![]() |
2008年4月14日 |
お茶の水女子大学、タキイ種苗㈱、エスビー食品㈱の共同研究 |
エスビー食品(株)(本社:東京日本橋、社長:江戸龍太郎)では、お茶の水女子大学生活科学部食品化学研究室(森光康次郎准教授)とタキイ種苗㈱との共同研究で、ある種のセロリのベビーリーフ(幼葉)に、解毒酵素を誘導する働きを見出し、体の活力を取り戻し健康や美しい肌を取り戻す体内浄化作用、すなわちデトックス効果が期待できることを明らかにしました。このセロリは当社のフレッシュハーブシリーズで「セロリホワイト」という商品名で発売しておりますセロリで、今回、このセロリのベビーリーフ(幼葉)に体内浄化作用があることが明らかになりました。この研究結果は、日本農芸化学会2008年度大会(2008.3.26~29、於:名城大学)で、お茶の水女子大学より発表しております。 |
■研究の背景と目的 | |||
ベビーリーフは、手軽さと健康志向の高まりから近年消費量が増えている食材の一つです。エスビー食品では、お茶の水女子大学とタキイ種苗㈱との共同研究で、ベビーリーフが有する、発がん抑制に関与していると考えられる解毒酵素を誘導する働きに注目し、誘導活性物質を、他の野菜やベビーリーフの各品種間の比較をしつつ探索して参りました。
|
|||
■研究概要 | |||
47品種のベビーリーフについて、第二相解毒酵素誘導活性(解毒酵素を誘導する働き)をRL34細胞にて測定しました。その結果、セロリのベビーリーフ(幼葉)に、発がん抑制に関与していると考えられる解毒酵素を誘導する高い働きが認められました。 そこで、他のセロリの品種について生育段階別に誘導活性を比較した結果、品種によって活性に大きな差は認められませんでした。従ってセロリのベビーリーフ(幼葉)は、顕著な解毒酵素誘導活性を有することが浮き彫りになりました。 次に解毒酵素の誘導物質を特定する研究を行いました。大量のセロリ抽出物を分画し、誘導物質を単離、構造解析した結果、セダネノライドであることを突きとめました。本物質は、セダノライド、3-ブチルフタライドとともにセロリの特徴的な香気成分でもあります。このセダネノライドに解毒酵素を誘導する働きを見出したのは、本報告が初めてとなります。
|
|||
■今後の研究方向 | |||
今回はセロリのリーフについて研究を行ないましたが、セロリシード(種子)やルート(根)の誘導活性を現在検討中です。 またさらに研究を進めて、マウスを用いたin vivo実験についても検討中です。
|
|||
【資料】学会発表の要旨 「セロリベビーリーフ中の第二相解毒酵素誘導物質について」 ○武藤知衣1、吉田紘子1、森光康次郎1、久保田紀久枝1、内田浩二2、六角啓一3、田口拓郎3、田口裕基4 (1お茶大・食物栄養、2名大院・生命農学、3タキイ・研究農場、4エスビー食品・商品本部) 【目的】 ベビーリーフは、手軽さと健康志向の高まりから近年消費量が増えている食材の一つである。本研究では、ベビーリーフの示す生理活性スクリーニングの結果から、発がん抑制に関与すると考えられている第二相解毒酵素誘導活性に注目し、野菜間・品種間の比較と誘導活性物質の探索を目的とした。 【方法と結果】 47品種のベビーリーフについて、第二相解毒酵素誘導活性をRL34細胞にて測定した。その結果、セロリベビーリーフに高い誘導活性が認められた。そこで、セロリの品種間と生育段階別での誘導活性を比較した結果、品種によって活性に大きな差は認められなかった。セロリシードやルートにおける誘導活性は現在検討中である。次に大量のセロリ抽出物を分画し、誘導物質を単離、構造解析した結果、セダネノライドであると同定した。本物質は、セダノライド、3-ブチルフタライドとともにセルリーの特徴的な香気成分でもある。セダネノライドの第二相解毒酵素誘導能は本報告が初めてである。現在、マウスを用いたin vivo実験について検討中である。 |
|||
![]() |