香りのハーブ図鑑

ハーブの人気ナンバーワン、ラベンダー。コモンラベンダーのどこか懐かしいような、甘くすっきりとした花の香りには鎮静作用があり、眠りにつきやすくするといわれます。また香りだけでなく、花の浸出液には鎮静作用、抗菌、殺菌、循環刺激などの作用があります。ハーブティーにする他、ハーブバス、ローションなど外用にも使えて、とても役に立つハーブです。ハーブティーはラベンダー単独よりも、ミント、レモンバーム、レモングラスなど、ハーブティーにしておいしいハーブとブレンドするといいでしょう。ハーブとしての利用用途が多いコモンラベンダー以外にも、フレンチラベンダー、レースラベンダー、交配種(グロッソ他)など、多くの種類があり、花期、花の姿、香りもさまざま。ポプリやリース、押し花などのクラフトにはどのラベンダーも利用OK。

コモンラベンダー

種類

コモンラベンダー以外にも様々な種類があるラベンダーを一部ご紹介しましょう。

スイートラベンダー 
【英名】Sweetlavender 【学名】Lavandula x heterophylla
分類:シソ科ラバンドゥラ属/高さ:50cm~100cm/常緑小低木 開花期:5月~9月/性質:半耐寒性
コモンラベンダー(L. angustifolia)と、フリンジドラベンダー(L. dentata)の交配種とされます。春から夏を中心に不定期に咲く花は、淡い紫色で地味ですが、すっきりとした香りがします。灰緑色の葉には、フリンジ系の特徴である鋸歯が見られます。ドライフラワーやポプリに利用する他、バスハーブにもできます。
*スパイクラベンダー(L.latifolia)と、フリンジドラベンダー(L.dentata)との交配種という説もあります。

スイートラベンダー 

フレンチラベンダーキューレッド
【英名】French lavender 【学名】Lavandula stoechas 'Kew Red '
分類:シソ科ラバンドゥラ属/高さ:20cm~40cm/常緑小低木 /開花期:3月~5月/性質:半耐寒性
フレンチラベンダーの中の一品種。フレンチラベンダーは、ストエカス系ラベンダーとも称されます。主に鑑賞用にされるラベンダーです。「キューレッド」は、ウサギの耳のようなピンク色の苞を持ち、春に赤紫系の愛らしい花を咲かせます。ドライフラワー、ポプリなどに利用できます。

フレンチラベンダー キューレッド

フレンチラベンダー フェアリーウィング
【英名】French lavender 【学名】Lavandula stoechas 'Fairy Wing '
分類:シソ科ラバンドゥラ属/高さ:20cm~40cm/常緑小低木 /開花期:3月~5月/性質:半耐寒性
フレンチラベンダーの中の一品種。紫色の、薄くて長い苞が特徴的で、名前の通り「天使の羽根」のようなかわいい雰囲気。

フレンチラベンダー フェアリーウィング

レースラベンダー
【英名】Fern lavender/Fern leaf lavender 【学名】Lavandula pinnata
分類:シソ科ラバンドゥラ属/高さ:30cm~60cm/常緑小低木 /開花期:3月~9月/性質:非耐寒性
繊細なレースのような葉を持つプテロストエカス系のラベンダーを総称して、レースラベンダーといいます。ラヴァンドゥラ・ピナータによく似た、ラヴァンドゥラ・ムルチフィダという種類も出回っています。春から秋までの四季咲き性で、寒さに弱い性質です。香りは薄く、主に観賞用にされます。

レースラベンダー

香りのハーブ図鑑情報1

用途の多いコモンラベンダー
ハーブとして一番利用されるコモンラベンダーはこんな風に使います。

たくさんの種類の中でコモンラベンダー(別名:イングリッシュラベンダー)が最も一般的です。薬用、ハーブティー、浴用、美容、料理やお菓子の香り付けに使うのは主にこの仲間。ロイヤルパープル、ヒドコートなど多品種あり、園芸店では品種名で売られていることが多いようです。
コモンラベンダーの花から抽出した精油はアロマセラピーに欠かせない精油です。

料理
生または乾燥した花をケーキやクッキーに練り込む。
ゼリーなどスイーツの香り付けに。肉料理の隠し味に。
ハーブティー
ティーとして飲むと、憂鬱、悪寒、頭痛などを和らげるとされます。
*妊娠中はハーブティーの利用は避けましょう。
ホームメードスキンケア
ラベンダーの花の侵出液はスキンローション、ヘアリンス、入浴剤などに。
炎症を鎮める、傷を治す、デオドラントなどの作用が知られています。

用途の多いコモンラベンダー

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ラベンダーアイスクリーム
優雅な香りの漂う、ラベンダー色のロマンチックなアイスクリームを簡単に作ることができます。

ラベンダーの花(ドライorフレッシュ)と、マロウの花びら(ドライ)をすり鉢で粗くすり、柔らかく戻した市販のバニラアイスクリームに混ぜ込むだけの簡単デザート。カリッとローストしたスライスアーモンドを一緒に混ぜ込んで風味と食感を良くしました。

作り方
ラベンダー(乾燥)小さじ2とマロウ(乾燥)3~4個をすり鉢で粗くすり、柔らかく戻したバニラアイスクリーム1個(小さいサイズのもの-120ml程度の量)に混ぜ込み、さらにスライスアーモンド大さじ1を混ぜます。

ラベンダーアイスクリーム

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収穫した花穂でリースに

ラベンダーの花穂を収穫したら・・・、①生のままアレンジメント(生け花)や、リースにする②小束に分けてから吊るして、乾燥させる。その後、ドライフラワーのアレンジメント、リース、ポプリなどに利用する方法があります。

*写真のラベンダーリースは、②の乾燥させたラベンダーの花穂を使いました。
生の花穂を使うと、乾燥に従って花先が曲がってしまいますが、まっすぐに乾燥させてから使うので、きれいに仕上がります。

作り方
1.フレッシュなマートル(ローズマリーなど他のハーブの枝でもOK)の枝をからめ合わせて輪にし、ワイヤーで止めつけてリースにする。
2.あらかじめ小束に分けてワイヤーでくくったドライラベンダーの花穂を、同方向にマートルのリースにワイヤーで結びつける。ラベンダーの小束が長すぎるとリースの輪にそわないので、短い束にするといい。
3.最後にリボンをあしらう。

収穫した花穂でリースに

花期を迎えたラベンダーは初め花穂についたたくさん小さな蕾が閉じていて、やがて一つひとつが開花していきます。ドライフラワーやポプリにするなら、蕾の状態の時に収穫した方が香りも良くきれいに仕上がります。蕾が膨らんで、少し咲き出した頃が収穫時です!
収穫は、花穂をなるべく早く切り取ることが株の生育のために重要です。花茎に葉が10枚くらいついた場所で切り取りましょう。

香りのハーブ図鑑情報4

リラックスサシェ
収穫して乾燥させたラベンダーや、ハーブティー用のドライラベンダーでサシェ作りに挑戦!
作り方
1.好みの布で小さな袋を縫う。
2.袋にドライラベンダーを適量詰め、リボンやひもでしっかりとくくる。
*ラベンダーの花の香りをかぐと神経がリラックスして、眠りにつきやすくしてくれるといいます。洋服の引き出しに入れる、イライラするときにかぐ、枕のそばにおいて安眠に・・・、などいろいろに楽しみましょう。

リラックスサシェ

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ジュエリーベッド
お気に入りのジュエリーをそっと寝かせるベッドを作りましょう!

陶器の小皿やピルケースなどにラベンダーの花(ドライ)を入れ、リングやイヤリングなど、お気に入りのジュエリーを入れておきます。はずしたジュエリーにほんのりいい香りがついてうれしい!

*注意:ジュエリーの金属部分が変質してしまう恐れがあるので、長期間密封した状態で使うのは避けましょう。

ジュエリーベッド

育て方

種まき・苗の植え付け
発芽が揃いにくく成長も遅いうえに、香りなどの性質にもばらつきが出やすいので、苗を手に入れて育てるか挿し木が一般的です。
土の種類・肥料・植え付けの場所
水はけの良い小粒の赤玉土を中心に、腐葉土、堆肥、もみ殻くん炭を混ぜ込んだ土がおすすめ。もみ殻くん炭は土を改良し、酸性土壌を中和させるとされます。有機配合肥料を元肥として埋め込みます。
庭植の場合は水はけ、日当たり、通気性の良い場所に植え付けましょう。鉢植えも同様に。
水やり
鉢土または地面がすっかり乾いてから、たっぷりと水やりしましょう。水のやり過ぎは根腐れの原因になりがちです。
病害虫
病気も虫の被害もほとんど心配ありません。
夏越し
夏でも比較的涼しく冬は温暖という地中海沿岸地方に自生するラベンダーは、高温多湿の日本の夏が苦手。春または秋に定植しますが、鉢植えにする場合は素焼き鉢で。
剪定
花の後に葉の上部から10cmぐらいのところで刈り込んでおきます。枝が込み合っている場合は、間引くように剪定。あまり強く刈り込みすぎたり、暑さ寒さの厳しい時期に刈り込んだりすると枯れてしまう場合があるので注意が必要です。
冬越し
コモンラベンダーは屋外で。フレンチ系のラベンダーは寒さの厳しい場所では日当たりの良い軒下に取り込んだ方が安心です。レースラベンダーには耐寒性がないので、暖かい室内に取り込みましょう。