唐辛子、唐辛子加工品

日本における唐辛子の歴史

唐辛子は紀元前からアメリカ大陸固有のもので、それが世界中に広がるきっかけになったのは、15世紀末のコロンブスのアメリカ大陸発見だったと言われています。このときに、ヨーロッパに唐辛子の存在や料理法が紹介され、それからわずか数百年の間に世界中の食卓に欠かせないスパイスになりました。

南米からヨーロッパに伝えられた唐辛子は、日本に16世紀末に豊臣秀吉が征韓の役を起こした際に、加藤清正が持ち帰ったという説、また16世紀半ばに種子島に漂着し、鉄砲を伝えたポルトガル船によってもたらされた、あるいは17世紀初めにタバコとともにポルトガルから伝わったなどの説があります。

唐辛子

非常に適応力の強い植物で、栽培される地域の気候・風土に適応して生育し、3000種類とも言われるほど多くの品種があります。
代表的な種類だけでも、【鷹の爪】【天鷹唐辛子】【本鷹唐辛子】【韓国産唐辛子】【ハラペーニョ】【ハバネロ】【プリッキーヌ】などがあり、鷹の爪は、天鷹唐辛子、本鷹唐辛子などの品種を含めた総称としても用いられます。
形態としては、ホール、パウダー以外にも、糸切り唐辛子、輪切り唐辛子などいろいろな形態があります。

七味唐辛子

日本を代表するミックススパイスです。
唐辛子、山椒、陳皮、青のり、ごま、麻の実、けしの実など主に7種類のスパイスを混ぜ合わせて作られます。なべものや汁もの、焼もの、漬けもの、そば、うどんなどあらゆる和風料理に手軽に振りかける、食卓のスパイスとして定着しています。

七味唐辛子の発祥は?
江戸時代の初期(寛永2年・1625年)に、からしや徳右衛門が、江戸の両国薬研堀(現:東日本橋)に店を構えて売り出したのが最初とされています。もともとは漢方薬の調合がヒントになったのだとか。
七味の配合の基本
「二辛五香」(にしんごこう)といって、辛さに特徴のあるものを2種類、香りを重視したものを5種類ブレンドするのが基本です。江戸時代に生まれた七味唐辛子は、その後、全国に広がり、その土地の歴史や風土によって配合の内容も多種多様になっていきました。

柚子こしょう

柚子と生の青唐辛子をすりつぶして混合し、適量の食塩を加えた九州地方特産の調味料です。なべ料理や刺身、サラダ、肉料理など1年を通してさまざまな料理の薬味として利用されます。

名前に“こしょう”とありますが、こしょうの呼び名がついているのは、柚子こしょうの発祥の地である九州地方で、古くから唐辛子のことを「こしょう」と呼んできたためです。

もみじおろし

生の大根に箸などで穴をあけ、赤唐辛子(ホール)を差し込んでいっしょにすりおろしたものです。なべものや刺身などに使われます。

かんずり

唐辛子を使った越後の特産品。唐辛子を1カ月間雪にさらし、麹と天然香料を加えて数ヶ月間塩蔵します。豆腐やおでん、うどん、なべもの、焼きものなどに使われます。