その他、和のスパイスやハーブ

山椒

柑橘系の爽やかな香りと舌がしびれるような刺激的な辛みが特徴のスパイスです。成長過程それぞれで香辛料として使われます。若芽は“木の芽”と呼ばれ、春の芽出しから秋まで、葉がある間中採取できます。
その後咲く花は“花山椒”として焼き魚に添えたりします。花後の黄緑色の未熟な実は“実山椒”と呼ばれ、佃煮、チリメンジャコと煮たチリメン山椒、酢漬けなどにされます。赤く熟した実は乾燥してから粉状に挽き、山椒の粉として使われます。

また、山椒の木の幹は非常にかたく締まって強いため、加工してステッキやすりこ木にも利用されます。このすりこ木を使うと、ほのかに山椒の香りがつくので、酢みそやつみれなどを擦るのに適しています。

日本ではうなぎがよく食べられる夏に山椒の粉が活躍します。うなぎは栄養価が高く、スタミナが失われがちな日本の暑い夏によく食べられます。日本ではこのうなぎにタレをつけて焼いたうなぎのかば焼きに、山椒の粉で香りを付けて食べます。
また、粉山椒は七味唐辛子の原料に欠かせません。

季節毎の山椒の利用のされ方

  • 3月 木の芽:吸い口、和えもの
  • 4~5月 花山椒:吸い口、天盛り、焼きものの付け合わせ
  • 6月 実山椒:つくだ煮、酢漬け、塩漬け
  • 9月 割山椒:種子を除いた果皮を粉に
お屠蘇(とそ)は病除け
日本のお正月の縁起物、お屠蘇の風味づけに山椒が使われています。これは中国の古くからの習慣で、病除けのために祭事の祝い酒に山椒を入れて飲んでいた名残です。
「魏志倭人伝」にも登場
日本人と山椒の縁はとても古く、「魏志倭人伝」の中にも、3世紀頃の日本の風俗とともに、山野に山椒が自生していたことが記述されています。10世紀にはすでに薬として、あるいは薬味として山椒の葉が利用されていたそうです。

くちなしの実

おせち料理のきんとんでおなじみの黄色い色づけに使われるスパイスです。栗やいもなどを煮て作るきんとん、たくあん漬け、ゼリーやキャンディなどの菓子作りなどに使われます。料理以外では、古くから布や工芸品の染料として利用されてきました。

使い方のコツ
くちなしの色素成分「クロシン」は水溶性。果実を2つに割り、水または湯にひたしたり煮出したりして濃い黄色の液を作り、これを色づけに用います。果実は色が出たら濾すなどして取り除くため、あらかじめガーゼで包んだり、お茶パックなどに入れておくと便利です。
名前の由来
果実が熟したあとも裂けないことから、口が開かない、口がないとの意味だといわれています。また細い種子のある果実を梨に、くちばし状のがくを「くち」に見立て、「くちを備えた梨」と呼んだとの説もあります。

けしの実

非常に小さな丸い粒で、ほのかに甘い香りとナッツのような香ばしさがあります。日本ではおせち料理の「田作り」や菓子パンなどに使用されるほか、七味唐辛子の原料としても用いられています。

柚子

昔から日本で使われてきた代表的な薬味。料理だけでなく柚子湯という習慣もあり、日本の生活になじんでいます。柚子を使った香辛料として、七味唐辛子や柚子こしょうがあります。

柚子の切り方と代表的な用途

  • へぎ柚子:吸い口
  • 針柚子:焼きもの、炊き合わせ
  • おろし柚子:煮もの

三つ葉

緑の鮮やかさと香りの高さ、歯ざわりのよさから、日本料理には欠かせないハーブです。市販されている三つ葉には、切り三つ葉、根三つ葉、青三つ葉があります。それぞれ栽培方法が異なり、切り三つ葉は光をさえぎり軟白させて作ります。また、根三つ葉は株を養成し土寄せして軟白させるという方法で、青三つ葉は密植して軟弱に伸張させるという方法で、それぞれ育てます。 生のまま、汁物の薬味に用いる他、サッとゆでておひたしなどに用いられます。

しそ

葉が紫色の紫蘇は、梅干しや漬けものの香りや色づけに、青じそと花穂は葉は香りを活かして麺類、汁もの、鍋料理、刺身、冷奴などに薬味としてよく利用されます。また乾燥した種子は七味唐辛子やふりかけなどにも配合されることがあります。
和風料理にきわめて広い用途を持つ和風ハーブ。葉や茎が紫色のものを「しそ」、緑色のものを「青じそ(大葉)」と呼ばれますが、どちらも中国原産の「荏(えごま)」の変種で、ほかに「ちりめん青じそ」「片面(かためん)じそ」「レモンじそ」など近縁の品種がいろいろあります。

利用部位と主な用途

  • 芽:刺し身のつま、吸い口
  • 葉:刺し身のつま、吸い口、天盛り
  • 花:刺身のつま、天ぷら
  • 穂:刺し身のあしらい、揚げもの
  • 実:吸い口、和え物、天ぷら

あさつき

東北・関東地方で主に用いられており、鍋ものの薬味などに使われます。

わけぎ

ねぎの中で最も香りがよく、汁の実や薬味として用いられます。

ミョウガ

夏の食卓にかかせないミョウガですが、古くは「魏志倭人伝」にミョウガの漢名が見られる他、平安時代の書物にも登場するなど、古くから日本人に好まれているハーブのひとつです。また、ミョウガは音が冥加(神仏の加護のこと)に通じることから、縁起をかついで家紋のモチーフによく使われています。