ナツメッグと一心同体。
科名 | ニクズク科 |
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原産地 | モルッカ諸島(バンダ諸島) |
利用部位 | 仮種皮 |
別名 | にくずくか(肉豆く花) |
特徴
こんなスパイス&ハーブです。
ナツメッグの木から採れる果実を割って現れる仮種皮と呼ばれる美しい深紅色の網目状の膜を乾燥させたものがメースです。ナツメッグと同じ果実から採取されるスパイスで、香りは似ていますが、メースの方がより繊細でやわらかい香りがします。乾燥して粉にしたものは、ナツメッグより明るく赤みを帯びた茶色です。
語源・別名
にくずくか(肉豆く花)
エピソード
ナツメッグもメースも、同じ植物の果実から
16世紀末から17世紀にかけて東洋への航路が開けた後は、オランダがナツメッグとメースを独占していました。しかし、その頃は香辛料に対する知識が低かったため、オランダ本国のある商社の役員は、メースがナツメッグより需要が多く値段も高かったことから「ナツメッグの木を伐採し、メースの木を多く植林せよ」と現地に指令を発したそうです。ナツメッグとメースが同一植物の果実から採れることを知らなかったのです。日本にナツメッグが伝来した時期は不明ですが、1454年に飯尾永祥が著した「撮壌集」の中に、薬種(漢方薬)としてにくずくの名が見られます。また、16~17世紀にかけて来航したオランダやポルトガル船が運んだ商品リスト中にも、その名を見ることができます。
適した料理
菓子、ジャム、ひき肉料理など
ナツメッグと同様に使われますが、やわらかな香りを活かし、どちらかというと菓子類やジャムなどに使われることが多いです。ナツメッグと合わせてミートソースやハンバーグに加えると、より深みのある仕上がりになります。