CHEF INTERVIEWシェフインタビュー

FOND DE VEAU DINNERT CURRY

ウェスティンホテル東京・
沼尻寿夫料理長が体験した、
「ディナーカレー」の
味とこだわり

贅沢で、どこまでも深い味わい ——。
「ホテルやレストランで食べるような本格欧風カレーを
ご家庭でも楽しめたら」
という思いから生まれたディナーカレーは、
1973年の発売から50年を迎えました。
時代に合わせて進化を重ねてきた自慢の味わいを、
今こそプロの料理人にも食べてほしい。
そこで東京・恵比寿のラグジュアリーホテル・
ウェスティンホテル東京の
総料理長・沼尻シェフのもとを訪ねました。

沼尻寿夫シェフ

ウェスティンホテル東京
総料理長 沼尻寿夫シェフ

沼尻寿夫シェフ

1982年、箱根・富士屋ホテルにて調理の世界に入る。ホテル西洋銀座のオープニングを経て、1998年ロイヤルパークホテルのフレンチレストラン「パラッツオ」へ。1994年よりウェスティンホテル東京のシェフとなり、宴会料理長、副総料理長に就任。2004年より総料理長となる。2010年、フランス共和国農事功労章オフィシエを受章。

「ホテルのカレー」が特別なのは、
極限までこだわり抜くから。

ホテルで食べるカレーと言えばどこか特別な趣きがありますが、この特別感の正体は何なのでしょう?

カレーは本当にポピュラーな料理ですよね。みなさんが、小さい頃から召し上がってきたご家庭の味も、きっと実においしいことと思います。

カレーとは、時間と手間をかけて作ろうと思えば、どこまでもこだわることができる料理です。カレーそのものを丹精込めて作るのはもちろん、たとえば当館なら、白米は質が上等なものを選び、付け合わせの福神漬けだって板前お手製です。さらに、開放的でゆったりとした時が流れる心地良い空間や、曇りひとつなく磨き上げたカトラリーもこだわりの一つです。

このように、最大限までこだわり抜く姿勢を追求した結果が、ホテルカレーの「特別な味」として表れるのだと思います。

沼尻シェフが考える、カレー作りで最も肝心なことを教えてください。

カレーそのものの話をするならば、やはり玉ねぎやコンソメ、デミグラスソース……扱う食材や調味料すべてが、皿の中できちんとそれぞれの役割を果たせること。そのためには、やはり手間を惜しまないことでしょうね。

特に玉ねぎは、カレーのような煮込み料理において非常に重要な存在。口の中に入れた時に感じる甘さやコクを、ぐっと引き出してくれるんです。だから炒め方一つとっても気は抜けません。こうした一つひとつのこだわりや手間を重ねていくことが大切なのではないでしょうか。

フォン・ド・ボーが織りなす
優雅な味わい。

こちらがエスビー食品の「ディナーカレー」です。召し上がってみていかがでしょうか?

口当たりに非常に丸みがあり、そしてなめらかですね。それでいて、コクもしっかりと感じられます。

料理人の立場から言わせてもらえば、バターの使い方がとても上手いと思いました。日本人の味覚は時代と共に少しずつ変化するものです。そして現代は、こってりとした濃い味よりも、比較的あっさりとした風味が好まれる傾向があります。その点、このカレーはバターの存在感が絶妙ですね。食べている最中はそれほど主張しないのに、飲み込んだ後、静かに香りが残る……。カレールウで作っていると分かっていても、仕上げにバターを乗せて香り付けしたのかと勘違いしてしまうほどでした。うん、欧風カレーの良さがよく出ていますね。個人的にも、好きな味わいのカレーです。

ありがとうございます。フォン・ド・ボー(仔牛から取った出汁)にも、最大限こだわりました。

ああ、分かります。どんな料理もフォン(土台)が良くないと、あとからどんなに手を加えたところで、まろやかでおいしいカレーには仕上がりませんからね。バターのコクとフォンのコク、どちらも絶妙なバランスで完成されていると感じます。それに玉ねぎもいい味を引き出していますね。コクと甘みのバランスがとれています。

また、カルダモン、クミン、コリアンダーなどのホールスパイスを使ったオリジナルの「煮込みマサラ」も使用しています。

食べ進めていくうちに口の中に少しずつ蓄積して、後から広がってきますね。このカレーは、欧風カレーとして正しくフォン、バター、玉ねぎが調和しているので、いわゆるスパイス感はそこまで強くありません。もしもスパイスの風味を今よりも出しすぎていたら、味わいに尖りが生まれて違和感があったのではないでしょうか。一皿の調和をとても大切にされているように感じます。

この味を、自宅でも食べられるわけですね。なんと言ってもカレーは手間のかかる料理ですから。その手間が集約されて、手軽に味わえるというのは素晴らしいことですね。

ディナーカレーはハレの日だけではなく、日常にあるちょっと特別な日にも食べていただきたいカレーですが、沼尻シェフならどんな風に楽しみたいですか?

そういう日には、お肉も普段よりちょっと贅沢なものを選んで、ごろっと大きく切って入れるのはいかがでしょうか。パッケージ裏に書かれているレシピ通り、玉ねぎとお肉でシンプルに作るのがいいですね。より一層特別感を出したいときには、このルウはしっかりとコクがあるので、あえて野菜を入れずにお肉だけで楽しむのもきっとおいしいはずです。私なら、さっぱり目の赤ワインと一緒にいただきたいですね。

そしてみなさんにおすすめしたいのは、スプーンではなくフォークで食べてみることです。意外と知られていませんが、ホテルレストランでは、カレーをお出しする際にフォークを添えています。ルウとライスを、ちょうど良い量で口に運ぶことができるんですよ。ご家庭で、ホテルのようなちょっと特別な雰囲気を演出したいなら、あえてフォークを使ってみるのもいいでしょう。

いつだって、
思い出に残るカレーは特別な味。

最後に、沼尻シェフにとって「忘れられないカレー」はありますか?

私の両親は、洋食屋を営んでいました。私が小学校から帰ると、お店の厨房で両親が作るまかないを食べたものです。もちろんカレーが出る日もあって、その頃の私にとっては大好きなメニューでしたね。だけど、一層「カレー」を特別な料理だと感じるようになったのは、料理の世界に足を踏み入れてからのことです。

私が最初にお世話になったのは、箱根にある老舗ホテルでした。採用面接が終わった後、ホテルのメインダイニングで、総支配人が「これがうちのカレーだよ。食べていきなさい」とご馳走してくれたんです。一口食べた途端、なんておいしいのだろう……!と心が震えました。その味は、鮮明に記憶に残っています。「沼尻くん、本物のカレーはフォークで食べるんだよ」と教わったのもその時でした。

両親が忙しい中作ってくれたカレーも、料理人として初めて感動を覚えたカレーも、どちらも思い出と共に忘れられない味なのです。

Would you like to make  Dinner Curry?

食べておいしいのはもちろん、その時に感じた想いや
感情も残るのが
「特別なカレー」なのかもしれません。
なんでもない日の食卓が、温かなひとときになるように。
大切な人の顔を思い浮かべながら、
ディナーカレーを作ってみませんか?

プロフェッショナル向け商品
ディナーカレーフレーク

1970年に誕生した家庭用「ディナーカレー」に続き、1980年に発売された業務用「ディナーカレーフレーク」。同じくフォン・ド・ボーにこだわった格式ある味わいが、これまで多くの飲食店で支持されてきました。2019年には、飲食店での使用シェアNo.1を獲得。これからも、“欧風カレーの王道”としてより多くの方々に、おいしさをお届けします。

※対象:カレールウ・フレークを使用しているぐるなび加盟店156店(2019年6月 ぐるなび調べ)
※ウェンスティンホテル東京での使用はございません(2023年3月時点)