ハーブが香る 南欧の旅

2010年秋、ハーブのふるさと・南欧を訪れました。フランス・プロヴァンス地方に始まり、コルシカ島、コートダジュール、そしてイタリア・ジェノバへの旅路で出会った風景や料理をご紹介します。

2010/10/17

プロヴァンスハーブと食材を満喫!~アヴィニョン、サンレミドプロヴァンス~

日本からパリに着いた翌日、フランスの特急列車TGVに乗って、一路アヴィニョンへ!
まだ日が昇りきらない暗いうちに出発し、「南仏ではどんなハーブや料理と出会えるかな?」とワクワクしながら窓の外の景色を眺めていました。すでに冬の様相を見せているパリと違って、南仏はさぞ暖いだろうなぁと期待を抱いて駅に降り立つと。
思いのほか寒い!!その理由は、秋冬のプロヴァンスに吹く冷たい北風・ミストラル。早起きして一生懸命セットした髪もぼうぼうになるほどの荒れ狂う風・・・。
さてそんな風にもめげず、駅からバスでアヴィニョン中心部に向かいます。
アヴィニョンは14世紀にローマ法王庁が置かれ、教会や修道院などが建てられ、華やかに発展しました。城壁に囲まれた街は、中世の雰囲気を残し、まるでタイムトリップしたような気分♪
ローヌ河を挟んだ街の対岸からは、かの有名なサン・ベネゼ橋や美しい街並みを一望。美しい眺めに心が洗われます・・・。

アヴィニョン市内でまず向かったのはレアル中央市場。地元の人々で賑わうこの食品市場には、肉、魚、野菜などの旬の素材に、パンやケーキまであらゆる食材がそろっています。秋に訪れたときは、きのこや牡蠣が豊富に並んでいました。

プロヴァンスといえば、なんと言ってもハーブとオリーブの一大産地。オリーブ屋さんでは色の違うもの、味の違うもの、本当にいろんなバリエーションがあります。

そして売り場の一角にスパイス・ハーブの専門店を発見!!ずらりとたくさん並んでいる様子に感激★

特に南仏の料理によく使われるミックスハーブとして有名なのが、エルブドプロバンス
タイムやローズマリーをはじめ、プロヴァンスで採れるハーブをミックスしたもので配合に決まりはないと言われますが、ここ南仏では、サリエット(英名でサボリー)がブレンドされているものをたくさん目にしました。
サリエットは、日本ではなじみの薄いハーブかもしれませんが、代表的なプロヴァンスハーブのひとつ。清涼感の後に残る力強い香りが独特で好き嫌いはあるかもしれませんが、それもプロヴァンスならでは。
「ん?この香りは何??」と妙に印象に残ります。

その後アヴィニョン市内にある憧れのホテル「LA MIRANDE」でブランチビュッフェを楽しみ、サン・ベネゼ橋へ。
12世紀に造られたローヌ河に架かるこの橋は、「アヴィニョンの橋の上で」という歌で世界的にも有名になり、この街の代名詞とも言えます。17世紀の洪水で橋の途中から壊れた状態で残されています。

写真ではうららかに見えますが、油断していると吹き飛ばされるのではないかと思うほど強い風に吹かれ、身をかがめ踏ん張りながら歩きました。歌にならって、橋の上で踊ろう♪・・・なんて、とても無理でした。うーん、これがまさにミストラル。
ちょっと雲も多くて寒かったけれど、文化や人をつないできた歴史ある橋を見ることができ、橋の上からの眺めも楽しむことができました。

橋の上からの眺め

アヴィニョンを楽しんだ後は、車を30分ほど走らせサンレミドプロヴァンスへ。
こじんまりとしたお店が並ぶ、かわいらしい街並みに心が弾みます。

お目当ての有名なショコラティエ「JOËL DURAND」に行きました。ひっきりなしにお客さんが訪れ人気ぶりがうかがえます。

店頭に並ぶショコラ

小さな店内に所狭しと並ぶショコラ。まず真っ先に私の目に飛び込んできたのは、スターアニスやカルダモン、ラベンダーやミントなどスパイスやハーブが使われたもの。どんな味なんだろう?!
そのほかにも、ブラックチョコ、コーヒー味、紅茶やキャラメル風味と美味しそうなものから、オレンジ入り、オリーブ入りなどなど、30種類ほどあり本当に多彩なバリエーション!太っ腹にも試食をさせてくださるのです。
いくつかいただいた中で、私が特に気に入ったのは花椒のショコラ。辛過ぎない絶妙の配合で、爽やかな香りがします。もちろん、ショコラ自体の美味しさも素晴らしいのですが、ショコラと組み合わさったスパイスやハーブは香りの魅力を実感させてくれました。
おみやげにも買っていこう♪と選び始めたら悩んでしまって決められず、思い切って全種類入っている箱を買いました!

さらに街の中心に向かって小道を歩いていたら、オリーブ食材屋さんがあったので入ってみると・・・
美味しそうな試食コーナー発見!

こちらは、オリーブを使った南仏名物・タプナード
オリーブ、アンチョビ、ケーパーで作るペーストで、野菜スティックやゆで卵につけたり、トーストしたフランスパンにたっぷり塗ってオードブルにしたり、炒め物やソテーの味付けに使ったり・・・と調味料としてもソースとしても活躍します。

ブラックオリーブタイプグリーンオリーブタイプを食べ比べてみました。

ブラックタイプは力強く濃厚な風味、グリーンタイプは若々しい風味が強く、優劣はつけられません。パンにつけていただくと、ちょっとしたおつまみにもぴったりな味わいです。
日本ではなかなか手に入らないタプナード、ここでお土産にたくさん買いました!

この日はサンレミドプロヴァンスのホテル「Du Vallon De Valrugues」に泊まりました。
街歩きを満喫した日のディナーは、ホテルでゆっくりいただくのが一番!
こちらのレストラン「Marc de Passorio」では創作意欲にあふれた料理が楽しめます。

魚介のミネストローネ、リゾットを挟んだフォアグラジンジャーブレット添え、チキンのソテー紅茶で煮詰めたプロヴァンスの野菜添え

プロヴァンス風ミルフィーユ

一番の驚きは、デザートのミルフィーユ
「プロヴァンス風」と銘打ったこのミルフィーユはレストランのシェフの創作で、トマトオリーブバジルが入っています。

パイとクリームの甘さの中に、ほんのりとトマトやバジルのアクセントがきいて、これまた初めての味わい。
相性のよいバジルとトマトの組み合わせをデザートにも活かすなんて・・・。一瞬ためらいそうな斬新な組み合わせから、新しい味を生み出すシェフの自由な発想に脱帽でした。

すっかり満腹になった後は、もう寝るだけ。
次の日はいよいよハーブ料理教室!!楽しみにしつつ、眠りにつきました・・・zzz。

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02 ハーブクッキングレッスン~サンレミドプロヴァンス~

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ハーブが香る 南欧の旅
01 プロヴァンスハーブと食材を満喫!~アヴィニョン、サンレミドプロヴァンス~
02 ハーブクッキングレッスン~サンレミドプロヴァンス~
03 本場のブイヤベースを味わう!!~マルセイユ~
04 自然と野生のハーブにあふれる島へ~コルシカ~
05 食と香りの世界を堪能!~カシ、グラース~
06 南仏グルメに舌鼓~ニース、エズ~
07 バジルの香りに包まれる~ジェノバ~
08 本場ジェノバでジェノベーゼ♪~ジェノバ~
09 ハーブの旅、最後の一日~ジェノバ~
五感で満喫! 南インドの旅