1. かたち(形態)による分類と使い方

スパイス&ハーブの形態は、大きくフレッシュ(生)とドライ(乾燥)に分けてとらえることができます。
また、乾燥させたドライのスパイス&ハーブは粉にする仕方や複数のスパイスやハーブをミックスする方法によりさらに詳細に分けられます。

分類フレッシュ(生鮮)

生で使用するスパイス&ハーブです。わさび、しょうが、にんにくなどが代表的ですが、葉の形で日本で古くから使われているものでは、しその葉、木の芽(山椒の若葉)などがあります。最近では海外から入ってきたバジル、コリアンダー(香菜)、ルッコラなどのハーブも一般的になってきました。本来の新鮮な香りと色合いが料理をおしゃれに演出してくれます。
生のまま料理に飾ったり、サラダに散らしたり、食べられるハーブの花をあしらうなど工夫すると料理が楽しくなります。さわやかでフレッシュな香りは炒めものなどにも適しています。

分類ドライ(乾燥させたもの)

スパイス&ハーブを乾燥させると保存がきき、手軽に使えます。用途により、さまざまな粒度(つぶの大きさ)やミックス(混合)の仕方があります。

単品のスパイス&ハーブ

こしょう、シナモン、ナツメッグ、クローブ、バジル、タイム、ローズマリーなどの名前で売られている、ほかのスパイス&ハーブや調味料が混ぜ合わされていない、1種類のスパイスやハーブです。
単品のスパイス&ハーブは粒の大きさ(粒度)によってさらに分類できます。

ホール

植物の果実やつぼみ、樹木の皮、葉、根などの形をほぼ原型のままの状態で乾燥させたもの。

〈主な用途〉
香りが飛びにくいので、香りを活かす料理におすすめ。長時間加熱する料理に適しています。乳鉢ですりつぶす、指で砕く、ミルで挽いて使うと、新鮮でより香り高い風味が楽しめます。

あらびき

ホールを粗めに粉にし(粉砕)、粒子を整えたもの。
粒子の大きさはさまざまで、意図的にさまざな大きさの粒子を混ぜている場合もあります。

〈主な用途〉
パウダーより香りが飛びにくく、ホールより香りが出やすいので調理中や下ごしらえに便利。こしょうなどは粒つぶ感が楽しめます。

パウダー

ホールを細かく粉にした(粉砕)したもの。

〈主な用途〉
粒子が細かいので下ごしらえで素材にまぶしたり、瞬時に香りが立つので、仕上げに振りかけたりして使います。

ミックス(ブレンドスパイス、混合スパイス)

複数のスパイスやハーブをミックスしたもので、カレー粉、ガラムマサラ、エルブ・ド・プロバンスや中国の五香粉(ウーシャンフェン)などが代表的なミックススパイスです。

〈スパイスやハーブをミックスにすることによるメリット〉
ミックスすることで、幅、厚み、深みが生み出されたり(=シナジー効果)、ミックスしたスパイスがお互いのとがった香りや辛みを消し合うことで、まるみのあるふくよかな香りとなります(=マスキング効果)。

シーズニングスパイス

スパイスやハーブに塩や砂糖などの調味料をミックスしたもので、代表的なものに、塩こしょう、シナモンシュガー、セロリーソルト、中国の花椒塩(ホアジャオエン)などがあります。またステーキ用ミックス、ハンバーグ用、パエリア用など、特定の料理用に調合された便利なシーズニングスパイスも多くあります。
スパイスやハーブの風味づけと同時に味もつけることができるため、スパイスやハーブを使いこなす入門篇としておすすめします。

ペースト、液体

フレッシュの香りを活かしつつ、料理に合わせて使いやすく加工したペースト状や液体状のスパイスやハーブです。代表的なものにチューブやボトルに入ったわさびやしょうが、ラー油、最近広まった柚子こしょうなどがあります。

〈主な用途〉
薬味のほか、生鮮のしょうがやにんにくの代わりにもなり、さまざまな料理に手軽に使えます。活用の幅を広げましょう。

コラムなぜ“シーズニング”というの?

“シーズニング”の”season”には、よく知られている「季節」という意味のほか、「味付けする」「調味する」という意味があり、“シーズニング”はこちらの意味が使われています。