| 一般的呼称 | 語源 |
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| 説明 | |
| ペッパー (こしょう) |
古代インドのサンスクリット語(梵語)のピッパリー(pippali) |
| ロングペッパー(長胡椒)を指す用語ピッパリーが、胡椒を指す語に転化 | |
| ナツメッグ | 中世ラテン語のヌクス・ムスタス(nuxmuscus) |
| 「じゃ香のように強く、良い香りがする堅果」の意 | |
| メース | ラテン語のマチス(macis)又はギリシャ語の(macir) |
| いづれかは断定しにくいが、当時、メースを示唆する名として用いられていた | |
| シナモン | フェニキア語のタイーナモン(quinamon)→ギリシャ語のキナーモン(kinamomon) |
| 「巻管状をした非のうちどころのない最上の香料」の意 | |
| クローブ | フランス語のクルウ(clou=釘) |
| フランスではクロープをクルウ・ド・ジロフル(cloudegirofle=釘状の薑)と呼ぶ | |
| チリーペッパー (唐辛子) |
メキシコのアズテック人が使っていた呼杯チリー(chili)そのまま |
| 一般にチリー、チリーペッバーと呼ばれて取引されているが南米の国名とは無関係 | |
| オールスパイス | 英語の(all)と(spice)の単なる合成語 |
| シナモン、クロープ、ナツメッグ及びペッパー(こしょう)の 4大スパイスを混合したような香味をもつことによる |
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| カルダモン | ラテン語のカルディア(cardia=心臓)とアモーマム(amomum=びゃくづく) |
| 生薬やスパイスとして用いられる“びゃくづく”の近緑植物で心臓の形に似ているの意 | |
| ガーリック | アングロサクソン語のガア〈gar=槍〉とリーク(1eac=辛い味) |
| この植物の葉の形が槍状で細長く、根茎に辛い味があることから出た | |
| パプリカ | モンゴール系ハンガリー人の言葉マジャール語の呼称(paprika)そのまま |
| マジャール語のパプリカは(ペッバー=赤い唐がらし)を指す呼称 | |
| ターメリック | ラテン語のテラ・メエリタ(terramerita=素晴らしい大地) |
| 「素晴らしい大地に育ち生まれたもの」の意 | |
| サフラン | アラビア語の呼称(saffron)そのまま |
| 原産地の一部であるアラビアの用語に由来する | |
| スターアニス | 英語の(star)と(anise)の単なる合成語 |
| 外観が星形で、アニスシードに似た芳香をもつことによる | |
| ジンジャー | サンスクリット語のジンガ(singa=角)とベラ(vera=形) |
| この植物の根茎が、「鹿の枝角の形によく似ている」の意 | |
| ホースラディッシュ | 英語の(horse=馬)と(radish=大根) |
| 大根の仲間に属し、馬のように素性強く、 大きく育ち、偉大な力を発揮することによる |
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| わさび | ”山葵”と書いて”わさびI”と呼ぶのはあて字 |
| 山合いの沢や渓流に自生し、栽培されるもので、葉の形が葵の棄に似ているの意 | |
| さんしょう | 山林に自生する椒(辛いもの)=山椒 |
| 古くから日本、中国などで利用された薬味、 椒は辛い実の意、胡椒、蕃椒(唐がらし)の例に見られる |
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| フェネグリーク | ラテン語のフェヌム(foenum=干草)とグレクム(graecum=ギリシャ) |
| 昔、ローマ人がギリシャで一般的な作物であったこの植物を持ち帰って命名 | |
| かんぞう (リカリス) |
呼んで字のごとく甘い味をもつ植物=甘草 |
| この植物の主根には、甘味があり、その主成分グリチルリチンの呼称も“甘い根”の意 | |
| りょうきょう (ガランガル) |
高良(中国の地名)の薑(しょうが)=高良薑、短縮されて良薑 |
| 「高良を主産地とするしょうがの仲間」の意 | |
| ちんぴ (マンダリン) |
陳い(古い)温州みかんの果皮=陳皮 |
| 漢方で芳香薬として繁用され、特に古くなったものほど尊ばれる | |
| クミン | ギリシャ語のクミノン(kuminon)→ラテン語クミヌム(cuminum) |
| 古くから利用していたギリシャ人の呼称に由来するが、 ドイツ語のKummelは本来キャラウェーのこと |
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| コリアンダー | ギリシャ語のコリス(koris=ナンキン虫)+アンネドン(annedon=アニス) |
| この植物は、葉がナンキン虫ようの匂いをもち、 種子にはアニスに似た佳香があるの意 |
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| フエンネル | ラテン語のフェーヌム(foenum=干草) |
| 茎の色が黄緑色で、干し草のような良い香りがあり、 干せば干すほど香りがよくなることによる |
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| キャラウェー | アラビア人の呼称カルウイア(karwya)一ラテン語のカレウム(careum) |
| 最初に料理に使用したアラビア人の呼称から転化、 外観がそっくりなため、香味の異なるクミンと混同される場合がある |
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| アニス | ギリシャ語のアンネドン(annedon=アニス) |
| 古代からエジプト、地中海東部治岸で栽培され、 ギリシャのクレタ島が主要な供給地で、その呼称に由来 |
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| マスタード | ラテン語のムスツム・アルデンス(mustum ardens=燃えさかる新ぶどう汁) |
| すりつぶした芥子種に、醗酵途中の又は未醗酵の新ぶどう汁か酢を加えて練り、 フレンチマスタードに仕上げたことに由来 |
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| ディル | スカンジナビア語(古代ノルウェー語)のジーラ(dilla=定める、和らげる) |
| その種子の煎汁に消化器官の鎮静作用や幼児の夜泣症を直す効果があることによる | |
| セロリー | ギリシャ語セリノン(selinon=パセリ)→伊語セレリ(seleri)→仏語セルリ(celeri) |
| セリ科の一品種スモーリッジ(古い英名)が17世紀前半に仏、伊で食用に供されてからセロリーになる | |
| ごま | 胡の団(中国西方の諸外国の総称)から入手する油麻=胡麻 |
| 油糧種子で、中国の在来種である大麻と区別するため胡麻と称した | |
| けしの実 | 罌粟(おおぞく)が正名、けしに読みかわった |
| 芥子をけしと読むのは誤用、粟粒のような小さな種子が詰まった罌(瓶=かめ)の意、 けしのさく果の形を表わしている |
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| あさの実 | 中国在来の大麻(おおあさ)、単に麻(あさ)ともいう |
| インド産大麻(おおあさ)には強い麻酔性があり、混同を避けるため「たいま」と呼んで区別している | |
| ローレル | 古代ローマ時代の神木、月桂樹の名産地ラウレンツム(Laurentum) |
| ローマ皇帝ネロは、ローマ市にペストが流行した時、 月桂樹で清められた空気の街ラウレンツヘ逃れたほどである |
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| オレガノ | ギリシャ語のオリガヌム(origanum=喜びの山) |
| ギリシャ地方の山野に広く自生し、古くから利用されてきたハーブの一種である | |
| タイム | ギリシャ語のチモン(thimon=防腐) |
| 強い防腐力をもち、肉食中心のヨーロッパで、古くから偉大な力を発揮してきた | |
| セージ | ラテン語のサルブス(salvus=健康、治療)→フランス語のソージュ(sauge=紅花) |
| 健席維持に役立つ有効成分を持ち、仲間に美しい紅色の 花をつけるものがあることによる(べにばなサルビア) |
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| サボリー | ラテン語のサツレヤ(satureja=半獣神お気に入りの媚薬) |
| 媚薬、胃薬、強壮剤、蜂さされ治療薬から、 古いアングロサクソン料理に使われsavoryと呼ぶに至る |
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| バジル | ギリシャ語のバジレウス(basileus=王) |
| 香りが大変高貴で、王侯の舘にとてもぶさわしい香草の意 | |
| ローズマリー | ラテン語のロス(ros=露)+マリヌス(marinus=海) |
| 地中海沿岸に広く野生し、霧と塩風にさらされてよく育つものという意 | |
| ペパーミント | ラテン語のピペリタ(piperita=胡椒の味がする)+ミンタ(mintha=薄荷) |
| 薄荷はギリシャ神話に出てくる女神ミンテ(Minte)の化身とされ、刺激味をもつ品種の意 | |
| タラゴン | アラビア語のタルクン(tarkhun=小さな滝)→フランス語エストラゴン(estragon) |
| 根がヘビのようにとぐろを巻いている意、 又、毒をもつ爬虫類にかまれた傷を治す効果があることに由来 |
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| パセリ | ラテン語のペトロセリノン(petroselinon=岩場のパセリ) |
| 地中海治岸の断崖に近い岩場や、石の多い所に群生しているのが発見されたことによる | |
| マジョラム | ラテン語のアマラクス(amaracus=amaras=苦い味)→マヨラナ(majorana) |
| 語源と違って苦みはなく、甘い香りがあり、スイート・マージョラムとも呼ぶ、 苦みがあるのはオレガノ(別名:ポートマジョラム) |
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| よもぎ | 中国語の艾(お灸に使うモグサ)蒿(もちくさ)=艾蒿 |
| お灸や、くさ餅に利用される薬草の意、又、モグサは燃え草の意 | |
| しそ | 中国語の紫色をした蘇(よみがえる、生きかえる力)=紫蘇 |
| 薬用、食用に供し、料理や健康を蘇生させるの意、緑色の品種のものをわが国では青紫蘇と呼ぶ |
