豆知識 いろいろな
「こしょう」「ペッパー」
~どう違う?どう使い分ける?~

「スパイスの王様」とも呼ばれる「こしょう」。一般的に「こしょう」と言えば、コショウ科コショウ属の果実を使ったスパイスを指しますが、そのなかでも収穫時期や加工方法の違いなどによって種類はさまざま。また、他にもペッパーと名のつくスパイスや、コショーと呼ばれるスパイスも・・・!それぞれの違いを知って役立てましょう!

ブラックペッパー(黒こしょう)

完熟していない緑色の果実を天日乾燥させたものです。

表皮も残っているため香りが強いのが特徴。素材の臭みを抑えたいときや、ペッパー独特のシャープな香りや辛みを活かしたいときに使用すると効果的です。

ホワイトペッパー(白こしょう)

完熟した赤色の実を水に浸して果皮を柔らかくし、その果皮を除去して乾燥したものがホワイトペッパーです。

果皮がないため色も白く、風味もマイルドなのが特徴。ペッパーの粒を目立たせたくないクリーム系の料理のほか、白身魚や鶏むね肉などの淡泊な味わいの素材に使用するのに向いています。

グリーンペッパー

ブラックペッパーと収穫するタイミングは同じですが、乾燥方法が異なります。

天日乾燥ではなく、黒くならないようにフリーズドライ(凍結乾燥)させ、緑色に仕上げたものをグリーンペッパーと呼びます。

さわやかな香りと辛み、きれいな緑色が特徴。彩りを添えながらペッパーの風味をつけることができ、トッピングとしてよく使われています。

また、未熟な果実を塩漬けしたものも「グリーンペッパー」として流通しており、みずみずしくてプチっとした食感と爽やかな辛みが特徴です。

ピンクペッパー

ピンクペッパーと呼ばれるスパイスとしては、ウルシ科サンショウモドキ属の果実を乾燥させたスパイスが一般的で、これは、上記3種のペッパー(コショウ科コショウ属)とは異なる植物です。美しい赤色が特徴で、彩りが料理を華やかに仕上げます。ペッパーのような辛みはなく、ややフルーティーな香味があります。

なお、バラ科ナナカマド属の果実や、完熟して赤くなったペッパー(こしょう)がピンクペッパーとして扱われることもあり、完熟したペッパーには辛みがあります。

コショー

「コショー」は、元来、エスビー食品が開発した日本独自のスパイス。エスビー食品では、ブラックペッパーとホワイトペッパーを絶妙な比率でブレンドし、微粉末に加工したものを指します。

戦後、日本人の好みに合うように生み出されたブレンドはどんな料理にも合うほか、料理の下味付け、味付け、仕上げなどいつでも利用することができます。

ちなみに「コショー」のネーミングは、「ペッパー」と「こしょう」の掛け合わせによるもの。戦後の復興期に、今まで食卓になかった外国から届いた香り高い調味料というイメージを押し出すため、「ペッパー」と「こしょう」をかけあわせてカタカナで「コショー」としたのです。

その他「●●ペッパー」と呼ばれるスパイス

他にも、「こしょう」とは別のスパイスながら、スパイスの代名詞ともいえる「ペッパー」との名の付くスパイスは多く存在しています。辛みのあるスパイスだけではなく、各地を代表するスパイスも多く見られます。