スパイスの歴史に関するお話スパイス&ハーブの現在・未来

エスビー食品の主力、SPICE&HERBシリーズ

さて、独自のスパイス文化を形成してきた日本ですが、ナツメッグやシナモン、カルダモンといった洋風スパイスに限って見てみると、どうでしょう。そういった洋風スパイスの数々を自由に使いこなしているとは言えません。日本人のスパイス購入量は欧米に比べ10の1程度というデータもあるくらいです。洋風スパイスを揃えている世帯は全体の半分、今まで洋風スパイスを経験したことのある主婦は3分の1に過ぎないという報告もあります。

そんな中でもスパイス&ハーブは徐々に日本の食文化に取り入れられつつあります。ファストフードやファミリーレストランなど気軽に楽しむことのできる外食レストランでは、スパイスの効いたメニューが当たり前に並び、子供達や若者が好むスナック菓子にはスパイスやシーズニングスパイスがふんだんに使われ、人々は知らず知らずのうちにスパイスを体験しています。さらにこの間、バブル時代に花開いたグルメブーム、海外旅行ブームを始めとし、激辛ブーム、イタリアンブーム、エスニックブーム、韓国ブームが次々と起こり、日本人の食体験は飛躍的に拡がりました。そこで体験したスパイスやハーブの効いたメニューを家庭内で作り家族で楽しむという傾向が強まり、洋風スパイス&ハーブの市場は確実に伸びています。

一方で、スパイスの健康性が次第に実証されつつあり、自然志向とも相まって、この面からもスパイスに注目が集まっています。
このような人々の期待に応えるかのように、カラフルなパッケージにまとわれたスパイスやハーブの数々がスーパーの店頭を飾り、タイプもホールタイプから手軽に使えるシーズニングスパイスまでその種類は数え切れないほどです。最近では、生鮮のハーブが野菜売り場の中で目立つようになりました。
21世紀に入った日本のスパイス&ハーブ文化は、新たな段階を迎えたと言ってよいでしょう。