栽培の現場フレンチタラゴン栽培 ~増やし方編~

忍野試験農場では栽培技術や品種に関する研究を行い、この成果を原料産地に応用することを目的として様々な種類のスパイスやハーブを試験栽培しています。

前回のミントに引き続き、ハーブの増やし方(栽培方法)についてご紹介します。
今回は「フレンチタラゴン」です。

フレンチタラゴンの増やし方(株分け)

フレンチタラゴン

フレンチタラゴンは、甘さとピリッとした辛みのあるキク科のハーブです。
ハーブビネガーやオムレツに使われ、フランス料理によく使われるミックスハーブ「フィーヌゼルブ」に入っています。特徴として、めったに花を咲かせず種もとれません。(※)

そのため種まきができず、増やし方としては「株分け」と「挿し穂」があります。今回は、フレンチタラゴンの増やし方のうち「株分け」についてご紹介します。

似ている名前の「ロシアンタラゴン」は花もつけ種もとれます。
しかし、「フレンチタラゴン」のような風味はあまりありません。主として料理に用いられているのは「フレンチタラゴン」です。

1冬越し

忍野試験農場では、フレンチタラゴンが初の冬越しをしました。
雪の下に埋もれてしまったときは心配になりましたが、その後元気な新芽が出てきてくれてひと安心です。

  • 雪に覆われるフレンチタラゴンの根
  • フレンチタラゴンの新芽

雪の下の地中に、発芽を待つフレンチタラゴンの根が埋まっています。

2株を分ける

葉がつき茎が伸びて土の中にしっかりと根が張ったら、スコップで株を根ごと掘り起こし、はさみや手で適当な大きさに切り分けます。

  • はさみや手で根ごと切り離します
  • フレンチタラゴンの根

タラゴンは別名エストラゴンといい、フランス語で「小さな竜」という意味です。一説では、根がとぐろを巻いた蛇に見えることが由来だといわれています。掘り起こした根を見ると、確かにクルクルと円を描くように伸びていました。

3植える

茎の長さが10~15cm程度になるようにカットしたら、土に穴を開けて、切り分けた株を植えます。
長い根は丸めながら、うまく穴に入れます。最後にしっかりと水やりを行い、完成です。

タラゴンは暑さに非常に弱いのですが、忍野試験農場のある場所は比較的涼しいので、栽培に向いているのかもしれません。そのほか、ポイントとしては土をアルカリ性に寄せておくと、カビによる被害が出にくくなります。

  • 1土に穴を開けます
  • 2長い根は丸めながら穴に埋めます
  • 3やさしく土をかけます
  • 4株分けの完成

タラゴンは増やすのが難しいハーブのひとつですが、その分育てると愛着が沸きますよ!

皆さんも、ぜひタラゴンを育てたり、料理に使ったりしてみてください。

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