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#02 Spice Curry & Craft Cola
東京カリ~番長
伊東 盛
「伊良(いよし)コーラ」
コーラ小林

コーラとカレーに共通する“手作り”のロマン。
クラフトは「生きること」の縮図です!

東京カリ~番長
伊東 盛
「伊良(いよし)コーラ」
コーラ小林
S&B CRAFT STYLE スパイスカレー』の監修を務めた、出張料理人集団「東京カリ~番長」のリーダー・伊東盛さん。今回は、世界初のクラフトコーラ専門メーカー・専門店「伊良コーラ(いよしコーラ)」を立ち上げたコーラ職人、コーラ小林さんをゲストに迎え、スパイスとクラフトの魅力について語り合いました。小林さんはクラフトを、“生き物の根源に迫れる行為”だといいます。その真意とは…?。*クラフト(craft)=手作りの意

カレーとコーラは、起源が「同じ」かもしれない

S&B CRAFT STYLE スパイスカレー・伊良コーラ

コーラ小林さんがコーラにハマったきっかけを教えてください。

小林さん
私はもともと偏頭痛もちで、カフェインが含まれるコーラが偏頭痛に合うんじゃないか?というのが、そもそもの入り口です。カフェインならコーヒーや緑茶でもよさそうですが、コーラが自分の体に合ったんですよね。また、私は釣りが趣味で、釣り竿を持ってブラジルやメキシコなどの海外をまわっていたのですが、釣りの後に各国のコーラを飲むようになり、だんだんコーラマニアみたいな感じになっていったんです。
コーラ小林さん

自分でコーラを作るようになったのはなぜですか?

小林さん
ある日、ネットでオリジナルのコーラレシピなるものを見つけたんです。ところが、自分で作ったものの、いまいちおいしくない。それならもっとおいしいコーラを自分で作ってやろうということで、コーラの自作が始まりました。当時は広告代理店に勤めていて、終電近くに帰ってきては、夜中に手作りコーラを作るみたいな生活が約2年半続きました。でも、なかなか納得いくものが作れなくて…。
そんななか、東京の下落合で漢方薬職人をしていた祖父が亡くなり、遺品を整理しに漢方工房に行ったときに家族から漢方薬作りのいろいろなエピソードを聞き、「これはコーラ作りに活かせるのでは?」と思いました。さっそく試してみたら、今までとはまったく違う、すごくおいしいコーラができあがった。会社の同僚に飲ませてみると、「…これ、お金払うから売ってくれない?」と。こうして伊良コーラが誕生し、私は会社をやめてクラフトコーラ1本でやっていくことになり、現在にいたります。

伊東さんがカレー作りにのめり込んだきっかけはなんだったのでしょう?

伊東さん
高校生のときに地元・青森のステーキ屋さんで食べたステーキカレーがすごくおいしくて、「家のとは違う、こんなカレーがあるのか!?」とカレーの世界にのめりこんでいきました。大学時代は、学校がカレー店の多い神保町に近いこともあり、カレーを365日食べ続けていました。その後、1999年に東京カリ~番長の活動がスタートし、イベントやクラブに出張しては、カレーを提供するようになって。
とはいえ当初は、東京カリ〜番長のメンバーだった水野仁輔くんが調理担当で、自分はカレーを作らない“にぎやかし”担当でした(笑)。でも途中から水野くんに作り方を教わり、自分でも作り始めたところ、すごく楽しかったんです。以降はカレーを日々作りまくるようになり、それが今も続いている形です。
東京カリ〜番長伊東さん
小林さん
最初は味わう専門だったけど、途中から自分で作る方に魅入られたところが共通していますね。「味わう」のと「作る」のって、楽しさの質が違いますよね。作る方は作る過程も楽しいし、作ったものを人に味わってもらい反応を見るのも楽しいっていう。
伊東さん
まさにそうですね。それで僕も、気づいたらカレーの沼にズブズブとはまっていった感じです(笑)。
小林さん
それとカレーとコーラは、何にでも合わせられる点でも共通しているのかなと。そういう意味では、カレーってとても懐が深いですよね。
伊東さん
もう、めちゃくちゃ深いですね。
東京カリ〜番長伊東さん、コーラ小林さん、田嶋章博さん

対談当日は、S&B公式YOUTUBEチャンネルにてライブ配信を実施。配信の様子はこちらからご覧いただけます。

小林さん
それこそ先ほどのステーキカレーもそうだし、蕎麦屋のカレーだっておいしいですよね。365日食べられるのも、いろいろなものと合わせられて飽きないことが大きいのかなと思います。コーラも同じで、懐がすごく深いんですよね。だから伊良コーラにはゆずや山椒など和の素材を使った「THE JAPAN EDITION」もあるし、牛乳と合わせた「ミルコーラ」もあります。
これは確かなエビデンスがあるわけではありませんが、実は私、コーラの源流は、カレーと同じくインドにあると考えています。コーラは1886年にアメリカのアトランタで、ジョン・ペンバートン博士により開発されました。彼は漢方を学んだ薬剤師ですが、スパイスの配合を見るに、この新しい飲みものを作るときに、おそらくインドのチャイをベースにしたのではないかと思われます。コーラの懐の深さも、インド起源であることからきているのではないかなと。
伊東さん
カレーとコーラもインドが起源かもしれないというのは、すごくおもしろいですね。
小林さん
もう一つおもしろいのが、“オリジナルのコーラレシピ”には、まさにコーラの語源となっている「コーラの実」が入っているんですよね。
伊東さん
コーラの実!? 聞いたことないな。どの辺りで採れるんですか?
小林さん
ガーナやコートジボワールなど、西アフリカが原産です。現地ではいわゆる嗜好品として使われていて、紙タバコのような感じで、生のものをかじって楽しみます。よくマーケットの一番奥で、魔女のような女性が売っていたりします(笑)。一方で“神様の贈り物”ともいわれ、結婚式などのお祝いや儀式でも使われるし、昔はお金の代わりにもなっていたようです。
それくらいコーラの実は神聖でパワーがあり、それがコーラの最初のレシピに使われ、名前の語源にもなっていることに、すごくロマンを感じるんですよね。伊良コーラも、コーラの実を使っています。
伊東さん
それを聞いて、いっそう飲みたくなりました(笑)。
コーラの実

コーラ小林さんが持参した「コーラの実」。カカオの実やコーヒー豆よりも多くのカフェインを含む。

スパイスには、魔法使いになったような楽しさがある

S&B CRAFT STYLE スパイスカレー

伊東さんが、カレー作りを情熱をもって続けられる理由はなんですか?

伊東さん
カレーはいくつものスパイスを使うし、スパイスの形状や使うタイミングもいろいろなので、その組み合わせを考えると天文学的な数字になります。だからこそ、自分の好きな香りを、ひたすら追求できる。そこがカレーのおもしろさなんです。
基本的に、スパイスには味がありません。味の部分は玉ねぎやトマトなどで担保するのですが、スパイスを変えただけで、その玉ねぎやトマトの味も違うものに感じられてくる。そんなふうに、香りによって味わいの感じ方がガラリと変わるのがとてもおもしろいし、それをああだこうだやっていくのがハッピーなんですよね。
小林さん
そこもコーラと似ているかもしれません。スパイスって実験的な楽しさがあるし、錬金術ではないですが、自分が“魔法使い”になったように新しいものを生み出せる感じがありますよね。
東京カリ〜番長伊東さん、コーラ小林さん

小林さんは「ワクワク感」を大切にし、それを行動基準にしていると聞きました。クラフトコーラ作りには、どんなワクワクを感じているのでしょうか?

小林さん
まずは単純に「作る楽しさ」に対するワクワクがありましたが、いま振り返ると、そこに「大きなビジネスチャンスを感じた」ことにも、ワクワクしていたのかなと。
というのも、コーラ作りを始めたころは、まだ世の中にクラフトコーラという概念自体がありませんでした。コーラといえばジャンクな飲み物のイメージがあるし、コーラを手作りできるなんて誰も思っていなかった。そんななかでクラフトコーラというものが生まれたら、多くの人に「こんなものがあるのか!」と飲んでもらえるだろうと。そういった「可能性」をすごく感じていたんでしょうね。
しかも日本のみならず、世界中を見渡しても、クラフトコーラは見当たらない。そんななか、オリエンタルな文脈をもち、日本の漢方もとりいれた製品で世界に挑戦できる。そこにも大きな可能性を感じ、ワクワクしました。
伊東さん
それはおもしろい。今日は勉強になる話が多いですね。

香り豊かなカレー作りに欠かせない「テンパリング」とは?

スパイスカレー
バジル

さて、そろそろお腹も空いてきませんか?今日は伊良コーラの味に合わせ、伊東さんに『S&B CRAFT STYLE スパイスカレー』を少しアレンジしてもらいます。

伊東さん
本来はクミンを仕上げのテンパリングスパイスとして使うのですが、今日は伊良コーラの味に合わせ、乾燥バジルを仕上げのテンパリングスパイスに使いたいと思います。

ハーブをテンパリングするのは珍しいですよね。「バジル」を選んだ理由を教えてください。

伊東さん
伊良コーラを飲んだときに、シナモン・クローブ・カルダモンあたりの重厚な香りの系統を感じたので、系統の近いクミンをそのまま使えば、すっとマッチすると思いました。それはそれで問題ないのですが、今回は系統の違う香りをあえて使うことで、食べた時にハッと感じられるようなものにしようと考えました。
テンパリング

『S&B CRAFT STYLE スパイスカレー』の作り方⑤のテンパリング工程。クミンシードが入った「仕上げテンパリングスパイス」の代わりに、バジルを小さじ1/2~1使用。熱した油に入れ、数十秒加熱し、鍋に加える。

そもそもテンパリングという工程には、どんな意味がありますか?

伊東さん
カレーにおけるテンパリングとは、油にスパイスの香りをうつす作業です。スパイスの香り成分は油に溶ける性質があるので、油を介して香りをカレー全体にまとわせるんです。テンパリングは、調理の最初におこなうこともあれば、最後に仕上げとしておこなう場合もあります。
今回のバジルは“葉”なのでテンパリングに時間をかけず、熱した油に数十秒間さらした後、油ごとカレーに投入します。

「自分だけの正解を追求できる自由さ」こそがクラフトの魅力

スパイスカレー、クラフトコーラ

カレーが完成したので、伊良コーラとあわせて試食してみてください。比較用に、仕上げのテンパリングをクミンでおこなう通常バージョンも用意しました。

伊東さん
まずはコーラから。…ああ、おいしいなあ!後乗せした輪切りレモンが、とてもよく合います。では、カレーを食べてみましょう。うんうん、バジルがちゃんと香っていて、我ながらいいと思います。ただ、バジルはもっと入れてもよかったかもしれませんね。入れたのが「小さじ1/2」くらいだったので、「小さじ1」くらいでもよさそうです。
小林さん
正直、どちらもおいしいです(笑)。バジルもいいですし、香ばしいクミンシードが入っているのも好きですね。
実は、私もこの『S&B CRAFT STYLE スパイスカレー』を、作って食べてみたんです。そうしたらとてもおいしくできて、次の日も食べようと思っていたのに、家族に全部食べられてしまいました(笑)。私はこのカレーが、家で作るカレーの“最上級”なのではないかと感じました。それくらい、好きですね。
伊東さん
おお、とてもいいお話が出ました!
東京カリ〜番長伊東さん、コーラ小林さん
小林さん
ただ、食材をそれなりに準備しなくてはいけないので、作ろうと思いつつも腰が上がらず、いただいてから1週間くらい寝かせてしまったんですよね。でも作ってみたらとてもおいしかったので、やって本当によかったなと。
伊東さん
おっしゃるとおりで、実はこれ、あえてハードルを少し高くしているんです。そろえる食材も鶏肉、トマト、にんにく、しょうが、プレーンヨーグルトなどといろいろあるし、工程も「玉ねぎはたぬき色になるまでしっかり炒める」などと、なかなかうるさいことが書いてある(笑)。そのかわりスパイスカレーを作ったことがない人でも、そのとおりにやればおいしく作れます、と。そういうキットなんです。
小林さん
工程がいろいろあるおかげで、人と一緒に食べるときにいろいろなコミュニケーションが生まれるとも思いました。それこそ家族やパートナーと一緒に作ったら、すばらしいコミュニケーションになりそうです。
伊東さん
まさしく、そこなんです。作っている途中に「こういう工程があるのか!」という発見があるし、誰かのために手をかけて一生懸命作ったことは、相手に伝わると思うんですよね。だからちょっと失敗してしまっても、「それはそれで」と思ってもらえる。キット自体も、多少の失敗は受け止められる設計になっています。
東京カリ〜番長伊東さん、コーラ小林さん

改めて、おふたりにとって「クラフト=手作りすること」の本質的な魅力とはなんでしょう?

伊東さん
やはり、「自由なところ」ですね。結局、スパイスの配合に、正解なんてないんです。もちろん、セオリーはあります。たとえば、クミン・コリアンダー・ターメリック・チリの4つを使えば、みんなが思うカレーになりやすい。でも、あくまでもそれは“失敗しにくい配合”であって、絶対のルールではない。セオリーなんて、破ったっていいんです
要はそれぞれのスパイスの香りを嗅いで、「自分はこの香りが好きだから、これを多めに入れるんだ!」でいい。極論をいえば、「こんな組合せをしてはダメ」といったルールなんて、一切ない。自分の手を動かし、自分だけの正解を探す旅が自由にできる。それこそがスパイスカレーの、そしてクラフトのおもしろさだと思います。
小林さん
クラフトって、シンプルに言って楽しいんですよね。で、なぜ楽しいのかを深堀りすると、「生き物としての根源的な行為」だからなのかなと思うんです。作ることは、創造=クリエーションともいいますが、それこそ生き物は英語で”クリーチャー”といいます。自分の感性に身をゆだね、ひたすら自身が良いと思う形を目指して作り上げていく行為こそ、「生きること」なのかなと。
そう考えるとクラフトってある意味、「宇宙の神秘に近づける作業」でもあると思うんです。カレーを作ったり、コーラを作ることで、生き物の根源に迫れる。だからこそ、やめられないのかもしれません。
取材・撮影は感染対策を徹底した上で行っております。

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お話に登場したカレー

スパイスカレー(チキン)
スパイスカレー(チキン)
東京カリ~番長監修のスパイスカレー。十数種類のスパイスとハーブ、隠し味にオレンジ果汁を使い、香りがよく軽やかな味わい。

お話に登場したコーラ

クラフトコーラ「魔法のシロップ(THE DREAMY FLAVOR)」250ml、クラフトコーラ「魔法のシロップ(THE JAPAN EDITION)」250ml、「IYOSHI CRAFT COLA (200ml)」(左から)
クラフトコーラ「魔法のシロップ(THE DREAMY FLAVOR)」250ml、クラフトコーラ「魔法のシロップ(THE JAPAN EDITION)」250ml、「IYOSHI CRAFT COLA (200ml)」(左から)
東京・下落合に本店を構える「伊良(いよし)コーラ」。100年以上前のオリジナルコーラレシピに基づき、本物のコーラの実をはじめ、ナツメッグ、カルダモンなど12種類以上のスパイスと柑橘類を使って製作。

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