【今月のおいしいハーブ】では、毎回1種類の「食べておいしいハーブ」をピックアップして、そのハーブの面白情報や育て方を解説。《10分レシピ》 では今月のハーブを使って簡単にできるおいしいレシピをご紹介します。《お楽しみ応用レシピ》ではクッキングだけでなく今月のハーブで作れる楽しいレシピをご紹介!毎月ひとつずつのおいしいハーブと親しくなれるページです。
カレンデュラは別名ポットマリーゴールド。日本では「きんせんか」という名で、観賞用の花として親しまれています。実は素晴らしい力を秘めたハーブ、カレンデュラの魅力に迫ります!
別名:ポットマリーゴールド / 学名:Calendula officinalis / 分類:キク科・キンセンカ属 / 高さ:草丈30cm〜50cm / 1年草/開花期:2月〜5月 / 性質:半耐寒性
日本ではキンセンカという名で親しまれているポットマリーゴールドは、早春から咲き始め、花期が長く育てやすいので花壇の花に最適。一重と八重花があり、花色も濃いオレンジから黄色がかった色合いまでバリエーションがあります。
ポットマリーゴールドという呼び名も一般的ですが、ヨーロッパではカレンデュラとも呼ばれ、古代ローマ時代から花や葉が料理や薬用に利用されてきました。ローション、クリーム、シャンプー、練り歯みがきなどに幅広く使われています。
ほんのり甘みのある花びらは生のままサラダに散らしたり、ケーキに焼き込んだりするときれいな色合いでおいしい!市販のケーキミックスを使ったり、ホットケーキのたねに混ぜ入れて焼くだけでも楽しめます。
花弁のティーには収れん、殺菌、消炎作用があり、消化不良などの症状を和らげるとされます。生でも乾燥でも利用可能。葉もハーブティーにできます。ティーはまた肌の調子を整えるスキンローションや、地肌を健康にするヘアリンスに用いることができます。
*妊娠中はティーの服用を避けましょう。
普段あまり料理に使うことのないカレンデュラとオートミールですが、どちらもくせの無い味と香り、しかも身体にとってもいいのでスープにしたらおいしいに違いない!と直感して作ってみたスープ。思ったとおり、優しい優しいお味で食べると身体も心も癒されるようです。
※フレッシュ(生)のハーブはS&Bでも取り扱っています。

コンソメスープの中に材料全部を入れる

柔らかくなったところにカレンデュラを入れる

チャイブとチャービルのみじん切りをトッピングする
食用菊が出回る季節になると、同じキク科同士の春菊と食用菊の花びらでおひたしを作ります。それならくせのない味のカレンデュラの花びらを使ってもいいのでは?とあるとき思い立って、生の花びらでおひたしを作ったら大成功!今回はきれいな色が残っているカレンデュラの乾燥花(ハーブティー用)を使いました。これなら年中使えて便利ですね。

くるみをローストする

カレンデュラをさっとゆがく

湯にオリーブオイルを入れる

春菊を茎から入れる。後で葉も入れる
ポットマリーゴールドのポットとは?
アメリカやイギリスで、葉、茎、花などを食用や香味料にする植物全般を「ポットハーブ」(pot herb またはpotherb)と呼びます。このことから、カレンデュラの別名であるポットマリーゴールドという呼び名も、食用になるマリーゴールドという意味を持っていると思われます。名前に「ポット」と付く場合は、「鉢植えに適した小型の」というような意味を持つ場合もありますので、あるいはそのような意味も含んでいるかも知れません。
どちらにしても、別の植物である秋に咲くマンジュギク属のフレンチマリーゴールドやアフリカンマリーゴールドと区別する目的もあると思います。
またマリーゴールドには、「聖母マリアの黄金」という意味もあるといわれています。
秋のマリーゴールドとの違いは?
マリーゴールドには大きく分けて、食用ハーブとして使うキンセンカ属の「カレンデュラ(ポットマリーゴールド)」と、独特の香りがあり、主に観賞用にされるマンジュギク属(タゲテス属またはコウオウソウ属とされることもある)の「マリーゴールド」があります。どちらもキク科の植物ですが全くの別種です。ポットマリーゴールド(カレンデュラ)を単にマリーゴールドと呼ぶ人がいるので、時に混同されることがあるようです。
単にマリーゴールドという時は、南米原産のマンジュギク属のマリーゴールドを指します。マンジュギク属の「マリーゴールド」には、フレンチマリーゴールド、アフリカンマリーゴールド、ミントマリーゴールド、メキシカンマリーゴールド、レモンマリーゴールドなどがあります。
*写真はメキシカンタラゴンとも呼ばれるミントマリーゴールドです。タラゴンを甘くしたような香りがあり、料理の香りづけに使えます。レモンマリーゴールドも同様に使えます。
カレンデュラの語源は?
学名の「Calendula officinalis」は、“薬用のカレンデュラ”という意味です。属名のCalendulaは、ラテン語で《月の最初の日、一ヶ月間》などの意味を持ち、「カレンダー」の語源でもある「calendae」が語源になっています。花期が長い事から来ているといわれています。
ポットマリーゴールドと呼ばれることも多いカレンデュラですが、秋咲きのマンジュギク属のマリーゴールドと区別する意味からも、カレンデュラと呼ぶのがよりふさわしいのではないでしょうか。
日本のキンセンカと同じ植物?
日本で「キンセンカ」と呼ばれるカレンデュラ。キンセンカは金盞花と表されます。「盞(さかづき)の形をした金色の花」という意味があるそうです。日本には江戸時代頃に中国から渡来したと言われています。花が春から数ヶ月に渡って咲くことから「長春花」とも呼ばれていたそうです。
一般的にはお仏壇の花、お供え花としての印象がありますが、それも昔は仏壇に供える花を庭先で育てることが多く、花期が長く花持ちもいいキンセンカは便利だったからではないかと思われます。
ちなみに花言葉は、「悲嘆」「悲しい別れ」など。明るいかわいい花なのになぜでしょうか?お仏壇の花という日本での使われ方に合っているのが不思議です。
カレンデュラのローションの作り方と使い方は?
殺菌作用、抗真菌作用、炎症を鎮め傷を治す作用などが知られるカレンデュラは、ティーとして飲んでも外用としても役立つハーブです。欧米ではカレンデュラのスキンケア用品(ローション、クリーム、シャンプー,リンスなど)が市販されています。手作りも簡単なので、お試しください。
作り方は簡単です。
カップに入れた大さじ2の生の花びら、乾燥花なら大さじ1に約100ccの沸騰した湯を注いでかき混ぜ、ふたをして冷めるまで置いて茶こしで濾しとる。
次にその浸出液に小さじ1のハチミツを加えて良く溶かすだけです。
できあがったら、消毒したガラス瓶に移して冷蔵庫で保存します(3〜4日)。または製氷皿でアイスキューブにしてジッパー袋などに入れて冷凍保存します。使用時に1個ずつ解凍して使います。洗顔後にコットンで肌につけ、後水で軽くすすぎましょう。
*肌に合わない場合は、使用を中止してください。
一年草で、早春から開花するため、種をまく時は秋まきにしたほうが長く花を楽しめます。
苗は秋から早春にかけてプランターや鉢に苗を植え付け、寒さが和らぐ3月頃までは軒下で育てると早春から花を楽しめます。
密植すると風通しが悪くなって病気にかかりやすくなるので、風通しと日当りのいいところに置いておきます。油かすなどの窒素肥料が多いと、葉が茂りすぎてうどん粉病にかかりやすいようです。
肥えた湿り気のある土で、水はけのいい場所に植えましょう。水やりは土の跳ね返りに気をつけながら(葉や花につくと病気にかかりやすい)、乾いたらたっぷりと与えましょう。
乾燥するとハダニがつくことがあるので、時々じょうろなどで葉水をかけるといいでしょう。
肥料は植え付け時に土に有機配合肥料の元肥を混ぜ込み、花期には薄めた液肥を与えるといいでしょう。窒素分が多い肥料は花付きが悪くなるので、窒素・リン酸・カリのバランスが同等程度の肥料を使うようにしましょう。
カレンデュラは日当りを好みます。日当たりが悪いと花付きが悪くなり、うどん粉病などにかかりやすくなります。
一年草で早春から晩春にかけて開花・結実するので、夏には枯れてしまっている事がほとんどです。
霜に当たると葉が傷んで黄色くなるので、寒さの厳しい地方では日当たりの良い軒下やベランダで管理しましょう。市販の苗を地植えにする場合、寒さの厳しい季節は軒下で管理し、暖かくなってから定植するのをおすすめします。
花は、開花して2〜3日以内の充実した状態のものを頭花のみ切り取ります。
葉は使用の都度摘むか、剪定を兼ねて、枝ごと切り取って使います。
生の花と葉は、冷蔵庫の野菜室で数日間保存できます。
葉は肉厚なため、乾燥にはあまり適しません。花は花びらをむしってペーパータオルの上などに広げ、室内の乾燥した場所におけば、速やかに乾燥できます。カラカラに乾いたら、ガラス瓶やジッパー袋に入れて涼しくて日の当たらない場所(冷蔵庫がベスト)で保存しましょう。日の当たる場所におくと、すぐに退色してしまいます。
【文・スタイリング・制作】榊田千佳子【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【料理アシスタント】吉田雅紀子・吉川和美