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わさび

ツーンと鼻に抜ける、泣かせるスパイス。

科名
アブラナ科
原産地
東洋
利用部位
根茎
別名
山葵(わさび)、日本わさび、沢わさび、水生わさび、水わさび、本わさび

特徴

こんなスパイス&ハーブです。

日本を代表するスパイスです。辛味がツーンと鼻に抜けるのは揮発性の辛さ成分のせい。おろしわさびにして、刺身、握り寿司、鉄火巻、鯛茶づけ、そばなどの料理に用いられます。

語源、別名

わさびの葉の形が葵(あおい)の葉によく似ているところから、「山葵」の文字が当てられたものと思われます。日本では古くから各地の山間の沢や渓流に自生し、また栽培もされてきました。

形状

わさびには、青茎、赤茎、白茎の3品種あり、茎の色がそれぞれ、緑色、帯赤色、帯白色です。白茎種は根茎も白く、すりおろしても緑色になりません。最も普及している青茎種は各地で栽培されていて、品質的にも一番優れています。辛味は葉茎がついている上部の方に最も多く、下部に行くほど弱くなることから、生鮮わさびを上手にすりおろすコツは、上端部から始めてキメ細かくおろすことです。

用途

適した料理

刺身、握り鮨、鉄火巻、鯛茶づけ、海苔茶づけ、もりそば、ざるそばなど

おろしわさびにして、刺身、握り寿司、鉄火巻、鯛茶づけ、海苔茶づけ、もりそば、ざるそばなどの料理に用いられます。静岡特産として有名なわさび漬は、根、茎、葉をきざんで塩づけした後、酒粕に漬けて作られます。葉はゆでて、ひたし物や三杯酢にすると風味がよく美味です。ほかにわさびの風味を生かしたものに、わさびすまし、わさび餅、わさび羊かん、わさびせんべいなどがあります。

エピソード

「山」の「葵」と書いて「わさび」

そもそも「わさび」の漢字名である「山葵」という名が初めて書物に登場したのは、今から千年以上前の薬草辞典「本草和名」(918年刊)。わさびの葉の形が葵の葉によく似ていることから、この名になったと言われています。わさびが料理として初めて登場するのは「四条流庖丁書」(1489年刊)で、鯉の刺身をわさび酢につけることが記されています。また江戸時代初期になると、そばの薬味として使われ始めたようですが、当時わさびは幕府への献上品として珍重されていたため、庶民にはなじみの薄いものでした。

葵が家紋の徳川家も栽培を奨励

わさびの特産地として有名な伊豆の天城山山麓の清流で栽培が始まったのは江戸末期、徳川幕府によって栽培の最適地として認められてからのことです。また葵は徳川家の家紋であるところから、幕府は特にわさび栽培を奨励したと言われています。刺身や握り寿司にわさび醤油をつけて、パクリ。まさに日本の味です。爽やかな辛味と香りがツーンと鼻孔に抜け、瞬時に消えていくわさび独得の効き方が、生魚の生臭さを消すのに適していたり、わさびには細菌類の繁殖を抑える抗菌作用があって食あたりを防止できるスグレものなのです。

握り寿司は江戸っ子のファーストフード

今でこそ日本特有のスパイス(薬味)として、刺身、江戸前の握り寿司、そば、鳥料理などになくてはならない「わさび」。握り寿司におろしわさびを使いはじめた歴史は意外に新しく、文化年間(1804〜1818年)の初期に江戸深川六軒堀の「松が酢(ずし)」が、鯖(さば)の生臭みを消すために使ったのが発端です。喜多村信節の著「嬉遊笑覧」(1830年刊)に、「深川六軒ぼりに松がすし出てきて、世上すしの風一変し」と述べられています。次いで、文政年間(1818〜1830年)の初期に、江戸霊岩島の鮓(すし)屋与兵衛が、わさびをはさんだ小鰭(こはだ)の握り鮨を考案し、それが江戸っ子の好みによくマッチして、握り鮨流行のもとになったと言われています。

わさびを使ったレシピ

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