忍野試験農場では様々な種類のスパイスやハーブを試験栽培しています。
栽培技術や品種に関する研究を行い、原料産地で応用を図ることを目的とした栽培過程を、新たに「栽培日誌」と題してこれまで紹介していない作物にフォーカスしていきます。
今回はその中から、ホースラディッシュの栽培を紹介しましょう。
ホースラディッシュ栽培日誌
最初に取り上げるのは、セイヨウワサビとも称されるホースラディッシュです。
今回は、定植などの前半部分をご紹介致します。
ホースラディッシュはローストビーフなどの肉料理によく使われる香辛料です。和名をワサビダイコンやセイヨウワサビと呼ぶように、すり下ろすとワサビの様にツーンと鼻に抜ける辛味が出ることが特徴です。辛味の主成分はワサビと同じアリルからし油という成分です。
栽培面ではデリケートなワサビと異なり、環境に対する適応力が広く、非常に旺盛に生育します。
ホースラディッシュは種子での繁殖が難しく、定植には種イモ(鉛筆くらいの太さの根)を使用します。この種イモを肥大化させたものが収穫物になります。忍野試験農場では春に植え付けて秋に掘り起こしますが、その間にいかに根を太らせるかがポイントになります。
5月上旬
植え付けは畑に溝を掘って、種イモを並べていきます。土をかぶせれば完了です。
5月中旬
植え付けから約2週間、芽が出てきました。ホースラディッシュはこの新芽の色で大きく「青芽」、「赤芽」の2つの系統に分けられます。
6月上旬
定植から約1ヶ月、30cm程度まで育っています。これから夏に向けてぐんぐん大きくなっていきます。
通常、芽は種イモの先端から出てきますが、それ以外の芽を取り除くと均一に太った形の良いホースラディッシュが収穫できます。
次回、続編の秋には根がどこまで太っているか楽しみです。