炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されています。特に糖質は、筋肉や肝臓にグリコーゲンの形で蓄えられてカラダを動かすときのエネルギー源になったり、血糖として脳や神経のエネルギーになったりします。つまり、運動する人のエンジンとなる栄養素です。ご飯やパンなど穀類などは、ゆっくり吸収され、血糖値の急激な上昇がなく維持されやすいことから日常のエネルギー補給に有効です。練習量が多い日はしっかり摂りましょう。
タンパク質は、筋肉や骨、血液、内臓などカラダを構成する成分でアミノ酸からできています。摂取したタンパク質はアミノ酸に分解されて吸収され、体内で再び必要なタンパク質に合成されます。食品としては肉、魚、卵、大豆、大豆製品、乳製品があり、それぞれに含まれるアミノ酸の種類や数、組み合わせ方が異なります。タンパク質は1種類でもアミノ酸が不足すると合成できないため、偏りなく、いろいろな食品からアミノ酸を摂ることが大切です。
また、タンパク質は運動後できるだけ早く摂ると筋肉や組織に合成されやすいため、すぐに食事ができない場合は補食(間食)で補うようにしましょう。
脂質は、エネルギー源として重要な成分です。1gあたり9kcalと少ない量で多くのエネルギーを蓄えることができます。運動時間が長くなると脂質を主に利用します。また、エネルギー源以外にも細胞膜やホルモンの材料になったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりする働きがあります。
食品に含まれる脂質は主に脂肪酸から構成されており、その種類によって働きが異なります。肉やバターなどに多く含まれる飽和脂肪酸やオリーブ油や菜種油に多く含まれる一価不飽和脂肪酸は、主にエネルギー源として利用されます。
魚油やシソ油、アマニ油に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸は必須脂肪酸で、血液をサラサラにしたり、脳神経機能の発達に関わっていたりします。それぞれの脂肪酸をバランスよく摂っていくことが大切です。
ビタミンは、体内のさまざまな機能を調整する働きを持ち、生命維持に欠かせない成分です。しかし、体内でつくりだすことができないため、食品から摂取する必要があります。
スポーツに関するビタミンの働きは主に次の3つに分類されます。
ミネラルは無機質ともいい、体組織の構成成分、神経や筋肉の興奮、体液の調節、骨代謝、貧血などに関係します。代表的なミネラルには鉄、カルシウム、ナトリウム、亜鉛、マグネシウムなどがあります。ミネラルは欠乏症だけでなく過剰症も起こるため、たくさん摂れば良いというものではありません。自分のカラダにあわせながら、偏ることなく適度に摂ることを心がけましょう。
ミネラルの主な働きは次の通りです。