2. 利用する部分(部位)による分類

ローレルは葉っぱを使っているのがすぐ分かりますが、「こしょうって植物のどこを使ってるかな?」 「シナモンって巻いてあるけど、どこを使えばこんな形になるの?」と考えたことはありませんか?
スパイスやハーブは植物のさまざまな部位を利用(使用)しており、種や果実、葉の部分を利用する場合が多いようです。

  • 葉(葉茎、花穂)タイム、ローレル、コリアンダー(香菜)、セージ、バジルなど
  • 種子コリアンダー、フェンネル、アニス、クミンなど
  • 果実こしょう、唐辛子、オールスパイスなど
  • 根・根茎ジンジャー、ターメリック、ガーリック、わさびなど
  • 樹皮シナモンなど
  • サフラン(めしべ)、クローブ(つぼみ)、カモミール(花)、ラベンダー(花、花茎と葉も利用)など

コラムこのスパイス&ハーブはここを使っています

サフラン

花のめしべを使います。
パエリアやサフランライスでおなじみになったスパイス、サフランは秋咲きのクロッカスのめしべを乾燥させたものです。摘み取るのに手間がかかり、少ししか取れないため、数あるスパイスの中でも群を抜いて高価ですが、香りや色調も群を抜いた力を発揮するため、ごく少量を料理に用いるだけで事足ります。

クローブ

開花する直前のつぼみを乾燥させたのがクローブです。萼(がく)とともに淡いピンク色を帯び始めた頃に摘み取り乾燥させます。元々は4~7m、時には10m以上にも成長する熱帯地方、亜熱帯地方の海洋性気候の土地に生育する常緑樹です。

シナモン

シナモンは木の皮(樹皮)を使います。くるくると巻かれたシナモンは樹皮の表層のコルク層を除き、薄くなったものを何枚か重ねて管状に丸めて乾燥させたものです。
ほかにニッキと呼ばれるものがありますが、これはコルク層を残して樹皮を乾燥させますので、肉質が厚くなっています。

ナツメッグとメース

実は同じ植物からとれたスパイスです。ナツメッグは種子核中の仁と呼ばれる部分、メースはその種子をとりまいている仮種皮(厳密に言うと子衣)を使っています。当然、香りはよく似ていますが、メースの方がより繊細で甘い香りがしますのでお菓子やジャムに使われます。

パクチー

エスニックメニューで広まってきたコリアンダーは、一つの植物の葉と種子を使います。葉を使うと日本では「パクチー」とよく呼ばれハーブに分類されます。一方、種子はコリアンダーシードとしてカレーの原料にもなり、この場合はスパイスに分類されます。フェンネルやディルも葉・茎と種を使います。