ハーブを気楽に育てて使って楽しむ【ガーデニングハーブ】。09バージョンでは京都の榊田ガーデンを舞台にブログ風《ハーブダイアリー》がスタート。季節ごとのガーデンの移り変わり、日々のハーブな暮らしぶりをお伝えできればと思います。お馴染みの各コーナーには、季節ごとのハーブガーデニングを楽しく幸せにしてくれる知恵がいっぱいつまっています。
一年で一番寒いこの季節。ガーデニングもほとんどお休みです。春にまく種の手配をしたり、苗のカタログを眺めたりと、のんびりして過ごします。
春になったら新しいハーブが育つので、去年の夏の間に収穫したハーブを使ってしまいましょう。石けん作りやミックスハーブ作りは、ちょっとした魔女気分に浸れます。
「天国のせっけん」スペシャルバージョン
原稿書きをしている私から、キッチンで3つのお鍋をかき混ぜているカズミさんが見えます。
今日は石けん作り。去年いっぱい作った手作りせっけんもあと残りわずか。バラ、ラベンダー、カモマイル、ローズマリー、ポットマリーゴールド、マーシュマロウとシアバター、はちみつなどをまぜまぜ、ねりねりした石けんは優しい香りとふわふわの泡立ち。ストックした残りをふんだんに使ったので、もう!素晴らしい香りです。「きれいになりますねー」と振り返ったカズミさん、幸せそうな笑顔。
○ラヴィアンローズせっけんはカスだってすごい
私たちのオリジナルせっけん、もうひとつの目玉はバラづくしのせっけん。ガリカローズとローズヒップにはちみつ、ココアバターなどを練り合わせたゴージャスなせっけん。
きれいにきれいにカットした石けんはピカピカ。削りカスは、ゴミ用のソフトネットに入れてお風呂で使うんです。泡立てネット代わりになっていい感じ。
○そしてそして・・・
天国せっけん用のエキスを煮出した後のハーブは、まだまだいい香りです。たくさんはいっているマシュマロウルートで、ぬるぬるの保湿効果も期待大。今夜のお風呂はゆっくり入ろうっと。
A:学名:Schinus molle / 別名:California peppertree、Peruvian peppertree / ウルシ科/常緑高木
B:学名:Schinus terebinthifolius / 別名:Brazilian pepper,サンショウモドキ,アカツユ / ウルシ科 / 常緑高木

少しややこしい話ですが、ピンクペッパーとして出回っているスパイスには3種類あります。一つはこしょうの赤く色づいた果実を果皮ごと、赤色を保ったまま乾燥させたもの。
もう一つはバラ科の西洋ななかまどの果実、そして最後に今回取り上げているウルシ科のコショウボクの熟果です。
さらにコショウボクと呼ばれる木には上のAとBの2種類あるのです。どちらにもピンク〜赤に熟す実が実り、かすかな甘みと酸味、ほんのわずかな辛みがあります。日本でピンクペッパーとして出回っているスパイスの多くはこのコショウボクの実です。
ちなみに、通常こしょうと呼ばれるスパイスはコショウ科コショウ属の植物で、ピンクペッパーの木、コショウボクとは別の植物です。
コショウボクという時は、AのSchinus molleをさすことが多いようですが、BのSchinus terebinthifoiusの実もピンクペッパーとして利用されます。こちらには、ピンクの実のなるものと赤の実のなる種類があります。
ペッパーのミックスとして売られているものの中には、こしょうに混じってこのピンクペッパーが入っていることがよくあります。→ S&Bペッパーミックス
【※注意】ウルシ科の植物ということもあり、まれにアレルギー症状を起こすことがあるそうです。アレルギーの心配のあるかたは、少しずつから試しましょう。ほんの少しでも料理に独特の風味と素晴らしい色合いをプラスしてくれるスパイスです。
※ピンクペッパーについてはこちらもご覧ください → スパイス&ハーブ総合研究所

榊田ガーデンにあるコショウボクは、Schinus terebinthifoliusブラジリアンペッパーです。苗を植えて約5年、ついに今年、かわいい小さい花がたくさん咲きました。
いつ実がつくか楽しみにしていましたが、残念ながら実はひとつもなりませんでした。常緑のはずなのに葉を落としてしまう様子からも、耐寒性があまり無いようですので、京都の気候の露地では実がつかないのでしょうか。
このブラジリアンペッパー、葉が山椒にすこし似ているからか、サンショウモドキという和名がついています。小笠原諸島では帰化植物になっているということ。外国では繁殖力が強い有害植物のリストにも載っているそうです。
よく見ると枝がきれいなピンク色をしています。実は見ることができませんでしたが、ピンクペッパーの実の色を思い起こさせる枝の色です。同じ色素が含まれているのでしょうか。

ピンクペッパーは食用だけではなく、その美しい実をフラワーアレンジメントや、クラフトに利用します。
写真はリース台にボンドを塗って、ピンクペッパーを上からまいてくっつけたものです。乾くとしっかり固定するので、その上からスパイスなどで飾り付けをしました。
【※注意】通常ドライフラワーとして出回っているピンクペッパーは、防虫処理が施されている可能性があるので、食用にするのはやめましょう。

ピンクペッパーの華やかな色あいとピリッとした風味と甘みを生かしたわかさぎのマリネは、目にもごちそうの一品。
冬の間ガーデニングはちょっとお休みです。春まきの種と苗の手配がすんだら、ゆったりと過ごせますね。そんな時こそ、旬の時期に収穫したハーブを使い切る作戦を実行!
ハーブティーのミックスを作ろうと収穫・乾燥させたハーブを入れた缶をチェックしたら、ハーブティーよりも料理用ハーブがいっぱい。そこでエルブドプロバンスならぬ、『エルブドキョウト プラスソルト』を作りました。
本家本元のエルブドプロバンスも、プロバンス地方でとれるハーブを各家庭やお店で独自にブレンドしているものだそうです。
皆さんも、自分で育てたハーブで、オリジナルハーブミックスを作ってみませんか。
写真上段左から
レモングラスが固いのでここではミキサーで粉状にしましたが、柔らかい材料だけならすり鉢ですってもOK。煮込みやスープに使う場合は、パウダー状ほど細かくなくても大丈夫です。ここでは、塩とミックスして、細かい粒子のハーブソルトにしました。
【文・スタイリング・制作】榊田千佳子【撮影】タケダトオル、榊田千佳子【制作協力】吉川和美