使用部位によって様々な香り、風味、色の違いがあります。

スパイスやハーブの定義についてはこちらもご参照下さい

そんなハーブティーの魅力や特徴をひとことで表すことは、ちょっと難しいですが、多くのハーブティーに共通する特徴として、カフェインを含まないことが知られています。(※1)
実際に代表的なドライハーブティーや紅茶を調べてみると、以下のような結果が得られました。

(※1)マテ茶のように、カフェインが含まれているものがハーブティーとして販売されている場合もあります。

100g当たりの茶葉に含まれるカフェインの量/ペパーミント0.0g、レモングラス0.0g、ジャーマンカモミール0.0g、ハイビスカス(※2)0.0g、紅茶(※3)(ダージリン)3.6g (当社調べ)

(※2)ローゼル種のがくを乾燥したもの

(※3)紅茶のカフェイン含量は、産地や収穫年度などによっても変動します。

カフェインの性質

(図1)紅茶100mlあたりに含まれるカフェインの量(当社調べ)※熱湯抽出:2gの紅茶葉を250mlの熱湯で4分間抽出 ※水出し:2gの紅茶葉を250mlの水で2時間冷蔵(2℃)で抽出

紅茶を熱湯で抽出した場合と、水で抽出した場合のカフェイン含量を比較してみました。(図1)
熱湯抽出では100ml当たり20mg、水出し抽出では100ml当たり9mgのカフェイン含量となりました。抽出条件の違いによって含量は変わってきますが、一般に水出しにすると抽出液のカフェイン含量は低くなります。それは、カフェインがより温度の高い水に溶けやすい性質があるためです。

また、アイスティーをいれてみたら、ミルクを入れていないのに濁ってしまったことはありませんか?
これは、「クリームダウン」と呼ばれる現象です。紅茶に含まれるタンニンとカフェインなどが結合し、結晶化するために濁ってしまうのです。温度が下がる時に時間がかかると結晶化が進むので、透明感のあるアイスティーをいれるためには、濃いめのホットティーをグラスいっぱいに入れた氷に注ぎ、一気に急冷することがポイントです。

ハーブの香りを引き出そう

ハーブティーは水出しできるものもありますが、基本は紅茶と同じように熱湯でいれます。
香りのしくみ」でも紹介したように、ハーブの香りの成分は揮発性(気体になりやすい性質)で水に溶けにくい性質です。ハーブティーをいれるときは、熱湯を使い、立ち上る香りを逃さないようふたをして蒸らします。また、ハーブをちぎったり揉んだりすると、より香りが出やすくなります。ちょっとしたポイントを押さえると、ハーブティーのおいしさがぐっとアップしますよ。

香りや色の美しさだけでなく、ノンカフェインという点でも人気のハーブティー。
毎日のドリンクに仲間入りさせてみませんか?

動画で見るレシピでは、ハーブティーの淹れ方を動画でご紹介しています。