お店の看板メニュー
キーマカレー
鶏肉や香味野菜、ハーブでとったブイヨンをベースに、30種類以上のスパイスを使ったサラサラ系カレー。ししとうを時々かじり、苦みを感じながらカレーを食べることで、香りや味を際立たせる仕掛けも唯一無二。
カレーのジャンルとして
確立した
「大阪スパイスカレー」の
パイオニア。
立体的に奏でる
スパイスの香りは
まさにカレーの新境地。
右手にスプーン、左手にししとう。
大阪では常識ですよ
店主 / オギミ~ル☆ さん
コロンビア8の監修で生まれた
レトルト商品
大阪スパイス
キーマカレー
立体的に奏でるスパイスの香りと焙煎カシューナッツの香ばしさを加えた風味豊かなカレー。
音楽を奏でるように
スパイスを重ね、
新発想な
カレーで自分を表現
20代の頃、「カレーってこんなにポピュラーな食べ物なのに、自分というものを表現できるなんてすごい!」と思い、料理の道に進みました。カレー屋で修行したらその店の味を真似ることになるので、自分だけのカレーを作るため、和洋中、ラーメン、アジア料理といろんなジャンルの飲食店で6年間働きました。
スパイスに関しては独学です。最初はレシピ本を見てスパイスを調合したりしていたんですが、しっくりこなくて。その頃DJもやっていたんですが、プレイする際にミキサーで低音、中音、高音を操るんです。そこで、スパイスの香りも低音、中音、高音に分けて音を作るように調合していったら、自分らしいカレーが作れるようになりました。
自分を表現できるカレーも完成したので、2008年に大阪で店を開きました。ただ、うちのカレーを初めて食べてすぐに「おいしい」なんて言う人はいなかったですよ(笑)。当時スパイスカレーはまだ大阪ではメジャーじゃなくて、店に入ってきたお客さんは欧風カレーを求めて来られるので、カレーを食べても「なんかよくわからんなあ」って首をかしげながら帰っていかれる方ばかり。でもまた2、3日したら「あれはなんやったんやろ?」ってもう1回食べに来てくれる。3回目で「なるほどな~」となって、4、5回と食べる頃にはどっぷりハマってくれる感じでしたね。
うちのキーマカレーは素揚げしたししとう、セットでお出しするグレープフルーツジュースも大切な名脇役です。まずししとうを左手に持ち、少しずつかじって口に苦みを含ませながらカレーを食べると、すいかに振った塩のような役割となり、スパイスの香りを拾いやすくなるんです。グレープフルーツジュースも同様の働きがあり、苦みや酸味をあえて挟むことで、カレーの味や香りに集中してもらえる対比効果が生まれます。初めてのお客さんには必ずこの食べ方を説明するんですが、それも他店にはないみたいでおもしろがってくださります。
コロンビア8の監修で生まれた
レトルト商品
大阪スパイス
キーマカレー
スパイスの香りや
カレーの風味、
見た目まで、再現度高し
香りがいいですね。見た目もばっちり。スパイス感が再現されていて、すごくいい感じに仕上がっています。レトルトカレーと言えば、濃厚なとろとろ欧風カレーが主流なので、うちみたいなサラサラのカレーを作るのは至難の業やったと思います。実際に、歴代の噂の名店シリーズのなかでも再現するのが難しかった代表格と言われました。
これまでのレトルトカレーを作る工程では行っていなかったスパイスの挽き方にチャレンジしてもらったり、うちはやっぱりスパイスの風味を大切にしているので、そこもかなり担当者の方に頑張ってもらいました。小袋に入った、ごはんに振りかける香りスパイスも、カルダモンやクミンなど、店で仕上げにかけるものとほぼ同じスパイスがブレンドされています。
私の印象だと、世間ではやっぱり大多数の方が「レトルトカレー=欧風カレー」を想像されると思うんです。そういう方がうちのカレーを食べられたら、びっくりされますよね。実際に、レトルト商品の発売当初は「あんたのとこのカレー、これで合ってる?」と直接電話がかかってくることもありました。でも、店を始めた時もお客さんから同じような反応をいただいていたので、「そう言いながらもこのカレーにハマっていくはず!」ってしめしめと思っていました。実際に今はレトルト商品を食べてファンになり、店に足を運んでくださるお客さんも多くてうれしい限りです。
スパイスカレーの
伝道師として、
大阪から全国、
さらには海外へ
コロンビア8は、2023年現在、直営店とFC店合わせて全国に6店舗を展開しています。2022年には那覇にも出店したので、次は北海道あたりに出したいですね。ゆくゆくは海外にも出店したいと思っています。2018年に「ミシュランガイド京都・大阪」のスパイスカレーというジャンルで、唯一うちがビブグルマンに選ばれました。それからも4年連続で受賞したおかげで、海外のお客さんが一気に増えたんです。特にフランスからのツーリストが多くて。いつかはニューヨーク、パリ、そしてアジアのどこかの都市にも出店したいです。
写真:宇津木健司
取材執筆:天野準子
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