からしの辛味

和からし(オリエンタルマスタード)の辛味成分は、アリルイソチオシアネートという物質です。

アリルイソチオシアネートは、和からしに含まれるシニグリンという物質に、水の存在下で酵素ミロシナーゼが働いてできます。
粉からしや粉わさびを水で溶くと、辛味が出てくるのはこの為です。
この成分は揮発性があり、そのため辛味が鼻にぬけるのです。

和からしの辛味

和からしの辛味の発現機構

シニグリン 水 酵素ミロシナーゼ アリルイソチオシアネート

なお、わさびやホースラディッシュの辛味も和からし(オリエンタルマスタード)同様アリルイソチオシアネートによるものです。
鼻にツーンとぬけるような強い辛味が特徴です。

洋からしの辛味

洋からし(イエローマスタード)の辛味成分は、パラハイドロオキシべンジルイソチオシアネートという物質です。
洋からしに含まれるシナルビンという物質に、水の存在下で酵素ミロシナーゼが働いてできます。

洋からしの辛味の発現機構

シナルビン 水 酵素ミロシナーゼ パラハイドロオキシベンジルイソチオシアネート

洋からしは、和からしに比べると、刺激の少ないマイルドな辛味を持っています。
からしにおける、辛味物質の発生には酵素ミロシナーゼが必要ですが酵素が働くためには水も必要です。
水の温度は、冷水よりもぬるめのお湯が好ましく、又熱湯などでは酵素は失活してしまいます。