研究開発:新しい価値の創造を通じて、豊かな食文化のお役に立ちたいというマインドに溢れた研究活動の一端を紹介します


忍野試験農場では栽培技術や品種に関する研究を行い、その成果を原料産地に応用することを目的としてさまざまな種類のスパイスやハーブを栽培しています。

今回は、ミントの増やし方(栽培方法)をご紹介します。

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ミントはシソ科のハーブで、代表的なものにはペパーミントやスペアミントなどがあります。
ペパーミントはスペアミントとウォーターミントの交配によって生まれた品種と言われ、スーッとしたクールな清涼感ある風味が特徴です。
スペアミントはスッとした穏やかな清涼感が特徴のハーブです。
どちらも用途は非常に広く、肉料理用のミントソースやデザートの飾り付け、カクテルに用いられるほか、ガム、歯磨き粉の香料などにも利用されます。

ペパーミントは繁殖力が強いため、ハーブ初心者の方にも育てやすいハーブです。

ペパーミントを増やす方法には、主に①挿し芽、②株分けの2つがあります。

収穫時期

挿し芽とは、親株の枝の一部を切り取り、挿し床に挿して個体数を増やす方法です。

①-1 挿し床作り

挿し芽に適する用土は、排水が良好で通気性に富み、水分を保持できる土です。
用土には赤玉土、鹿沼土、ピートモス、バーミキュライトなどを混合させたものを用います。
また、市販品としてハーブ用培養土も販売されていますので、それらを利用することもできます。
用土が準備できたら、挿し穴を開けておきます。

①-2 挿し穂の調整

親株から、しっかりした枝を10cmくらいの長さで切り取ります(写真1)。
切り取った挿し穂はよく切れる刃物(ナイフなど)で切り口を切り直します。※
このとき、切り口から発根しやすいので、断面積が大きくなるよう斜めに切ります(写真2)。
さらに、吸水と葉面からの蒸散量のバランスを整えるため、葉を5~6枚残してほかの葉は除去し、
大きい葉は半分くらい切除します(写真2)。

※刃物の取り扱いには十分ご注意ください。

収穫時期

 

①-3 挿し芽の完成

調整した挿し穂を挿し床に挿し、周りの土を指で軽く押さえ、挿し穂と用土を密着させます。
または、挿し穂を水に挿しておくと発根してくる(写真3)ので、根が5cmほど伸びたところで挿し床に挿すと、さらに失敗は少なくなります。
最後に十分に水やりを行い、半日陰の場所に置いて完成です(写真4)。

【挿し芽で増やせるハーブの例】
● バジル      ● ローズマリー      ● タイム      ● レモンバーベナ  など   
収穫時期

トウ立ち

株分けとは、親株の一部を根ごと切り離して個体数を増やす方法です。

②-1 分割

親株を鉢から取り出し、手で分割します。手で分割できない時は、刃物(ナイフやはさみなど)を使って切り分けます(写真5、6)。

トウ立ち

②-2 鉢上げ

上記「①-1 挿し床作り」の混合例を参考に用土を準備し、分割した株を鉢上げ(鉢に移植)します。

②-3 株分けの完成

十分に水やりを行い、必要に応じて肥料を与え、半日陰の場所に置いて完成です(写真7)。

【株分けで増やせるハーブの例】
● レモングラス      ● タラゴン      ● ワイルドストロベリー  など   

トウ立ち

そのほかのミントやハーブについても、今回ご紹介した挿し芽や株分けを応用できますので、 さまざまなハーブで挑戦してみてはいかがでしょうか(本記事中で、増やし方を応用できるハーブの例を挙げています)。

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