料理に香りや彩りを添えるスパイスやハーブ。その魅力は「食」にとどまりません。世界各地で古くから活用されてきたその多様な性質を知ることで、毎日の暮らしへの取り入れ方がぐっと広がります。ここでは、スパイス・ハーブの食の分野以外での活用法から、健康との関わり、今後の可能性に至るまでを紹介します。
「食」以外でも広く利用される
スパイス&ハーブ
スパイスやハーブと呼ばれる植物は香りはもちろんのこと、品目によっては色素や抗菌性などの特性を持ち、料理以外の分野でも活用されています。それぞれが、世界各地の文化に根付き、暮らしの中で幅広く取り入れられています。

| 園芸 | 育てながらその姿や香りを楽しみ、収穫して暮らしに取り入れることもできます。 |
|---|---|
| 香料・化粧品 | 香り成分をフレグランスや化粧品、アロマテラピー※で使います。 |
| 染料・クラフト | 草木染めや、リース・ポマンダー※などのハンドメイド品に使って、色や香りを楽しみます。 |
| ハウスキーピング | 消臭や害虫除け目的のブーケやサシェ、掃除用品など、暮らしに役立てる目的で利用されます。 |
※アロマテラピー:植物から抽出した香り成分である「精油(エッセンシャルオイル)」を使って、心や体のケアなどに役立てていくものです。「芳香療法」とも呼ばれています。
※ポマンダー:「香り玉」の意味。なかでも「フルーツポマンダー」は、オレンジなどの柑橘系の果物にクローブを差し、さらにシナモンなどのパウダースパイスをまぶしたもの。
フルーツポマンダーの作り方はYouTube・エスビー食品公式チャンネル
でご紹介しています。
スパイス&ハーブと健康
~伝統医学との関わり
スパイスやハーブは、古くから伝統的な健康観の中でも重要な役割を担ってきました。
スパイスやハーブは単なる食品ではなく、日々の暮らしに役立つものとして活用され、体系化された伝統医学にも欠かせない存在となっています。代表的な例を見てみましょう。

インド「アーユルヴェーダ」
インドで成立した伝統医学で、人間の体の機能を「ドーシャ」と呼ばれる3つの要素でとらえ、そのバランスを重視する考え方をもちます。このバランスを維持する目的でスパイスやハーブが役立てられています。

中国「中医学(漢方医学)」
陰陽五行説に基づいて、天然由来の医薬品(生薬)や鍼灸、気候、マッサージなどを体系化したもので、日本でも「漢方」として定着しています。植物由来の生薬は、料理で親しまれるスパイスやハーブとほぼ同種のもの※も多く見られます。

ヨーロッパ
ギリシアの伝統医学や「メディカルハーブ」
古代ギリシア時代のヒポクラテスは病気を科学的に捉え、現代の医学や薬学の礎になる考え方を築いたとされますが、このなかで400種ものハーブの処方をまとめたといわれています。これは時代とともに発展し、現在「メディカルハーブ」とも呼ばれる西洋ハーブ医学にも通じています。
※現在、日本では、食品としてのスパイス・ハーブと、医薬品(漢方薬等)としてのそれらは薬機法(「医薬・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)により明確に区別されています。
スパイス&ハーブと健康
~健やかな食生活に生かす
現代の食生活において、スパイスやハーブは「おいしさ」と「健康」をつなぐ役割も果たします。
特に注目されているのが、料理の塩分を控えながら食事の満足感を高める使い方です。スパイスやハーブが持つ香りや辛みが、料理の味を引き締めたり、素材の風味を引き立てたりすることで、薄味の物足りなさを補ってくれます。
また、伝統的に知られてきた健康への活用についても科学的な研究が進められており、いくつかのスパイスやハーブの成分は食品やサプリメントなどへも利用されています。
関連情報
近年では、スパイス・ハーブの香りや成分に関する研究も進み、新たな活用方法や価値の広がりにも注目が集まっています。
スパイスやハーブは、料理をおいしくするだけでなく、暮らしを豊かにする香り、文化に根ざした使い方、健やかな食生活への貢献といった、多様な可能性を持っています。
ぜひ、身近なスパイスやハーブからさまざまな楽しみ方を見つけてみてください。
