スパイスの歴史に関するお話統合療法へ-ハーブが医療で注目される

現代の医学は飛躍的な進歩を遂げていますが、対症療法的であったり、ピンポイント的であったり、薬に頼り過ぎて副作用を起こすなどの問題点も指摘されています。高度化、複雑化する一方の現代社会の中で、複合的な要因や、心的な要因で病に冒されるケースも増え、現代医学だけでは対応しづらい状況も生まれています。「癒し」という言葉がよく聞かれるようになってきたのも、そんな現代の事情を反映しているのかもしれません。

その中で、この現代医学を補完あるいは代替する医療として、ハーブ療法やアロマテラピー、バッチフラワーレメディー(植物の不思議な力を特殊な方法で抽出したエキスを利用する)、ホメオパシー(植物や鉱物などから抽出した毒素を希釈した錠剤を使う)、有名なインドの「アーユルヴェーダ」など、様々な療法が注目を浴びています。
おおよそ共通するのは、部分ではなく全体を見、さらに身体全体の調和を重んじ、日常生活の改善にも目を行き届かせじっくりと時間をかけて治療をする、さらに身体自身に備わっている免疫力など自然の力を活用するといったところでしょう。

しかし最近は代替や補完でなく、代わって「統合医療」への流れが本流になってきています。というのも、現代医学に不向きなところを代替療法が担っていることは確かですが、逆に、骨折や外科的手術を要する病気、癌などの重病、急性の病気には長い時間を必要とする代替療法は不向きです。
そこで、お互いが不向きなところを協力しあってよりよい医療にしようという「統合医療」という言葉が最近よく用いられるようになってきたのです。
ハーバリストはハーバリスト、医者は医者と区別していた時代とは違い、ハーブ療法も統合医療に見合うよう現代風に形を変えつつあるのです。