スパイス&ハーブ事典

スパイスの歴史に関するお話
スパイスは世界に数百あると言われ、ハーブになると万という数になるという説もあるほどです。そしてそれぞれに歴史やエピソードを持ち、全体としても数々の歴史エピソードが残っています。ここでは、人とスパイス&ハーブの関わり、時には歴史を動かす原動力にもなったことのあるスパイス&ハーブの歩みをひも解いてみましょう。スパイス&ハーブから見る世界史・日本史で、新しい歴史を発見できるかもしれません。

ハーブと魔女狩り伝説

大航海時代、さまざまな発見によって、ヨーロッパの社会・経済は大きな変化を遂げますが、一方で14世紀から17世紀のこの時代は、ペストなどの疫病が大流行するなどして社会が乱れ、暗黒時代と呼ばれています。このような疫病の大流行の中、町の医療の中心を担ったのは修道院で医学を学ぶ男性たちでした。しかし、田舎に暮らす農民や庶民には、遠く離れた町へ行く手段もなく、また高価な薬を買うこともできませんでしたので、ハーブについて豊富な知識を持つ女性が薬を作っていました。彼女たちは文字の読み書きはできませんが、特にハーブの知識に大変優れた女性は「ワイズウーマン」(賢い女性)と呼ばれ、その多くが助産婦でもありました。彼女たちは民間にあって大変頼れる存在だったのです。
しかし、「人間の生と死に関わる者は神に仕える聖職者でなければならない」と信じて医療を行う聖職者にとっては、彼女たちは邪魔な存在でした。そこで、ハーブの知識に長けた多くの女性が魔女狩りの対象として「魔女」に仕立て上げられ、火あぶりにされるなど迫害されたといわれています。魔女狩りの背景はさまざまな要因が複雑に絡み合っていますが、このような悲劇が数世紀に渡りヨーロッパ各地で起ったのです。

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