つぶやき

花わさび

今年のゴールデンウィークは、岩手県で過ごしました。東北の満開の桜を期待して出かけたのですが、北日本は連休中も冷え込みが厳しく…そこにあったのは、満開の梅、まだつぼみばかりの桜、そして、空にたなびく鯉のぼり…と、不思議な光景でした。 さて、そんな中でも遅い春を楽しませてくれたのが、春の山菜。ふきのとう、うるい、わらび、こごみ、たらの芽…など、全国的には旬は過ぎていましたが、冷え込む岩手には、新鮮な春の山菜がずらり。“花よりだんご”…ではありませんが、まばらな桜の代わりに、青果店や産直市場をわくわくしながら見て回ったのでした。

春の山菜の中で、数年前、私が岩手で初めて出会ったのが、「花わさび」です。おなじみの「わさび」の茎から葉、花の部分で、東京では料亭向けに限られた場所で流通している程度だそうですが、わさび産地周辺では、春になると青果店に並びます。

お浸しやマヨネーズ和えなどで頂くのですが、下ごしらえの仕方が独特。わさびを「怒らせる」のです。ということで、ここで「花わさび」の料理方法をご案内。

お湯をかけてかき混ぜるという、変わった下ごしらえには理由があります。わさびは、おろしわさびにする根茎と呼ばれる部分も茎も、そのままでは苦いもの。すりおろすなどして細胞組織を壊して水分と反応させることで、あのツーンとした辛み成分が出てきます。この花わさびの場合も、お湯をかけてかき混ぜ、ぎゅっと絞ったり、振ったりして、刺激を与えることで辛みがでてくる(=「怒る」)というわけです。 そして、わさびの辛みは揮発性。そのままでは飛んでしまいます。このため、味をなじませる間は、しっかりと密閉しておくのが重要なのです。 こうして頂く「花わさび」は、わさび独特の風味が美味しく、ご飯のお供、お酒のおつまみ、そばやうどんの薬味代わりなどにおすすめ。花の部分が春らしくて見た目にも楽しめます。全国的には3月が旬。ぜひ来年…桜開花の予報が出始めたら、この春ならではの“和”のハーブ、を思い出して頂ければ、と思います。

わさびの辛みについて…詳しくはこちら でもご案内しています。