料理教室で聞こえてきたママとパパの悩みに、
料理研究家の今井先生が答えました。
大人にとっておいしい香辛料も、子どもには違います。
カレーにはたくさんの香辛料が使われていますよね。
甘口にするには、ケチャップを入れたり、
パイナップルなどのフルーツをすりおろしたり、
チョコレートを入れる方もいます。ぜひ、試してください。
まず、一番大切なのは
「キライだったものが食べられるようになる」という自信です。
その自信をお子さんが持てること。そこがスタートです。
食材のおいしさは、そのあとに徐々にわかっていけばいいのです。
家族の食事でもっとも大切なことは、
同じものを一緒に食べて同じ時間を過ごすことです。
たとえば、今日は○○ちゃんの好きなものをみんなで食べよう。と、
それぞれの子どもたちの好きなものを順番に食べていくのはどうでしょう。
それから、品数が多いと子どもは好きなものしか食べません。
ぐっとこらえて、品数を減らすのも大切だと思います。
スプーン1杯からはじめてみては、いかがですか。
小さな、できることからチャレンジしていくことが大切です。
それから、牛乳のメーカーさんでも味が違うから、
お子さんと一緒にスーパーなどで、選ぶのもいいと思います。
「自分で選んだ」という意識も重要なんです。
将来的には給食が食べられるようにしていきたいですよね。
大切なのは、やはり「食べれた!」という自信です。その自信を育てていくこと。少しずつ形がわかるようにしていって、キライなものへのアレルギーをなくしていくことです。
わからないくらいに、細かくしたり、
何かと一緒にまぶしたりするのも、はじめのうちはいいと思います。
少しでも食べられたら「キライな野菜が入っていたんだよ」って、
伝えてあげてください。自信になると思います。
それから、あまり深刻に考えないで、気長に接するようにしてください。
お母さんの方が疲れちゃうと大変ですから。
たとえば、皮は苦手な子が多いので湯むきしてみたり、火を通したりして食感をやわらかくしてみてください。本物のトマトだけど、口当たりはケチャップに近い。
そんなふうに段階を踏んでいくといいと思います。
それは、もう、お父さんが少しでもいいから、
ガマンして率先して食べてあげなきゃ!子どもは親を見ていますよ。
栄養士、料理研究家、調理師、元内閣府食品安全委員会専門委員。
1974年女子栄養大学栄養学部卒業後、保健所、学校などで講師として栄養・料理指導に携わる。手軽においしくつくれる健康メニューが得意で、朝日新聞「料理メモ」や料理書、雑誌で広く活躍。共著に『腎臓病 透析患者さんのための献立集』、『高齢者のための食事制限メニュー』、『食べない子が食べてくれる幼児食』(いずれも女子栄養大学出版部)など。