料理をグンと素敵に変身させてくれるスパイス&ハーブ。刻んだり、漬けこんだり、煮込みに加えたり、と様々な使い方がありますね。スパイス&ハーブがそれぞれ持っている香りは料理を美味しくしてくれます。
例えば、料理でもガーデニングでも人気が高いローズマリーはすっきりした力強い香りが肉料理にも魚料理にも美味しいアクセントを添えてくれ、この香りをかいでいると、気持ちもスッキリしてくるような気がしますね。でも、ローズマリーそのものの香りと、オイルやビネガーに浸けた場合、熱湯でハーブティーを淹れた場合ではそれぞれ感じられる香りや印象が違います。この違いはどうやって生まれるのでしょうか?
香りの成分の特徴
植物の花、葉、果実、果皮、根、種子、樹皮などで作られる香りの成分は、揮発性(気体になりやすい性質)と芳香性(ひとが心地よいと感じる香りの性質)を持っています。ひとつのスパイスやハーブの中には様々な成分がありますが、それらのバランスで全体の香りを作り、料理を様々に演出してくれます。また、油には溶けやすく、水には溶けにくい性質があるため水の中では香り立ちがよく、油の中では香り立ちが弱くなります。
ハーブティー、ハーブオイル、ハーブビネガーの香りの違い
刻んだ生ハーブ
「刻む」ことで植物の香りの成分を貯蔵している部分が壊れ、たくさんの香りが飛び出してきます。たくさんの香りが複雑に混じりあった香りが感じられます。
ハーブティーの場合
香りの成分は揮発性で水に溶けにくいため、お湯の中ではより香りがきわだつように感じられます。
ハーブビネガーの場合
ビネガーに溶けだした香りの成分は、ビネガーがもともともつ香り成分と合わさり、独特の清涼感がある香りを感じることができます。
ハーブオイルの場合
香りの成分は油に溶けやすい性質をもつため、お湯やビネガーの場合と比べて多くの香りの成分がオイルに溶け込みます。そのため、ハーブティーやビネガーの場合とは別の香りを感じハーブオイルで調理した料理を食べると、オイルからローズマリーの風味をじわりと感じることができます。
こうした違いは機械で分析して見ることができます。科学的視点から、香りのしくみをさらに詳しく見てみましょう。