2010/12/4
ケララ料理も食べおさめ… ~コーチン~
■最終日、快晴!
目を覚ますと、カーテンの隙間から光の筋がこぼれています。「やった、晴れだ!」とカーテンを開けると、まぶしいくらいの青い空。暑い一日になりそうです。
いよいよ帰国の日を迎え、この楽しかった旅行を早く友達に語りたいなという気持ちと、もっと南インドにいたいなという気持ちが入り混じり、ちょっとしんみり。
今朝は荷物整理もあるし・・・ということで、朝はゆっくり目に出発しました。
午前中は南インドらしいハンディクラフトのお店や、アーユルヴェーダコスメを各種発売していることで有名な「Himalaya社」の製品がおいてあるお店などでお買いもの。
ヒマラヤのコスメ(洗顔クリームやフットケアクリーム、石鹸など)は、全てハーブをはじめとする天然素材でできているということで、“東洋の高級コスメ”としてヨーロッパの方にも人気があるのだと、お店の方がおっしゃっていました。
使ったことのないブランドなので、自分に合うかどうか心配もありますが、何といってもお財布に優しいプチプライスということもあり、リップクリームとフットケアクリームを購入してみました。
海外でコスメを買っても結局使わないことが多いのですが、リップ、フットクリームなら、日常的に使えそうです♪
■美味!コーチンのシーフード料理
ランチは、「グランドホテル」のレストランへ。このレストランは地元の方にも観光客にも人気が高く、いつも混雑しているそう。
今回は、別室でビュッフェ形式でお料理を用意してもらいました。
最初にウェルカムドリンク(?)として出されたのが、ソルティーラッシー。
塩味はもちろんのこと、ピリッとした辛みと嗅ぎなれてきた南インド料理の香りがする・・・と思い、シェフに材料を聞いてみると、塩のほか、グリーンチリやカレーリーフを使っているそう!どうりで南インドの香りだ・・・と妙に納得。肝心のお味ですが、塩加減、スパイス加減がちょうどよく、おいしく頂きました!
ラッシーを頂いている間に、料理がどんどん並べられていきます。コーチンといえば、やっぱりシーフード!各種の魚介料理や、南インドで過ごすうちにおなじみになってきたアッパムやアビヤルなどがズラリ。
その中に、ティッカディーで食べて以来忘れられなかった“パロタ(ケララパン)”の姿も!!また食べられるなんて、嬉しい♪
食べたいものばかりで、料理がお皿に盛りきれるか心配です…。とはいえ、まずはバランス良く少しずつお皿によそいます。
お米は2種類、バスマティライスとケララライスが用意されていました。並べてみると色の違いがわかりやすいかな~。細長くて香りが良く、パラリとした食感のバスマティライス、丸っこくて粒が大きめでどこか麦飯にも似た食感のケララライス・・・どちらもおいしいのですが、今回はバスマティライスを選択しました!
ちなみに、これは、ケララライスを接写してみた写真。
ケララライスの雰囲気を写真におさめたくて、旅行中何度も挑戦したのですがなかなかうまく撮れず、これが一番きれいに撮れました!
自分のお皿にも一つとったこちらは、魚をスパイスとココナッツミルクで煮て、さらにバナナの葉で包んで蒸し焼きにした料理。
包みを開いてみるとこんな感じです。ココナッツミルクの甘い香りとコクに、ターメリックやコリアンダーの味がマッチして、魚の臭みもなく美味~♪
そのほかのお料理も全ておいしく、大満足!またコーチンに来たときには、ここで食事をしたいな~。
デザートは、パヤサム。バナナとパパドが添えられています。 パヤサムは、お米をミルク(ココナッツミルクの場合も)で煮て、カルダモンやシナモンなどで香りづけした甘いデザートです。ナッツやドライフルーツもトッピングによく使われます。
いろんなタイプがありますが、この黒っぽい色をしたパヤサムには、ジャグリーと呼ばれる黒砂糖が使われているそうです。甘いのですが、コクがあっておいしく、スパイシーな料理を満喫したあとの締めにぴったりです!
■インドのスーパーマーケット
海外のスーパーマーケットは、地元の方たちの生活が垣間見えるし、面白い商品や食材が安く手に入るし・・・で、大好きです。
“買い物はそれぞれの専門店で(肉は肉屋・・・のように)”が主流だったインドでも、最近はスーパーマーケットが各地にできてきているそう(特に都会)。
コーチンにもいくつかのスーパーマーケットがあるとのことなので、そのうちの「ASHIS SUPER MERCATO」へ行ってみます。
クリスマスが近いため、店内にはクリスマスの飾りが施されています。ヒンドゥー教徒の多いインドですが、ケララ州は人口の20~25%ほど、キリスト教徒がいるそうです。
クリスマスの飾りにもお国柄が表れているな~と思います。明るい色使いの星の飾りがキュート!
こちらのスーパーは品揃えが豊富で、多くの人でにぎわっています。
食料品のほか、石鹸などの日用品や、文房具、ステンレス製の食器なども置いてあります。
さっそく、楽しみにしていた食品コーナーへ。
即席麺のコーナーでは、“カレー味”や“マサラ味(スパイス味)”のラーメンが、インドらしさを醸し出しています。
こちらは、各種豆類や、ココナッツ(乾燥させておろした果肉)、ドライフルーツ、ナッツなどが並ぶコーナー。
充実の品揃えです!
販売単位(ひと袋あたりの量)も、1kg入りが主で、現地の方々の消費量がうかがえます。
また、粉類が並ぶコーナーには、ドーサ用のミックス粉や、イドゥリー用のミックス粉なんていう商品もありました!
スパイスコーナーも、商品充実!
おなじみのターメリックやクミンから、アジョワンやニゲラ、タマリンドペーストなど日本ではあまり見かけないスパイスまで、ズラリと並んでいて、見ているだけでも楽しくなってきます。
表には、野菜売り場がありました。
吊るしてあるバナナにもいろんな種類があり、南国ムード満天!
面白い野菜はないかな~と探してみると、ヘチマが売られていました。
ヘチマの右側の野菜は、ロッキーと呼ばれるインド瓜のようです。サンバル(豆と野菜のサラッとした南インドカレー)によく使われる野菜だそうですが、確かにサンバルを食べるとき、冬瓜のような野菜が入っているな~と思っていました。これだったのかなぁ?
■最後の夕陽
街を散策し、少し疲れたのでティータイムを。
「タージマラバールホテル」で、チャイを頂きます。この旅で、もう何杯めのチャイなのか数えきれませんが、ひとつも同じ味はありません。茶葉の量や牛乳の量、使うスパイスの種類や煮立て方など、作り手によってこだわりも違ううえに、その時の気候・相手の様子によってさらに味わいを調整する感性・・・そういった、単なる「味」以上のものを、知らず知らずのうちに感じているのかもしれません。
こちらに来てから毎日のように食べていたバナナチップも、お茶うけに出てきました。バナナチップにもいくつか種類がありましたが、よく口にしたのは、ココナッツオイルで揚げてあり、仕上げに軽く塩がしてあるタイプのもの。ココナッツオイルの風味とバナナの甘みを塩がひきたて、手が止まらなくなる味わいでした。
ゆっくりお茶を楽しんだ後は、インド最後の夕陽をボートから観賞します。
空がゆっくりと茜色に染まっていき、沈む間際には燃えるようなオレンジ色に。
夕陽を眺めていると、この旅で出会った方たちの笑顔や優しさ、楽しかった想い出が次々とよみがえってきます(もちろんおいしかった料理の数々も!)。
これで本当に旅が終わるんだな~と、ちょっとしんみりする気持ちもありますが、きっとまたいつかこの地を訪れるような気がしています。
最後に・・・この旅で特に心に残ったこと。
ひとつは、自然に感謝しながら共に暮らす南インドの人々の様子や、力強く育っているスパイスの様子。
こうした環境や歴史の中で育まれてきたスパイス文化を肌で感じ、もともと好きだったスパイスが、一層好きになりました。
もうひとつは、インド料理の面白さ。決まった“ベストな分量”というものはなく、季節や食べる人の様子によってその時の“ベスト”を作っていくという奥深いスパイス使いの魅力のとりこになりました。
この旅で感じたこと、学んだことは、これからの私の生活を、より一層楽しいものにしてくれると思います。
~ END ~