ハーブティーはハーブの香りを楽しめるのが最大の魅力です。
特にフレッシュハーブでいれたハーブティーは、ハーブの香りがお湯の中に静かに溶け出しています。
今回は、"香りの水"とも言えるハーブティーを使って、香りの不思議な力を体験してみましょう。
実験 ハーブの香りでトマトの味に起きる変化を体験してみましょう
用意するもの
- スィートバジル(大きな葉2枚)
- スペアミント(葉10~12枚)
- トマト 1個(実験には、あまり甘くないトマトのほうが向いています)
- プラスチックスプーン 3本
- カップ 2個
手順1ハーブティーの準備
- (1)きれいに摘み取ったスィートバジル、スペアミントの葉(市販の生ハーブでも可)をそれぞれカップに静かに入れる。
- (2)1のカップに約150mlずつ熱湯を注いで3分ほど蒸らす。
- (3)それぞれのカップからハーブを取り出したのちに、室温まで冷ます。
※注意
今回の実験はフレッシュハーブの特徴的な香りを体験することが目的です。
そのため、ハーブの葉を切り刻んだりもんだりせず、そのまま使いましょう。
切り刻んだりもんだりしますと、“青臭い葉のにおい”が出てくる可能性があります。
手順2トマトの準備
トマトを小さく切る (スプーンにのる程度の大きさにカットするのが目安)。
トマトを使った実験の前に…
ハーブティーに香りがあることを確認してみましょう
- (1)室温まで冷めたそれぞれのハーブティーを飲んでみましょう。
- (2)次に鼻をつまんで、それぞれのハーブティーを飲んでみましょう。
(1)と(2)で違いを感じたでしょうか?
一般に、鼻をつまんで食べ物を口に入れると、のどから鼻に香りが抜けないため、香りを感じません。
そのため、(1)はハーブの特徴的な香りを感じ、(2)は普通の水のように感じるのです。
ハーブティーは、まさに"香りの水"なのです。
手順3 食べ比べてみましょう
A | 小さく切ったトマトをひとつスプーンにのせて食べてみましょう。 |
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B | 小さく切ったトマトをひとつスプーンにのせ、スィートバジルのハーブティーに浸してから食べてみましょう。 |
C | 小さく切ったトマトをひとつスプーンにのせてスペアミントのハーブティーに浸してから食べてみましょう。 |
Aのトマトの味は、BとCでどう感じましたか。
以下のような変化を感じたのではないでしょうか?
- A:トマトの味
- B:トマトの味がAより濃く感じた
- C:トマトの味がAより爽やかに感じた
スィートバジルの香りの成分は、重厚な清涼感とほのかな甘さが特徴です。
トマトの味にこの香りが加わることで、濃さを感じるようになるのです。
一方、スペアミントの香りの成分は、甘さと爽やかさが特徴です。
トマトの味にこの香りが加わることで、より爽やかに感じるようになるのです。
どちらの味がお好みでしたか?
参考 実験結果(エスビー食品調べ n=31)
Q1AとBのトマトの味に差を感じましたか?
Q2Bを試食して感じた味や風味の印象(抜粋)
- ちょうどよい酸味でおいしかった。
- 甘みを少し感じる。
- トマトの風味が薄い。青臭さがあまりない。
- バジルの爽やかさがあり、酸味が消えてトマトのやさしさを感じた。
- だしの風味。青臭さがやわらかくなった気がする。
- バジルの香り。トマトが少し甘くなった。
- バジルの味がしてサラダを食べているような感じがした。
- バジルの爽やかな香り。生臭さがなくなる。
Q3AとCのトマトの味に差を感じましたか?
Q4Cを試食して感じた味や風味の印象(抜粋)
- 最初のほうに青っぽい香りを少し感じたが、よりフレッシュ感があった。
- フレッシュな感じ。爽やかな印象。
- 酸味を感じる。フルーティーな印象。
- ミントの香りを感じた(すっきりした)。青臭さをあまり感じなかった。
- トマト臭さがマスキングされ食べやすくなった。
- スペアミントの爽やかさがあり、トマトの酸味も消える。
- ミントの爽やかな風味が広がる。ほのかに甘みを感じる。
- 青臭さをなくした感じがする。
味の感じ方には、酸味や甘味だけではなく、香りも大きく影響しています。
トマト自体の香りにハーブの香りが適度に加わることで新しい香りが生まれ、その結果として、「濃厚な味」や「爽やかな味」が作り出されているのです。
普段私たちが接している身近な香りも、新たな味の発見につながるヒントとなるかもしれませんね。