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#01 Spice Curry & Craft Beer
東京カリ~番長
伊東 盛
SPRING VALLY
BREWERY
古川淳一

“クラフト”の世界に正解はあらず!
自由が楽しいカレーとクラフトビール。

東京カリ~番長
伊東 盛
SPRING VALLY
BREWERY
古川淳一
S&B CRAFT STYLE スパイスカレー』の監修を務めた、出張料理人集団「東京カリ~番長」のリーダー・伊東盛さんと、年間数十種類ものクラフトビールを造るSPRING VALLEY BREWERY TOKYOのヘッドブリュワーの古川淳一さん。お二人に、スパイスカレーとクラフトビールの楽しみ方や、スパイス使いのこだわり、“クラフト”の魅力について語っていただきます。*クラフト(craft)=手作りの意

近年、人気が高まるスパイスカレーとクラフトビール。その理由とは?

S&B CRAFT STYLE スパイスカレー・豊潤〈496〉

ここ数年スパイスカレーとクラフトビールのシーンが特に盛り上がっているように感じますが、どういった背景があると思いますか?

伊東さん
カレーについては、これまでのルウを入れれば簡単に作れるというものから、数種類のスパイスを組み合わせて一から自分で作るスパイスカレーの楽しさに目覚めた人が多いと思います。自分で作るからこそ何が入っているかわかる安心感、味を自由に決められるおもしろさがありますよね。かつてはインドカレー屋さんでしか食べられないと思っていた本格的なカレーが、自宅でも意外と簡単に作れることに気がついて、敷居もグッと下がったと思います。
古川さん
ビールにしてもカレーにしても、消費者のみなさんが食に対して、積極的に自分の好みで選択する時代になってきたのかなと感じています。これまで、日本でビールを選ぶ時って、値段や苦みの強弱、濃度など、選択幅が今ほど広くなかったと思いますが、世界で見るとビールの種類ってたくさんあるんです。最近では、材料や製法にこだわったクラフトビールが日本国内でも広まっていて、香りや味わいの選択肢も増えてきました。そのなかには、スパイスやハーブ、フルーツを使った個性的なものもあります。
東京カリ〜番長伊東さん、SPRING VALLEY BREWERY 古川淳一さん

スパイスカレーもクラフトビールも、スパイスやハーブを使うことが共通点ですが、使い方についてこだわりや意識していることはありますか?

伊東さん
カレーを作るときのスパイスは種類を増やすほど汎用性の高いものになり、いい香りと感じやすくなります。しかし、種類が多すぎると香りの特徴がぶつかりあい、平凡な香りなってしまうんです。一方、少なくした場合、個別のスパイスの香りが際立って個性的な香りとなります。僕はスパイスの個性を強めたいから、3種類から多くても10種類くらいに抑えるようにしています。そうすると、スパイスの個性をうまく活かしたミックスが作れるんですよ。
古川さん
そうなんですね。クラフトビールでは1商品に対して、スパイスは1〜2種類と少なめです。もともと酵母が発酵した時に立ち上る香りや麦、ホップの香りに複雑みがあるので、スパイスで複雑さを出さない方が上手くまとまると考えています。
一般的なビールではスパイスは使わないので、使うからには個性を感じてもらえる方が、選びやすいし楽しみにも繋がるのではと。スパイスは少量でも効いてきますし、飲み込んだ時の香りが爽やかになったり、ふくよかになったりします。あくまで、アクセントとして使うようにしていますね。

味わいが無限に広がる。スパイスカレー×クラフトビールのペアリング

S&B CRAFT STYLE スパイスカレー

伊東さんが監修された『S&B CRAFT STYLE スパイスカレー』には、どんなこだわりが詰まっていますか?

伊東さん
あえて「手間をかける」ことにフォーカスしました。簡単に作れるというのはルウカレーで可能なので、手間をかけて「作る喜び」を感じてもらえたらと。
このキットのいいところは、これさえ買って置けば、あとは食材を揃えればOKなところ!スパイスをたくさん揃えるのはハードルが高いし、封を開けると香りが出ていってしまうのでスパイスは鮮度が大事。使い切りできる分量で個包装になっているのもポイントです。
SPRING VALLEY BREWERY 古川淳一さん
S&B CRAFT STYLE スパイスカレー
古川さん
こんなに詳しく作り方の手順が書かれているんですね!驚きました。火加減や時間も分単位で詳細に書いてくれているのがいいですね。ビールの製造工程でも、時間管理や温度がとても大事なんです。そのせいか、レシピにある「少々」というのが苦手で(笑)。この通りにやれば、僕でも作れるのではないかと思えました。
豊潤〈496〉

数学の世界では“パーフェクトナンバー”として知られる完全数、496からネーミングの着想を得た『豊潤〈496〉』。「調和のとれたビールを目指して作られました」と古川さん。

S&B CRAFT STYLE スパイスカレー』には、どのクラフトビールがおすすめですか?

古川さん
入っている材料やスパイスを参考に『豊潤〈496〉』『Daydream』を選んでみました。『豊潤496』は、スパイスは使用していませんが、味わいが強いビールです。甘味、苦味もしっかりあって、バランスのいいビールです。焦がした麦芽を使って煮込みの工程を強くすることで、濃い色に仕上がっています。こちらのカレーの材料にあるヨーグルトとトマトの酸味ともとても合うし、飲み口が調和すると思います

もう1本は、柚子ピールと山椒を使った『Daydream』。クラフトビールに、コリアンダーとオレンジピールを使うことは世界的にも多いのですが、それを日本の文脈で解釈した結果が、柚子と山椒でした。ビールは通常、最後の工程で濾過するので透明になりますが、これは無濾過で少し濁っています。あえて濾過しないことで、素材の味わいがより強く感じられるんです。
スパイスカレー、クラフトビール

実際にクラフトビールとスパイスカレーのペアリングをしてみていかがですか?

古川さん
ビールの原料であるホップはハーブの一種で、香りの幅も広いので、意外とスパイスカレーと調和しますね。同じスパイスが使われていなくても、口の中で味や香りが掛け合わさって、風味が広がっていくというか…。『豊潤〈496〉』は、後味は軽くも麦芽の苦味をしっかりと感じられるので、カレーの旨みと合わさり箸が進みますね!ビールは、口の中を洗い流したり、リセットしたりするといったようなイメージがあると思いますが、料理と合わせることで味わいに無限の広がりを感じます
伊東さん
そうですね。味わいを増幅させるというか、変化させることができますね。香りには、口に運んだ時に鼻から吸い込む香りと、飲み込んだ時に鼻から抜ける香りとありますが、香りがあるもの同士を合わせることで、そこにも違いが出ておもしろい!同じカレーでも、合わせるビールを変えることで味わいと香りの変化を楽しみながら、最後まで飽きずに食べられますね

スパイス料理とクラフトビールを合わせるときのポイントを教えてください。

伊東さん
香りを同じ系統にするか、真逆にするかで考えるとわかりやすいと思います。例えば、この『S&B CRAFT STYLE スパイスカレー』のように、カルダモンや隠し味にオレンジ果汁など清涼感のある風味のスパイスや材料を使ったカレーには、『Daydream』のような華やかな香りのビールがよく合います。最近僕が気に入っているパターンです。

でも、その真逆もあります。爽やかな風味のカレーに、黒ビールのような濃くてしっかりとした味わいのクラフトビールを合わせるというのも、意外性があっていい。最近はビールの選択肢が広いから、いろいろなチョイスが楽しめますね。
Daydream

もっちりとした泡と柔らかな味わいに、柚子ピールと山椒の爽やかな風味をほのかにきかせた、和のホワイトビールタイプの『Daydream』。「柚子の香りがとてもフルーティおいしいです」とおいしさに驚く伊東さん。

カレーもビールも「正解はない」。自由に楽しむ"クラフト”の魅力。 

クラフトビール、スパイス料理に共通するクラフトの楽しみとは何でしょうか?

伊東さん
なんといっても、「自分で好きな味をみつける」楽しさですね。スパイスの使い方がわからないという方も、この『S&B CRAFT STYLE』で基本の組み合わせを知ったうえで、そこから好みで際立たせたいスパイスを増やしてみたり、違う種類をプラスしてみたり。自由にアレンジしてみても楽しいと思います。

以前、スパイスのマトリクス表を作って、深い香りや爽やかな香り、土っぽい香り、フローラルな香りなどをX軸Y軸に振り分け分類したことがあります。絶対値はなくて自分が嗅いだ感覚でいいんです。スパイスの組み合わせを考える時に、対極軸にあるスパイスを合わせたり、同じグループでまとめたりと、あれこれ試すのが楽しいんですよ。
SPRING VALLEY BREWERY 古川淳一さん
古川さん
学術的で、奥が深いですね〜。クラフトビールの場合は、クラフトならではの味わい方を自宅で楽しんでもらえるんじゃないかと思います。例えば、あえて泡を立てずにグラスに注ぐと、炭酸の刺激も含めて味わいを楽しむことができます。香りが強い分、特徴がダイレクトに伝わりやすいので、ゆっくり飲んでみるのもおすすめです。温度が上がると香り立ちも変わるし、甘みも感じやすくなります。「キンキンに冷やしてゴクっと飲む!」以外にも飲み方を試してみると、自分だけの意外な味わいに出合えるかもしれません。
伊東さん
それはおもしろいですね!スパイスカレーをまとめて作ったときなど、数日同じカレーを食べることもあるのですが、ビールの種類はもちろん、飲み方でもその都度違った味わいが楽しめそうですね
東京カリ〜番長伊東さん

「玉ねぎやトマトをどれくらい炒めるかでも味わいが変わるんです。同じキットでも、炒め方を変えて違った風味を楽しむことができるのは、まさに手作りの醍醐味」と伊東さん。

どちらにも、試行錯誤する楽しみがありますね。ちなみに、作る時はゴールをイメージして作るのでしょうか?

伊東さん
色、香り、テクスチャー、味をイメージしたら、そこに向かってスパイスはどれを使おうかなと考えます。色の濃い複雑味のあるカレーにしようと決めたら、奥深い香りを出すためにクローブやシナモン、クミンは外せないねとか。

でも、それだけだと広がりが足りないから、あえて真逆の爽やかな香りのスパイスをちょっとだけ入れてみようとか。深みを感じさせるために真逆の要素をちょっと入れると、より奥深さ引き立つんです。スイカに塩みたいな感覚。そうやってバランスを考えながらスパイスをミックスして、ゴールに向かって作ります。
JAZZBERRY

古川さんが企画から開発を担当した『JAZZBERRY』。麦芽とホップにラズベリー果汁を加え、ワイン酵母で醸造した華やかな酸味が特徴のフルーツビール。

古川さん
ビールもまさにそうですね。コンセプトやゴールを目指して原料を選びます。私が企画から携わった『JAZZBERRY』という商品は、ダークチェリーやベリー類を使うベルギーの伝統的なビール『ランビックビール』を参考に開発をスタートしました。ラズベリーをふんだんに使い、ワイン酵母で発酵させたことにより、ラズベリーの心地よい酸味が印象的な華やかなビールが出来上がりました。伝統的な製法のビールを参考にしながらも、現代の技術を組み合わせて、自由にアドリブも加えながら自分なりに解釈して作りました。ジャズの考え方にも近いのかなと思って、この商品名をつけました。
伊東さん
これはおいしいですね!すごいラズベリー、いや、“ジャズベリー”(笑)。これくらい酸味があると、このスパイスカレーにもぴったりですが、例えばキーマカレー、ビーフやポーク系の濃い味わいで肉感のあるカレーにも合いそうですね。
いや〜、今日は新しい発見がたくさんありました。「自由」と「アドリブ」は、まさにジャズの要素が満載です。そしてそれこそクラフトの精神ビールもカレー作りも「正解はない」。これが一番の共通点ではないでしょうか。スパイスの組み合わせも、ビールの飲み方も、カレーとの合わせ方も。ただ1つ正解を求めるんじゃなくて、自分の好きな味を追求して、自分が想像した味に向かっていく楽しさを、とことん味わいたいですね。
取材・撮影は感染対策を徹底した上で行っております。

お話を聞いた人

お話に登場したカレー

スパイスカレー(チキン)
スパイスカレー(チキン)
東京カリ~番長監修のスパイスカレー。十数種類のスパイスとハーブ、隠し味にオレンジ果汁を使い、香りがよく軽やかな味わい。

お話に登場したビール

豊潤〈496〉、Daydream、Jazzberry(左から)
豊潤〈496〉、Daydream、Jazzberry(左から)
1870年、日本のビール産業の礎を築いた横浜の醸造所「SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレー・ブルワリー)」。その志を受け継ぐキリンビールが届ける渾身のクラフトビール。

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