新鮮な海山の幸を楽しむことができる恵まれた気候風土の日本では、古来から新鮮な素材の持ち味を活かしながら、アクセントをつける「薬味」として、スパイスやハーブを使いこなす食文化が培われています。
薬味は、香りや辛みと同時に彩りを添え、舌だけでなく目でも楽しませる美しさもあります。
刺身
生魚を美味しく頂く工夫として、また古くは殺菌効果なども期待され多くのスパイスやハーブが使われています。
日本における
スパイス&ハーブの歴史
日本のもっとも古い歴史書である「古事記」(712年)にはしょうが、またはさんしょうを指す「ハジカミ」や蒜(にんにく)、「東大寺正倉院文書」の中の正税帳(734年)には、胡麻子(ごま)、「延喜式」(927年)には干薑(乾しょうが)や芥子(からし)、「本草和名」(918年)には山葵(わさび)などの名が登場し、古くから日本で栽培されていたことがわかります。「延喜式」(927年)には、にんにくの栽培法が記されています。
一方、こしょうなどの熱帯地方原産のスパイスは、聖武天皇の時代(724~749年)にすでに日本に上陸していたようです。正倉院の御物の中にこしょうのほか、クローブ、シナモンがおさめられており、いずれも貴重な薬として日本に渡来していたことは間違いありません。
その後も中国との交易、中世ヨーロッパ人の来航、日本の東南アジア諸国への渡来、近世の御朱印船貿易などによってスパイスが次々と渡来してきました。
日本の食文化に関わる代表的な
スパイス&ハーブ
- わさび 世界各地でも「WASABI」の名で親しまれているスパイス、わさびについてご紹介します。
- しょうが、からし、にんにく さまざまな料理で大活躍する、しょうが、からし、にんにくについてご紹介します。
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唐辛子、唐辛子加工品
唐辛子や日本を代表するミックススパイス・七味唐辛子などの唐辛子加工品をご紹介します。
(唐辛子、七味唐辛子、柚子こしょう、もみじおろし、かんずり) -
その他、和のスパイスやハーブ
日本の食文化に関わるその他のスパイスやハーブをご紹介します。
(山椒、くちなしの実、けしの実、ゆず、三つ葉、しそ、あさつき、ねぎ、ミョウガなど) - カレー粉 日本の国民食カレーを作る為には欠かせないカレー粉が、日本に広まっていった歴史などについてご紹介します。