五感で満喫! 南インドの旅

2010年11月末から12月にかけて、初夏の南インドを訪れました。スパイスやハーブに所縁の深い地を巡る中で出会った、心に残る風景や料理をご紹介します。

2010/12/2

“東洋のヴェニス”をのんびりクルーズ ~アレッピー~

■PUTTU(プットゥ)

こちらの写真は朝食会場。オープン時間ちょうどに行くとまだ誰もいない様子です。
昨日は朝が早かったため、まだ朝食レストランは準備中で、簡単なパン+コーヒーの朝食だったのですが、今朝はズラリと並ぶ南インド料理の朝食を堪能できそう♪

何を食べようかな~と、ぐるりと見渡すと、気になるモノを発見!!

この変わった形の器具はなんだろう??と近づくと、メニューのネームプレートには「PUTTU」と書いてありました。シェフにどんな料理か尋ねてみると、
・ケララ独特の蒸し料理
・材料は米粉とココナッツ
・ケララの朝食の定番
・プットゥ専用調理器で作る
・この調理器の筒の部分に生地を詰め、下の丸いドームのような部分に水を入れて蒸す
・隣に置いてある“Cherupayar Curry”というムングダル(緑豆)のカレーと一緒に食べるとおいしい

といった説明を頂きました。

早速お願いして作って頂きました。器具の筒の部分に入れて蒸した生地を、棒状の器具を使って押し出してくれたのですが、途中で失敗してきれいな筒状には出てきませんでした~。本来は、シュッとした筒状に出てくるというので、成功バージョンの写真も撮らせて頂いたのですが・・・ピンボケ&ブレブレです。

食感はモサモサした感じで、ココナッツの風味がかなり強く感じられます。単品だとたくさん食べられない感じがしましたが、カレーと合わせると確かによく合い、完食です!

■アレッピーへ出発!

今日は、ティッカディーを発ち、アレッピーに向かいます。こちらに来る時は長い山道を登ってきましたが、今度はひたすら下ります。あまりに曲がりくねった道が印象的だったので、動画で撮影してみました!

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アレッピーまではバスで4-5時間かかる長旅ということで、運転手さんが車内で南インド映画を流してくれます。
世界有数の映画大国として知られるインドの映画は、日本でもDVDが発売されていたりして何度かみたことがありますが、南インド映画は初めて!
テンポのよい展開(テンポが良すぎて英語字幕が読み切れない)、ため息が出そうに美しい女優さん、キレのよい歌&ダンスシーン・・・と、全体的な印象は北インドの映画と変わらず、とにかく楽しい気持ちになれました☆

バスの揺れにあわせてウトウトしたりしている間に、バスはアレッピーに到着!

アレッピーは、ケララ州の観光のハイライト“バックウォータークルーズ”の中心的な町。このあたりは、川、湖、運河などが網目のように張り巡らされて内陸にまでうねるように入り込んでおり、水郷地帯(バックウォーター)を形成しています。かつて貿易で栄えたこのエリアでは、貿易品のスパイス等の荷物運搬に欠かせない交通網で、現在も人々はこのバックウォーター(水郷地帯)に根ざして暮らしています。その様子から、“東洋のヴェニス”と称されることもあるそうですよ!

バックウォータークルーズとは、この張り巡らされたバックウォーター(水郷地帯)を船でゆっくり、のんびりとめぐるクルーズツアーのことです。川の両岸には民家や畑が並び、表に干されている洗濯物や、水辺で洗いものをする女性の姿が見られたりと、住民の生活を間近に感じられ、とても人気があるのだそう。

様々なタイプの船に乗れるツアーがありますが、今回はハウスボートと呼ばれる、船内で食事や宿泊もできるタイプのボートでのクルーズです。受付のウエルカムドリンクで頂いたケララ名物・ココナッツジュースは、程よい甘酸っぱさで喉をうるおしてくれ、美味でした~!

この地図は、受付の建物の壁に飾ってあった付近の地図。左の全体的に水色の部分がアラビア海で、陸地と水路が入り組んでいるあたりがバックウォーターです!

そしてこちらがお世話になるハウスボート。船内には立派なベッドルームが備えられており、数日間宿泊してのんびりと過ごされる方が多いそうですが、今回は夕方5時頃までの約4時間のクルーズ。
ケララの自然を感じながらのんびり楽しみたいと思います!

乗船して、早速船内をチェック!

2階建てとなっており、1階部分の廊下を奥に進むと右手側にベッドルームが2部屋あります。ベッドルームには、お手洗いやシャワーまで完備されていて、不自由なく泊まれそうです。

廊下の突き当たりにも扉がありますが、そちらの奥はスタッフさんのお部屋と厨房になっているとのこと。出される食事は、船内の厨房で作られているそうです。

こちらは1階部分からの眺め

岸にはケララ州の象徴・ココナッツの木々が並んでいます。水面は穏やかで船のスピードもゆっくりなため、本当にのんびりとした穏やかな時が流れます。

しばらくくつろいでいると、ランチの準備が始まりました。

1階の大きめのテーブルに、どんどんと料理が運ばれてきます。
テーブルの真ん中にドンと出されたのは、バックウォーターでとれる魚を使った料理!盛り方が豪快です。

これらの料理を自分のお皿に盛ったものがこちら!

どの料理も大満足のおいしさでしたが、中でもとびきりおいしかったのが、フライドフィッシュ。バックウォーターでとれた魚をスパイスで処理して揚げたもので、このあたりの名物料理だそうです。魚の臭みを消すのにスパイス(特にターメリック)が効果的に使われ、かといってスパイシーすぎるわけでもなく魚のうまみが存分に感じられます。丁寧に下処理がされているんだろうな~と思いました。
ちなみにこの魚、現地では“Karimeen”と呼ばれ、英名は“Pearl-spot fish”というそうです。
※帰国後調べてみたところ、和名は“ダイヤモンドクロマイド”というようです。「インド南部のバックウォーターでよくとれる魚で、真珠のように見える体表面の斑点からパールスポットという英名がつけられた」そうです。

昼食後はのんびり、まったーりと船上でくつろぎます。

両岸の景色に目をやると、人々の生活が感じられます。
地元の方が暮らす家は、カラフルなかわいい色のものが多く、とっても南国らしい雰囲気。
自由に散歩するヤギや洗濯物が風になびく様子などは、本当にのどかです。鮮やかな彩りの布はサリーでしょうか。

また、家が立ち並ぶ辺りには、ところどころに船の停船所があり、人々の暮らしとバックウォーターとの深い結びつきを感じます。

2Fからの見晴らしも抜群。
ヤシの木が並ぶ風景を眺めていると時間を忘れてボーッとしてしまいます。

動画でハウスボートからの眺めをご紹介します。

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たっぷりくつろいだら、すっかり夕方に。ハウスボートは元の停船所に戻ります。夕景もとてもステキでした♪

アレッピーから、次の目的地・コーチンへは車で向かいます。程よい揺れにウトウトしていたら、2時間かからずに到着!

コーチンは古くから貿易で栄えた港町で、歴史的な名所やおいしい魚料理で有名な街。明日、あさってといろいろと見てまわるのを楽しみにしつつ、早々に眠りにつきました・・・zzz

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