香りのハーブ図鑑

ユーカリ

オーストラリアの森林の80%近くを占めるといわれるユーカリは、コアラの食物としても有名。ユーカリは500種以上あり、
その内コアラの食べる種類は数十種類程に限られるそうです。オーストラリアの先住民族アボリジニも古くから葉を傷の薬として用いてきました。
環境への適応性が高く、乾燥に耐え、成長のスピードが極めて早いのが特長。そのことから、砂漠の緑化に用いられたりもします。
5年ほどで大木になるユーカリの木材は、材木や製紙用のチップにされます。
また、葉から得られる精油の使い道が豊富で商業的にも優秀とされます。

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ユーカリオイルを使った塗布剤

ユーカリの種類は500を越えるといわれていますが、香料として用いられるのは20種類程度です。アロマテラピーでよく使用される精油は、ユーカリ・グロブルス(E.globulus)が主で、ユーカリ・ラディアータ(E.radiata),レモンユーカリ(E.citriodora)なども使われます。
ユーカリ・グロブルスやユーカリ・ラディアータの葉から、水蒸気蒸留によって採られる精油には、殺菌・抗ウイルス・抗炎症・鎮静・鎮痛などの作用があり、アロマテラピーで使われる他、数々の外用薬品(筋肉の軟膏・パップ剤・風邪の外用塗布剤など)やスキンケアの化粧品、シャンプー、清掃用の洗剤・ワックスなどに利用されます。
レモンユーカリは柑橘系の香りがし、シトロネラールという虫除け作用を持つ成分を多く含みます。

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ユーカリの種類

日本には明治時代に導入され、現在ではタスマニアンブルーガムとも呼ばれるEucalyptus globulus種が多く見られます。精油が採取されるのもこの種類です。
花卉としてギンマルバユーカリなどが人気です。葉に強いレモンの香りがあるレモンユーカリからは、香料用の精油が生産されます。ペパーミントに似た香りのペパーミントユーカリも魅力的です。 画像はお花屋さんでおなじみの、ギンマルバユーカリです。

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蒸気吸入&ハーブバス

家庭では、葉を蒸気吸入やお風呂に入れてユーカリの葉の精油分を取り入れてみてはいかがでしょうか?風邪のひき初めや、喉の調子の悪いときにいいでしょう。写真は、ティートゥリー、マートル、ローズマリー、月桂樹と共に、蒸気吸入用のハーブをギフト用に集めたものです。

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ハーブティーになるユーカリ

ユーカリ・グロブルスの葉はハーブティーにもされます。咳、気管支炎、カタルの症状をやわらげるとされますが、毒性も含むためティーでの利用は注意が必要です。ティー用のユーカリを用いた多量・長期の使用は避け、妊娠中、特別な疾患がある場合は避けましょう。
ティー用の乾燥葉も、蒸気吸入に利用できます。

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ユーカリの葉の不思議

ユーカリノキ属の葉は、幼苗の葉や新しい枝につく葉の形と、成長した枝につく葉の形が大きく異なります。たとえばEucalyptus globulusの場合、木の上部につく成長した葉は鎌のような形で、光沢のあるつるつるとした皮のような手触りで濃緑色です。それに比べ、木の下のほうの若い枝につく葉は(または木が小さい頃の葉は)、卵型の先がとがったような形をしていて粉を吹いたような質感で、青みがかったシルバーグリーンです。精油成分は成長した葉により多く含まれるようです。
ところで、青みがかった灰色の幹には樹皮がありますが、それが自然と皮がむけたような状態になり、ひも状にはがれるのも奇妙です。
画像は子供の葉と大人の葉です。

育て方

苗の植え付け
苗は、寒さ、暑さの厳しくない時期に植え付けます。植え付ける場所をなるべく深く柔らかく耕して、堆肥や腐葉土をすきこみ、元肥を施します。
ポイント
大きく育つと移植が困難になるので、小さい苗のうちに植え付ける。
大木になるので、あらかじめスペースを確保。また、大きくなりすぎないように早めの剪定を。
日当たりと肥料
日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
性質は強く、乾燥にも耐えますが、冬期寒さが厳しくなると、種類によっては弱ったり枯れたりすることがあります。レモンユーカリには耐寒性がないので、寒冷地では軒下や室内で越冬が必要です。通年、風の当たらない日当りのいい場所で育てましょう。
水やり
鉢土、または地面がすっかり乾いてから、たっぷりと水やりしましょう。乾燥に強いので、むしろ水のやり過ぎに注意しましょう。
病害虫
病気や虫の被害にはあいにくいようです。うどんこ病にかかることがあります。
収穫・保存
蒸気吸入など、葉の利用には、その都度フレッシュな葉を枝ごと収穫して使うのが一番有効です。剪定などで一度に枝葉を収穫した場合は、
乾燥保存しましょう。