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今月のおいしいハーブ くらしに香りを!ハーブレシピ

【今月のおいしいハーブ】では、毎回1種類の「食べておいしいハーブ」をピックアップして、そのハーブの面白情報や育て方を解説。《10分レシピ》 では今月のハーブを使って簡単にできるおいしいレシピをご紹介します。《お楽しみ応用レシピ》ではクッキングだけでなく今月のハーブで作れる楽しいレシピをご紹介!毎月ひとつずつのおいしいハーブと親しくなれるページです。

心にもお腹にも癒しのカモマイル

無人島に、たった一種類だけハーブの種を持って行けるなら・・・?私は迷うことなくカモマイルを選びます。お腹にやさしくて、スキンケアに使えて、そのかわいい姿で癒してくれそうだから!そんなカモマイルの隠れた魅力に迫ってみましょう。

今月のおいしいハーブ【カモマイル(ジャーマンカモマイル)】

別名:ジャーマンカモミール / 学名:Matricaria recutita / 分類:キク科・シカギク属 / 高さ:草丈30cm〜60cm / 1年草/開花期:3月〜6月 / 性質:耐寒性

か弱い茎に可憐で小さなデイジーのように愛らしい小花のカモマイル。かわいいイメージが先行していますが、実は薬用ハーブとしてとても重要です。頭花がハーブティー、スキンケアなど、さまざまに使われます。花はリンゴを思わせる甘い香り。ジャーマンカモマイルは一年草なので春から夏にかけて花が咲いた後、株は枯れてしまいますが、こぼれ種でも増え広がるたくましいハーブです。

【おいしい10分レシピ】カモマイルのサクサクもちもち米粉クッキー

やさしい香りのカモマイルの花をたっぷり加えて焼き上げた米粉のクッキー。まわりはサクサクしているのに、中心部はもちもちしている不思議な食感が魅力です。カモマイルは消化を助けるハーブなので、少し食べ過ぎても安心!?

材料(直径3cm〜4cmのクッキー約15個分)

Herb&Spice
  • カモマイル ……… ティー用のドライを大さじ2強
食材
  • 米粉 ……… 100g
  • コーンスターチ ……… 15g
  • ベーキングパウダー ……… 3g
  • バター ……… 50g
  • さとうきび糖 ……… 30g
  • 牛乳 ……… 約60cc

材料


作り方

材料の準備
  1. カモマイルの花をすり鉢で細かくすりつぶす。ここから茎や萼などの硬い部分を取り除く。
  2. 米粉、コーンスターチ、ベーキングパウダーを合わせてふるう。バターは室温に戻しておく。
手順
  1. ボウルに室温に戻しておいたバターを入れ、クリーム状になるまですり混ぜる。そこにさとうきび糖を加え、よくすり混ぜる。
  2. 1に準備1と2ですりつぶしたカモマイルとふるっておいた粉類を入れ、さっくりと混ぜ合わせる。
  3. 2に硬さの様子を見ながら牛乳を混ぜ入れ、スプーンで丸めて天板に乗せられるぐらいの硬さにする。
  4. 天板にクッキングシートを敷き、スプーン2本を使って4の生地を丸めながらのせる(柔らかい場合は、スプーンですくって落とす)。全部並べたら、おのおのの生地を平たく押しつぶす。
  5. 170℃に余熱したオーブンで約20分間、うっすらと焼き色が付くまで焼く。

レシピメモ

  • 焼きすぎるとカモマイルの香りが薄れて香ばしさが勝ってしまうので、時間は加減しましょう。
  • 食べる前にオーブンかオーブントースターで軽く温めてもおいしい!

カモマイルの花をすりつぶす

カモマイルの茎を取り除く

バターを練ったところに砂糖を入れる

並べた生地を平たく押しつぶす


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【楽しい応用レシピ】カモマイルとはちみつのシャイニーヘアトリートメント

カモマイルには、優れた消炎作用や保湿作用があるとされ、古くから家庭でスキンケアに利用されてきました。市販のスキンケア化粧品、シャンプー、トリートメント、入浴剤などにもカモマイルが使われています。
ホームメイドのスキンケアの中でも、ヘアトリートメントやリンスに用いるのをおすすめします。髪の毛につやを与えてしっとり保ちながら地肌のコンディションも整えてくれるでしょう。


材料(約2〜3回分)

Herb&Spice
  • カモマイル ……… ジャーマン種の乾燥花を大さじ3
    *フレッシュの場合は、約1/2カップ
食材
  • はちみつ ……… 大さじ4
  • 水 ……… 200ml
  • 不織布パック ……… 1枚

作り方

手順
  1. カモマイルの花を不織布のパックに入れて、こぼれないようにふたの部分を折り返す。このパックを手で軽くもんで中身をつぶす。
  2. 鍋に水を入れ1のパックを浸し、沸騰させたら弱火で10分間煮出す。この時軽くふたをする。
  3. 2の鍋の中でスプーンを使ってパックを絞り、カモマイルの浸出液を作る。
  4. 3の浸出液にはちみつ大さじ4を入れて混ぜ合わせ、さらに弱火でかき混ぜながら、とろりとするまで煮詰める。これでヘアトリートメントのできあがり。殺菌したガラスビンなどにこのヘアトリートメントを入れ、冷蔵庫で保存する。約10日間日持ちする。

レシピメモ

  • シャンプーの後、タオルで髪の毛の水気を軽く拭き取ってからヘアトリートメントを好みの量とり、髪の毛と地肌に付けてなじませる。そのまま10分ほどおき、ぬるま湯で洗い流します。
  • ヘアトリートメントをなじませた後、シャワーキャップをかぶるとより効果的。
  • 洗い流した後は、普段のトリートメントは必要ありません。
  • カモマイルのヘアトリートメントやリンスを続けて使うと、髪の毛の色が若干明るくなり、艶が増すといわれています。

カモマイルを不織布のパックに入れる

袋の上から軽くもんでつぶす

鍋で煮出す

スプーンでしぼる

はちみつを加える


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ハーブおもしろ情報

【情報その1】名前の由来

ローマンカモマイルとジャーマンカモマイルの違いは何ですか?

ジャーマンカモマイルは学名をMatricaria recutitaといい、キク科シカギク属の1年草で、ハーブティーやスキンケアに使われるのは、主にこのハーブです。ヨーロッパ原産の1年草ですが花付きがよく、こぼれ種でもよく増えるので、日本でも野生化しているのを見かけます。耐寒性もあります。
花にはリンゴのような甘く青くさい芳香がありますが、枝葉は香りません。花を縦に切ると断面の中心が空洞になっているのが特徴。

近縁種のローマンカモマイルは、学名をChamaemelum nobileといい、同じキク科ですがカモマイル属の多年草です。ジャーマンカモマイルとほぼ同様に使え薬効もありますが、花付きは少なく花に苦みがあります。花時以外は地面を被うように育つので香りの芝生にしたり敷石の間に植え込んだりと、ガーデニングにもよく利用されます。
花にも葉にも芳香がある種類で、花を縦に切ると断面の中心がつまっているのが特徴です。

画像は、左がジャーマンカモマイルの乾燥花、右がローマンカモマイル(八重花)の乾燥花です。

ちなみに・・・、こんなカモマイルもあります。
ダイヤーズカモマイルは学名をAnthemis tinctoriaといい、キク科ローマカミツレ属の多年草です。別種ですが、花がカモマイルに似た形なので、その名が付けられました。「染物屋のカモマイル」という意味です。黄色い花が染め物に使われますが薬用、食用にはされません。

【情報その2】似ている名前の違う植物

カモマイルから精油は採れますか?どのような特徴があるのでしょう?

カモマイルの精油には、ジャーマンカモマイルの花から採られる精油と、ローマンカモマイルの花から採られる精油があります。
ジャーマンカモマイルの精油は、色が濃い青色のアズレン(カマズレン)という物質を多く含むことから、濃い青色です。エタノールで薄めると透明感のある青色になります。
甘みと苦味の混じった濃厚な香りがします。アズレンには抗炎症、鎮静作用があるので、肌の状態をよくするマッサージオイルやアレルギー症状の緩和などに用いられます。

ローマンカモマイルの精油は色が薄い黄色で、リンゴを思わせる甘く新鮮な香りがします。アロマランプやディフューザーで香らせたり、やさしい香りで眠りにつきやすくします。

【情報その3】カレンダーみたいな花

ドイツで「お母さんのハーブ」といわれるわけは?

ヨーロッパでは風邪のひき初めや消化不良気味のときに、お母さんがカモマイルのハーブティーを飲ませてくれることがよくあるそうです。そのように昔から家庭でハーバルメディスン(民間薬)として使われて来たので、「お母さんのハーブ」と呼ばれるのでしょう。
ちなみに、属名のマトリカリアには、“子宮”という意味があります。中国でも、「母菊」と呼ばれるそうです。

*ピーターラビットのエピソード

英国の絵本、『ピーターラビット』のお話の中で、ピーターが隣の畑のラディッシュを食べ過ぎて気分が悪くなった晩、お母さんがピーターにスプーン一杯のカモマイルティーを飲ませるシーンがあります。消化を助けたり、気分を落ち着かせたりするカモマイルの力をお母さんは知っていたんですね。
そこでお母さんのレシピを2つ紹介しましょう。

《お母さんのレシピ1-カモマイルのハーブティー》

頭花はフレッシュ(生)でもドライ(乾燥)でもやさしい香りの、おいしいハーブティーにできます。心を鎮め、消化を助け、身体を温めるといわれています。フレッシュはリンゴのような香りで特においしい!ドライには、乾燥や蒸留の過程で生成される、抗炎症作用を持つアズレンが多く含まれるのが特長です。
注意:妊娠中はカモマイルティーの服用を避けましょう。

《お母さんのレシピ2-カモマイルの化粧水》

濃く出した花のティーにハチミツを少量加えると肌のしっとりする化粧水になり、髪の毛につやを与えるリンスとしても使えます。また乾燥花をお茶用の不織布の袋に入れてお風呂に入れると、体が温まるハーブバスが楽しめます。

【情報その4】日本にもあったなんて!

カモミール?カモマイル?

カモマイルを英語で書くと、” Chamomile”。これを、英語圏では「カモマイル」と発音することが多いようです。一方フランスでは、Camomilleと書き、「カモミーユ」と発音します。日本では英語読みとフランス語(風)読みの両方使われていますね。どちらでもいいと思いますが、『とっておきのハーブ生活』では、「カモマイル」と読んでいます。

【情報その5】やさしい手作りカレンデュラローション

日本語の「カミツレ」のミステリーって?

子供の頃読んだ外国の童話の中に、「カミツレ」という花がでてきました。なんとなくクラッシックな響きのこの言葉から、「どんな花なのかなあ?」と想像していたのを思い出します。大人になってハーブを育てて初めてカモマイルの花を見て、これがあの「カミツレ」とわかった時のうれしさ!・・・今の子供だったら、インターネット簡単に画像検索できるので、そんな喜びを味合うことも少ないかも。
ところで、「カミツレ」って変な言葉ですよね?これは、どのようないわれがあるのでしょう?

《謎解き その1》

カモマイルがドイツ語で「Kamille(カミッレのように発音)」であることから、「カミッレ」と書くところを、どこかで書き間違えて大きい「ツ」にしてしまい、「カミツレ」にしてしまったという説です。

《謎解き その2》

カモマイルがオランダ語で「Kamille (カミルレ、またはカミレ、のように発音)」といい、それを当て字で「加密児列(カミルレと読む)」と書いたことから、「加密列(カミツレと読む)」になったという説です。

さて、どちらが本当でしょうね??

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種まき

ジャーマンカモマイルは一年草なので、種まきをおすすめします。ただし、2年目からはこぼれ種で発芽して増え広がることが多いので便利です。最後の花が終わったあと、すぐに抜き取らずに種を落とすようにすると、時期が来たら自然に発芽するたくましいハーブです。プランターの中でも自然発芽します。
種をまいたあとは発芽しやすく、その後の管理も簡単。直まきにして間引きながら育てるか、プランターにまいて、間引いた小苗を庭や他の鉢に移植してもOK。
春まきにするとすぐに花が咲いてしまい、収穫期間が短くなってしまうので、秋まきか、2月頃に室内で種まきをして暖かくなってから戸外に出すと長く収穫できます。

苗の植え付け

購入した苗は温室で栽培されていることもあり、寒さに弱いおそれがあるので、霜の心配がなくなってから戸外に植えましょう。土は柔らかく保水性のある肥えた土を。腐葉土を多く漉き込むといいでしょう。
密植すると風通しが悪くなりアブラムシの被害を受けやすいので、なるべく株間をとり日当たりの良いジメジメしない場所で育てましょう。

摘芯

苗が15cmぐらいに育ったところで、苗の中心を切り取る「摘芯」を行うと枝分かれして、がっしりとした株に育ちます。たくさん枝が出たほうが花付きも良くなります。

花期、花柄摘み

2月下旬頃から7月頃にかけて、休みなく開花します。苗を大きく丈夫に育てると夏期も長くなります。
花摘みや花柄摘みをまめにするのも、長く収穫する秘訣です。種をたくさん付けてしまうと早く枯れてしまうので、収穫を続けるのも大切!

水やり

乾燥には弱いので、水切れをおこさないように。鉢植えにする場合は生育が旺盛なので、大きめの鉢に植えましょう。

冬越し

秋まきにした苗は戸外で冬越しができますが、寒さの強い地方では軒下で管理すると確実です。

*ワンポイント

アブラムシの被害にあいやすいハーブです。晴れた日にアブラムシにスプレーで牛乳をかけると、呼吸口が牛乳の膜でふさがれ窒息するので駆除することができます。あとはシャワーで流しておきましょう。

収穫方法

開花後2〜3日して、花びらと花床が充実したぐらいが摘み時。花びらが反り返って花床が大きくなったものは、育ちすぎ。晴れた日の午前中に一輪一輪、頭花のみをはさみで切って摘み取ります。花を摘み取ったあと、茎だけになったら、その部分を剪定し新枝を出させましょう。

保存方法

摘んだ花は目の粗いざるに入れ、ボウルに水を張って水をかけながらやさしく振り洗いをする。水気をよく拭き取り、ペーパータオルを敷いたざるの上などで乾燥させます。すっかり乾燥したら密閉瓶に入れて冷暗所で保存。冷蔵庫なら色も香りも変わりにくく安心。
または水気をとった後、フリーザーバッグに入れて冷凍すると1~2ヶ月間保存でき、冷凍のままハーブティーなどに使えます。冷凍保存なら、フレッシュハーブティーの味わいのまま飲めるのでこれもおすすめ!

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【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【制作協力】吉田雅紀子