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ナツメッグ/Nutmeg

ヨーロッパをトリコにした、甘美なスパイス。

科名
ニクズク科
原産地
モルッカ諸島(バンダ諸島)
利用部位
種子の仁
別名
にくずく(肉豆く)

特徴

こんなスパイス&ハーブです。

やや甘くスパイシーで刺激的な強い香りがあります。

語源、別名

ナッツ(豆)の意味をもつ語とムスク(刺激的な甘い香り)を表す語が結びついた名前が語源とされています。

形状

ナツメッグの木は、約20mもの高さにまで成長する熱帯性の常緑樹で、あんずに似た固く多肉質で黄色い果実をつけます。植えてから5−9年でようやく結実し、20歳の木1本から500−2000個の果実が収穫できると言われています。果実から2つのスパイスがとれる珍しい植物で、仮種皮と呼ばれる部分は「メース」(メースの項参照)に、そして、仮種皮に包まれた濃褐色の殻を取り除いた部分(種子の“仁”と呼ばれる部分)がスパイスの「ナツメッグ」として使われます。

用途

適した料理

ひき肉料理、乳製品料理、焼き菓子などに

肉の臭みを消す効果が高いので、ハンバーグのほか、ロールキャベツやミートソース、ミートローフなどのひき肉料理に欠かせません。また、クリームシチューやチーズフォンデュなど乳製品を使った料理に加えると、乳独特の臭みを和らげ、深みのある風味になります。野菜にもよく合い、特にじゃがいもやかぼちゃと好相性。また、焼き菓子の香り付けに、クローブやシナモン、オールスパイスなどと組み合わせて使うのもおすすめです。

エピソード

ヨーロッパ諸国が獲得権を争う

インドネシアのモルッカ諸島を原産とするナツメッグは、遥か遠くからヨーロッパに渡るまで大変な労力を要したため、古くから大変高価なものでした。中世ヨーロッパでは、たった1ポンド(約454g)のナツメッグで、13世紀末のイギリスでは羊3頭、14世紀末のドイツでは7頭の牝牛と交換できたと伝えられています。同じようにアジアを原産とするこしょうやクローブとともに、スパイスをめぐってヨーロッパ諸国が激しい戦を繰り広げました。

ナツメッグもメースも、同じ木から

16世紀末から17世紀にかけて東洋への航路が開けた後は、オランダがナツメッグとメースを独占していました。しかし、その頃は香辛料に対する知識が低かったため、オランダ本国のある商社の役員は、メースがナツメッグより需要が多く値段も高かったことから「ナツメッグの木を伐採し、メースの木を多く植林せよ」と現地に指令を発したそうです。ナツメッグとメースが同一植物の果実から採れることを知らなかったのです。日本にナツメッグが伝来した時期は不明ですが、1454年に飯尾永祥が著した「撮壌集」の中に、薬種(漢方薬)としてにくずくの名が見られます。また、16〜17世紀にかけて来航したオランダやポルトガル船が運んだ商品リスト中にも、その名を見ることができます。

夫婦の愛をつなぎ止め、鳥をトリコにするチカラ

ジプシーたちの間では、「ナツメッグは夫婦の愛をつなぎとめる力がある」と信じられていました。ナツメッグを四つ切りにし、ひとつを地中に埋め、次のひとつを火中に投じ、三つ目を水中に投げ入れ、残ったひとつを煎じてその汁を飲み、煎じかすのナツメッグを数日肌身離さず持ち続け、夜は枕の下に入れて寝ると、結婚した男女は絶対に離婚しないという秘伝が語り継がれているそうです。

世界4大スパイス

古くから世界で広く珍重されてきたことから、こしょう、クローブ、シナモンとともに、世界4大スパイスと呼ばれることがあります。

ナツメッグを使ったレシピ

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