専門的な立場からスパイス&ハーブを植物分類学上の属する科によって分類する場合があります。
科名から香りや風味、使い方を何となくイメージして料理に応用することができたり、収穫のしかたや花のつき方の見当を大まかにつけることもでき、料理やガーデニングのシーンで役立つこともあります。
セリ科
葉が対生し、さわやかな香りを持つものが多く、葉も種子も食用に用いられるものが多いようです。移植を嫌うため、なるべく何度も植え替えず、収穫するときは外側の葉からカットします。
ショウガ科
しょうがなど、すーっとする香りを持つものが多いようです。
アブラナ科
わさび、マスタードなど、辛みを持つものが多いようです。
※注意:植物分類学による定義(葉や花の構造等)以外の特徴については、必ずしもすべてに当てはまるとはいえないため、過信は禁物です。
スパイス&ハーブ分類表
科 | スパイス&ハーブ名 |
---|---|
シソ科 | ミント、バジル、マジョラム、オレガノ、セージ、タイム、ローズマリー、しそ、サボリー、レモンバーム、ラベンダーなど |
ナス科 | 唐辛子、パプリカなど |
ゴマ科 | ゴマ |
キク科 | カモミール、タラゴン、よもぎなど |
コショウ科 | こしょう、ヒハツ(ロングペッパー) |
ニクズク科 | ナツメッグ、メース |
クスノキ科 | ローレル、シナモン |
マツブサ科 | スターアニス |
アブラナ科 | マスタード、わさび、ホースラディッシュ、ルッコラ(ロケットサラダ)など |
マメ科 | フェネグリーク、かんぞう(リカリス) |
ミカン科 | 山椒、花椒、陳皮、ゆず、カフェライム、カレーリーフなど |
フトモモ科 | クローブ、オールスパイス |
セリ科 | ディル、セロリー、キャラウェイ、コリアンダー(パクチー)、クミン、フェンネル、パセリ、アニス、アジョワン、ミツバなど |
ヒガンバナ科 | ガーリック、オニオン、エシャロット、ねぎ、ニラ、チャイブ(シブレット)など |
アヤメ科 | サフラン |
ショウガ科 | ジンジャー(しょうが)、ターメリック、カルダモン、ミョウガなど |
ラン科 | バニラ |
イネ科 | レモングラス |
コラム
分類表から多くのハーブがシソ科やセリ科に属していることがわかります。
同じ科に属するスパイスやハーブは一般に似ているものが多いようです。
例えば、クローブとオールスパイスはフトモモ科に属していますが、どちらもオイゲノールという成分を持っており、香りが似ています。また、セリ科植物のキャラウェイ、クミン、フェンネルなども種子の形態が似ています。