ナッツに似た芳香を持つ、香り高い種子。
科名 | ケシ科 |
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原産地 | 地中海東部沿岸、西アジア |
利用部位 | 種子 |
別名 | けしの実 |
特徴
こんなスパイス&ハーブです。
ナッツのような香ばしさをもっています。
形状
背の高い一年草で、白~淡い紫色の花を咲かせます。種子がたくさん入った袋状のさく果が熟し、黄褐色に色づき始める頃、茎ごと刈りとり、吊るして乾燥させるか、さく果のみを切り取って広げて乾燥させます。さく果の内部は7-15室の分かれていて、各室に無数の種子を包蔵しています。十分乾燥させた後、さく果を割り、種子を収穫します。非常に小さな粒で、1kgあたりの種子数は、約200万粒にもなります。
語源・別名
けしの実
エピソード
多くの品種がある“けし”
ケシ科に属する植物は、けし、ひなげし、おにげし、ちしまひなげしなど200種類以上あると言われ、古くから薬用、食用、観賞用などに栽培されています。
けしの花は、美人と英雄のシンボル
紀元前232年、漢の国との戦いに敗れた楚(そ)の国の帝・項羽が自決した後、項羽が愛した虞美人(ぐびじん)も後を追い死んでしまいます。その虞美人の魂が、けし(ひなげし)の花に化したと伝えられています。中国では別名「麗春花」ともいいますが、ひなげしのことを「虞美人草」と呼ぶようになった所以です。一方、ヨーロッパでは、昔からけしの赤い花の色は、戦場で倒れた戦士たちの流した血が乗り移ったものと伝えられ、けしの花はこれら英雄たちのシンボルとされていました。第一次世界大戦後、アメリカでも休戦記念日の公式の記章として、戦場跡に咲いた赤いけしの花が記念日に街頭で売られています。
適した料理
菓子、パン、焼き物、炒め物、揚げ物など
パンやケーキ、焼き菓子などのほか、焼き物、炒め物、揚げ物などにそのまままぶしたり、挽いて利用したりします。日本では、おせち料理の定番”田作り”や“松風焼き”、菓子パンなどに用いられています。七味唐辛子の原料にも利用されます。