Pick Up! スパイス&ハーブを使いこなそう!ミニ講座&おすすめレシピ

ご案内スパイス&ハーブマスター遠藤由美

ってどんなスパイス?

クミン

利用部位:種子(植物学上は果実にあたる)
別名:馬芹(うまぜり)

クミンは、カレーを思わせるエスニックな芳香をもったエジプト原産のセリ科のスパイスです。
長さ5~6mmの長楕円形をしており、種皮は淡黄色をしています。

カレー粉の主原料としても利用されておりおなじみの香りです。
インドでカレー料理を作る時のみに利用されると思われがちですが、カレーライス以外にも、世界各国で幅広く用いられています。
原産国であるエジプトや西アジアでは、古くから栽培されていたため、この地方の人々はクミンを好んで料理に使用してきたと言われます。
その後、国境を越えて往来していた商人たちが種子を持ち込みイランやイラクなどにも広まりました。
カルタゴ軍(現在のチュニジア)が征服したスペインにもクミンを利用した料理が紹介され、その後ヨーロッパにも広がります。
コロンブスの新大陸発見後は、スペインからメキシコへ、さらにはアメリカ南部へ伝わりました。
それぞれの土地の料理にクミンは大きな影響を及ぼしたと言われています。

利用部位
別名

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使いこなしポイント!カレーはもちろん、世界中の様々な料理にも利用されています。

◆カレーライスの香り付けに

インド料理などではクミンシードが、スタータースパイスとしてもよく使われます。
料理の最初に、油とクミンシードをじっくりと温めながら香りを移し、その油で調理をすることで、料理全体にクミンのよい香りが感じられるようになります。
パウダータイプのクミンは、煮込みの段階で加えたり、仕上げに加えるのも良いでしょう。

また、クミンシードを入れて炊いたご飯は、カレーとの相性もばっちりです。

◆世界中の様々な料理に

クミンの原産地、エジプトではコロッケの香り付けなどにも手軽に利用されています。
また、北アフリカの「クスクス」、ドイツの「キュンメル酒」、中国では「ラム肉の炒め物」、北欧ではチーズなどにクミンシードが利用されています。
パウダータイプは中東のひよこ豆のペースト「フムス」、南アメリカの「チリコンカン」やメキシコの「タコス」などの香り付けに利用されることが多いようです。

このように世界中で、カレー以外の料理にもクミンの香りは利用されています。