山椒の各部位の利用法

Q庭で昔から山椒が育っており、せっかくなので料理に使ってみたいと思いましたが、山椒といっても、市販のものをうなぎの蒲焼に使ったことくらいしかありません。
いったいどのような料理に使えますか?

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山椒は、ことわざで「山椒は小粒でもピリリと辛い」といわれるほど、日本では古くから親しまれてきたスパイスのひとつです。
山椒といえば、うなぎの蒲焼の薬味として主に利用されるイメージがありますが、七味唐辛子には欠かせない素材のひとつでもあり、山椒のさわやかな香りとピリッとしたアクセントのある辛さが色々な料理の味を引き立てることができます。

また山椒は、果実、葉など、さまざまな部位を料理に使うことができるスパイスなので、季節に応じた各部位の使い方についてご紹介させていただきます。


まず、春ごろ「木の芽」と呼ばれる、新芽、若葉が出てきます。この「木の芽」は見た目もきれいで、茶碗蒸し、和えもの、お吸い物、刺身のつまなどにそのままご利用いただくと、山椒のさわやかな香りを味わうことができます。

その後、夏前に熟す前の青い実を収穫することができます。これは「実山椒」・「青山椒」などと呼ばれ、この時期は、果実の中の種も柔らかいので食べることができます。

塩漬けや醤油漬けにされたものが煮物などのトッピングなどによく使われていますが、私のオススメの使い方は、醤油煮です。辛みを抑えるために熱湯で茹でて水に一晩さらして辛みを抜き、醤油と酒で煮込みます。暖かいご飯にかけると非常においしく食べることができます。一緒にちりめんじゃこと煮込むと有名な「ちりめん山椒」になります。

そして、秋になると、熟して硬くなった果実から黒くなった種子が弾けだします。これを摘みとり、きれいに種子を取り除いて、乾燥させてビンに入れ、冷暗所で保管しておくと、色々な料理に使うことができます。使用時にすり鉢などでつぶして使用していただくと、その都度さわやかな香りの山椒を楽しむことができます。(これが一般的に「山椒の粉」と言われるものです)

もう少し詳しく

以下に、山椒の粉のオススメの利用方法をご紹介します。

山椒の粉のおすすめ利用方法

料理に振りかけたり、素材に混ぜ合わせたりすることで、さわやかな香りと辛みがアクセントとなり料理の味を引き立てます。 味噌や醤油との相性が非常に良いほか、こってりとした料理や素材を、さっぱりとした口あたりにすることができます。

Japanese-pepper

  • うなぎのかば焼き(薬味)
  • 焼き鳥(薬味)
  • お味噌汁(薬味)
  • からあげ(薬味、または下ごしらえに混ぜ合わせる)
  • お塩と混ぜて、天ぷらなどの薬味として
  • 鶏つみれに混ぜ合わせる(鍋料理)
  • みそ田楽の味噌に混ぜ合わせる など

他にも、麻婆豆腐などの中華料理によく利用されている花椒(中国山椒)の代わりに山椒の粉を利用してもひと味違った味になりますので利用してみてください。


山椒は(特に粉の場合)、香り、辛みが強いため、利用する時は少量からお試しいただくようにしてください。
またその他のスパイスやハーブにおいても、まずは少しずつ味を確かめながらお試しいただくことをお勧めしております。

山椒は料理の主役にはなりませんが、さわやかな香りとピリッとした辛さが色々な料理を引き立てる名脇役のスパイスですので、色々お試しいただければと思います。

山椒(さんしょう)を使ったレシピ一覧


今回ご紹介したスパイス&ハーブの詳しい情報は、こちらをご覧ください。

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この記事を作成・監修したスパイス&ハーブマスター

村上 誠

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