3. 植物学上の分類

専門的な立場からスパイス&ハーブを植物分類学上の属する科によって分類する場合があります。
科名から香りや風味、使い方を何となくイメージして料理に応用することができたり、収穫のしかたや花のつき方の見当を大まかにつけることもでき、料理やガーデニングのシーンで役立つこともあります。

セリ科

葉が対生し、さわやかな香りを持つものが多く、葉も種子も食用に用いられるものが多いようです。移植を嫌うため、なるべく何度も植え替えず、収穫するときは外側の葉からカットします。

ショウガ科

しょうがなど、すーっとする香りを持つものが多いようです。

アブラナ科

わさび、マスタードなど、辛みを持つものが多いようです。

注意:植物分類学による定義(葉や花の構造等)以外の特徴については、必ずしもすべてに当てはまるとはいえないため、過信は禁物です。

スパイス&ハーブ分類表

スパイス&ハーブ名
シソ科 ミント、バジル、マジョラム、オレガノ、セージ、タイム、ローズマリー、しそ、サボリー、レモンバーム、ラベンダーなど
ナス科 唐辛子、パプリカなど
ゴマ科 ゴマ
キク科 カモミール、タラゴン、よもぎなど
コショウ科 こしょう、ヒハツ(ロングペッパー)
ニクズク科 ナツメッグ、メース
クスノキ科 ローレル、シナモン
マツブサ科 スターアニス
アブラナ科 マスタード、わさび、ホースラディッシュ、ルッコラ(ロケットサラダ)など
マメ科 フェネグリーク、かんぞう(リカリス)
ミカン科 山椒、花椒、陳皮、ゆず、カフェライム、カレーリーフなど
フトモモ科 クローブ、オールスパイス
セリ科 ディル、セロリー、キャラウェイ、コリアンダー(パクチー)、クミン、フェンネル、パセリ、アニス、アジョワン、ミツバなど
ヒガンバナ科 ガーリック、オニオン、エシャロット、ねぎ、ニラ、チャイブ(シブレット)など
アヤメ科 サフラン
ショウガ科 ジンジャー(しょうが)、ターメリック、カルダモン、ミョウガなど
ラン科 バニラ
イネ科 レモングラス

コラム

分類表から多くのハーブがシソ科やセリ科に属していることがわかります。
同じ科に属するスパイスやハーブは一般に似ているものが多いようです。
例えば、クローブとオールスパイスはフトモモ科に属していますが、どちらもオイゲノールという成分を持っており、香りが似ています。また、セリ科植物のキャラウェイ、クミン、フェンネルなども種子の形態が似ています。