香りのハーブ図鑑

バラには多くの種類がありますが、現代のバラの品種の多くは、花をより豪華に美しくする品種改良の過程でその素晴らしい香気を失ってしまいました。見て愛でるだけでも幸せな気分になるバラの花ですが、できれば、香りのいい種類を育ててハーブとしても利用したいものです。香りと薬効の高いものは、原種に近いバラやオールドローズですが、花の香りが良くて無農薬で育てたものなら、ハーブとしていろいろに利用可能です。花弁には収れん、消炎、強壮などの作用があり、ハーブティーやローションにされます。また花弁から採られる精油はすばらしい香りで高級香水に使われます。

【英名】Rose【学名】Rosa species  バラ科バラ属 / 高さ10〜2m / 落葉性低木またはつる性 / 開花期:主に5~6月、または四季咲き性 / 性質:耐寒性

原種に近いバラの種類

ハーブとして役立てることのできる、原種に近いバラの種類の代表的なものをご紹介します。

アポセカリーローズ
R.gallica officinalis【英名】Apothecary's Rose
ガリカローズの栽培品種。英名のアポセカリ=Apothecaryとは、古い言い方で「薬剤師」という意味です。その名の通り、古代から薬として使われてきた種類。

アポセカリーローズ

センティフォリアローズ
Rosa × centifolia【英名】Centifolia Rose / Cabbage Rose
ガリカローズと他のバラのハイブリッド。英名のキャベジローズとは、中心に向かって包み込むように重なる花弁の花が、まるでキャベツのようだからという意味。ラテン語名のセンティフォリアとは、「100の葉(花弁を指す)」という意味。これも花弁の多さから来ている名前です。さわやかな香りが好まれ、精油は香水原料にされます。

センティフォリアローズ

ダマスクローズ
Rosa x damascena【英名】Damask Rose
ガリカローズと他のバラのハイブリッド。英名のダマスクローズとは、シリアの都市「ダマスカスのバラ」という意味です。素晴らしい香りで精油は香水原料にされます。
※写真は切り取ったダマスクローズとセンティフォリアローズの花です。

ダマスクローズ

ドッグローズ
Rosa canina【英名】Dog Rose
英語では、「ありふれた」というような意味あいで「Dog」という言葉を使います。その名のとおりヨーロッパなどに自生する野バラです。果実はローズヒップと呼ばれ、ビタミンCたっぷりのティーになります。

ドッグローズ

スイートブライア(エグランタイン・ローズ)
Rosa rubiginosa【英名】Sweetbiar
ドッグローズと同様に、ヨーロッパに自生する野バラです。英名のbriarとは、「チクチクする」という意味があり実際、枝に細かく鋭いとげがたくさん生えています。葉に芳香があるのが特徴。果実はローズヒップティーにできます。

スイートブライア(エグランタイン・ローズ)

バラのジュース

華やかな色合いと素晴らしい香りで豊かな気分になり、神経を休め、リラックスさせてくれる「バラのジュース」には、花びらを利用します。レモン汁で発色させるのがポイント!

作り方:下記の要領で甘味をつけたバラのハーブティをいれ、冷ましてから氷を入れたグラスに注ぐ。

バラのハーブティーのいれ方
1.カップ一杯のティーにつき、小さじ2のバラの花びら(ドライ)または、カップ一杯のティーにつき約大さじ1の花びら(無農薬で香りのいいもの)をポットに入れて、沸騰したお湯を注いでふたをし、3~5分待つ。
2.茶こしでこす。レモン汁小さじ1と、砂糖小さじ2を加えて混ぜ合わせるときれいに発色した、甘いバラのティーになる。

バラのジュース

花びらの砂糖がけ 

バラの花びらに、はけや筆で卵白を塗り、グラニュー糖をまぶして乾燥させるホームメードのスイーツです。きらきらと光ってきれいで、食べると砂糖の甘さの中からバラの風味が感じられます。「クリスタライズドローズ」と呼ばれることもあります。
ビンに入れて冷蔵庫に保管すれば,長期間の保存が可能です。アイスクリーム、ケーキ、クッキーに添えたり、紅茶やアイスティー、ジュースなどに浮かべたりしてそのかわいさと風味を味わいましょう。

・作り方はこちら→http://www.sbfoods.co.jp/herbs/back/201005/gardening.html

花びらの砂糖がけ 

バラ染めのスカーフ

バラ染めのスカーフ・・・、と聞いただけでうっとりとするその響き。身につけるとバラのオーラを身にまとったようで、なんだか自信もアップするような気分になります。
染め方は意外に簡単。花びら(乾燥でも生でもOK)を酢でもんで色素を抽出して染めるだけ。バラの美しい色には熱によって色が変化しやすいアントシアン色素が含まれるため、熱を加えない染め方が適します。

・作り方はこちら→http://www.sbfoods.co.jp/herbs/back/200912/enjoy.html

バラ染めのスカーフ

バラのフェイスローション 

バラのティーはフェイスローションにもなります。肌のきめを整えて活力を与え、保湿作用も。ローションは、冷蔵庫で保存して2~3日で使い切る。または製氷皿などで冷凍しておき、解凍して使います。ティーが温かいうちに、はちみつを少量加えると、しっとり度がアップ。

注意事項
顔に試す前に、腕の内側などの皮膚の柔らかいところにつけて一日ほど置き、刺激がおきないか、パッチテストしましょう。安全なハーブでも、個人によってアレルギーを起こすことがあります。

バラのフェイスローション 

育て方

苗の植え付け
新苗(1年生)が4~5月に、大苗(2年生)は11月頃に出回ります。新苗は4月~5月頃植え付け、大苗は11月~2月頃植え付けます。
植え付ける場所をなるべく深く柔らかく耕し、堆肥や腐葉土をすきこみ、元肥も十分に施します。
ハーブとして利用したいなら、原種に近いバラやオールドローズなど、香りのいいバラの苗を手に入れて植え付けましょう。そのようなバラは、虫や病気の被害も比較的受けにくいようです。
日当りと肥料
日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
バラは意外に強く、めったに枯れませんが、日当たりの良い場所で、有機配合肥料など肥料をしっかりやって育てるのが基本です。
水やり
鉢土、または地面がすっかり乾いてから、たっぷりと水やりしましょう。水のやり過ぎは、病気にかかりやすくなる原因になります。
病害虫
チュウレンジバチの幼虫やアブラムシなどの虫が付きやすいのが問題点。虫は小さいうちに、ついている葉ごと取り除きましょう。または、パイベニカなど、毒性の弱いスプレー剤を局所的にまいて早期に駆除することが肝心です。毒性の強い薬やオルトランなど、地中から植物の中に殺虫成分を吸い上げるタイプのものは、ハーブを食用に適さなくしてしまうので避けましょう。
バラは、うどん粉病、黒星病にかかりやすい植物ですが、日当たりと風通しのいい場所で育てると病気にかかりにくくなります。
収穫
飾って楽しむ場合は、2~3割開花した花や、柔らかく開いてきたつぼみを。
ティーやジャム、ローションには、お天気のいい日の午前中に6~8割開いた花を切り取ります。
バラの果実(ローズヒップ)は、秋に赤く色づいた順に穫って、生のうちに、実の中に入っている種と毛を取り除いてから乾燥させます。
保存
バラの花びらはペーパータオルで包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で数日間保存できます。香りが失われてしまうので、なるべく早く使うようにしましょう。
ローズヒップは完全に乾燥させてから、ガラスびんに入れて保存します。