世界で愛される
「台所の神の申し子」
科名 | ショウガ科 |
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原産地 | 熱帯アジア |
利用部位 | 根茎 |
別名 | 生姜、生薑(しょうきょう)、はじかみ、乾薑(かんきょう) |
特徴
こんなスパイス&ハーブです。
さわやかな香りと辛みをもつスパイスです。生のものをスライスしたり、みじん切り、せん切りにしたり、すりおろしたりして各種料理の風味づけや薬味に用いたり、乾燥させてパウダー状にしたものを利用したりします。
形状
黄色塊状の根茎には、特有のシャープな辛みと香りがあります。完熟した生姜の根茎の大きさは、品種や産地によって多少異なります。
語源・別名
はじかみ、生姜(しょうきょう)、乾姜(かんきょう)
エピソード
英国王室御用達の生姜入りパン
16~17世紀のイギリスで人気を博したジンジャーブレッド。とりわけ、表面に金箔をぬったような黄金色をした奇抜な形のジンジャー入り菓子パンがロンドンで売り出されると、珍しさもあって大変な評判を呼び、エリザベス女王をもとりこにしてしまいました。
特権階級の香り
インドでは紀元前の昔から栽培されていたと言われています。調味料としての記載は、紀元1世紀頃のインドやアラビアの料理書の中に見られ、ほとんどは粉末にしたものが使われていました。10世紀頃のヨーロッパでは、東洋の貴重なスパイスとして高価だったため、生姜の香味を楽しめるのは一部の特権階級に限られていました。その後、新しい交易ルートが開拓されるとその人気は次第に高まり、14世紀にはこしょうに次ぐ重要なスパイスとして用途が広がり、とりわけ飲料や菓子類の風味づけとして、ジンジャー・エール、ジンジャー・ブランデー、ジンジャー・ブレッドなどに使われました。
日本でも古くから活躍
中国で古代から栽培されていた生姜が、いつ頃日本に渡来したかは明確ではありませんが、山椒を「皮(かわ)はじかみ」、生姜を「呉(くれ)の薑(はじかみ)」と呼んで区別しています。「呉(くれ)」は、中国の三国時代の呉(ご)の国の日本式呼称なので、5世紀はじめの頃ではないかとも考えられます。香辛料として生の生姜が使われていたことは、当時の宮中の年中行事や制度などを記した「延喜式」(927年)に記録されています。その後は、甘酒、くず湯などの飲料、砂糖漬け生姜などの菓子、魚料理やすしのつまなど広範な用途に、生姜の香味が生かされてきました。
適した料理
肉料理、魚料理、菓子類、ドリンク類、各種ソースなど
肉料理、魚料理、菓子類、ドリンク類、各種ソースなど、各国の料理に広く用いられているほか、カレー粉やチャツネなどの原料にも使われます。
おろししょうがを紅茶、コーヒー、ココアなどのドリンクに加えたり、ハチミツと合わせてトーストやヨーグルトなどに加えれば、シャープな風味がアクセントとして手軽に楽しめます。また、若い芽しょうがは「筆しょうが」とも呼ばれ、魚の焼き物の付け合わせに用いられたり、味噌を添えて酒のつまみに利用されたりします。