【今月のおいしいハーブ】では、毎回1種類の「食べておいしいハーブ」をピックアップして、そのハーブの面白情報や育て方を解説。《10分レシピ》 では今月のハーブを使って簡単にできるおいしいレシピをご紹介します。《お楽しみ応用レシピ》ではクッキングだけでなく今月のハーブで作れる楽しいレシピをご紹介!毎月ひとつずつのおいしいハーブと親しくなれるページです。
コモンセージの学名 Saliva officinalis はラテン語のSalvere(救う)またはSalvare(救う・治療する)に派生しているということ。その名の通り、薬用に食用に「救う」力を発揮するコモンセージを取り上げました。
【英名】Common Sage【学名】/ Salvia officinalis/分類:シソ科・サルビア属/高さ:草丈40〜60cm/常緑低木/開花期:6月〜7月/性質:耐寒性
世界中に広く分布し、薬効のある種類、花が美しく鑑賞的価値が高い種類などサルビア属の植物は仲間が多く、なかでもコモンセージは殺菌作用が高いことが知られ、薬用にされる他、料理に使うとシンプルな味に深みを加え消化も助ける利用価値の高いセージです。ハーブとしての利用は、このコモンセージとコモンセージの仲間がほとんど。コモンセージの色変わり葉のゴールデンセージ、トリコロールセージ、レッドセージ(パープルセージ)も同様に利用できます。
*その他チェリーセージ、パイナップルセージ、メキシカンブッシュセージ、ラベンダーセージ、ボックセージ、サルビア・ガラニティカ、サルビア・ディスコ ロールなど、花が美しく全草に芳香がする観賞用のサルビア類が、園芸店に多数出回っています。花期が長く、育てやすいので庭の彩りにぴったり。
「フリッター」とは軽い衣の揚げ物のことで、洋風天ぷらといった感じ。衣自体に味をつけたり、ふわっと膨らませるためにベーキングパウダーを入れることもあります。セージは香りが強いハーブですが、フリッターにするとその香りがソフトになってとてもおいしい!焼いたハムとパイナップルを一緒にピンチョス仕立てにしてみました。

セージに衣をつける

からっと揚げる

粉砂糖をふる
酢は天然の抗菌剤。そのままでも使えますが、抗菌作用の強いセージの葉のエキスを溶け込ませればパワーアップ!セージビネガーは、サラダドレッシングに使ったり、はちみつを多くして作りセージビネガードリンクに。どちらもおいしくてヘルシーです。
今回は簡単に鍋で煮出す方法と、1ヶ月ほど瓶に漬け込む方法の二通りをお伝えします。どちらも効能はそれほど変わらないと思いますが、煮出す方法は強火で煮立てすぎると精油分が揮発してしまう恐れがありますので注意を。

セージをビンに一ヶ月漬ける

小鍋でセージを煮る

うがい用に薄める
コモンセージにも花は咲きますか?利用法はありますか?
観賞用セージほど見栄えはしませんが、澄んだ青紫色のサルビア属らしい花が咲きます。セージの花はセージの葉をマイルドにしたような香りと風味があります。エディブルフラワーとしてサラダや冷たいスープ、飲み物に散らして楽しみましょう。花の萼の部分は食感が悪く苦みもあるので、花びらの部分だけを萼から抜き取るようにして使うといいですよ。ほんのり甘みもあっておいしい花です!
コモンセージにはいろいろ仲間があると聞きました。
どのように違いますか?利用法の違いは?
姿・形はほとんど一緒です。写真の寄せ植えは4種類のコモン系のセージを寄せ植えしたものです。手前左から、「パープルセージ(レッドセージ)」「ゴールデンセージ」「コモンセージ(ガーデンセージ)」「トリコロールセージ」の順に植えてあります。薬効や利用法も一緒ですが、パープルセージ(レッドセージ)は赤紫色の色素を含むので酢に漬けるとビネガー液がピンクがかった赤に発色してとてもきれいです。
イギリスにあるセージのチーズはどのようなものですか?日本でも買えますか?
「セージダービー」という名前で売られています。緑の大理石のような模様のついたセミハードタイプのチーズです。見かけはちょっとぎょっとする感じですが、お味はマイルドでおいしいですよ!ビスケットやパンと合わせて赤ワインなどどうでしょう?チーズ専門店やインターネットで手に入ります。
セージのはちみつというのは、セージの花からミツバチが集めたものですか?
セージのはちみつには2種類あります。セージの花からミツバチが集めたものと、セージの葉をはちみつに漬けこんだものです。殺菌・抗菌力はセージの葉を漬けこんだもののほうが強いのではないかと思います。でも、セージの花から採られたはちみつはマイルドですばらしい風味。天然の良さがあります。どちらも試してみてはいかがですか?
コモンセージは薬用になると聞きましたが、ハーブティーにできますか?
コモンセージは抗菌・殺菌作用が強く、葉のティーは神経と消化器官の強壮になるとされますが、多量または長期に渡って服用しないようにしましょう。セージを漬けたはちみつを代わりに使うのもおすすめです。ティーは飲むだけでなく、のどの痛みや口内炎のうがい薬にもなるので、試してみてくださいね!
セージのハーブティーは、妊娠中は服用しないでください。
発芽が揃いにくく成長も遅い上に、香りなどの性質にもバラつきがでやすいので、苗を手に入れて育てるか挿し木が適当。
鉢植えにする場合は素焼き鉢で、水はけの良い小粒の赤玉土を中心に腐葉土、堆肥、もみ殻くん炭を混ぜ込んだ土を使うといいでしょう。もみ殻くん炭は酸性土壌を中和させ、有用微生物を増やし土を改良させるとされます。
*日当り、風通しのいい場所で育てましょう。
元肥に有機配合肥料を埋め込んでおきます。あとは植え替え時や選定時に同様に土に混ぜ込みます。
多湿に弱いので水やりは控えめに。土の表面がすっかり乾いてから、たっぷりやるようにしましょう。
6月〜9月頃に新しい枝先を15cmほどの長さで切り取り、上から1/3を残して葉を取り除く。小粒の赤玉土を水で湿らせたところに茎の半分くらいを斜めに差し込み、まわりの土を押さえておく。1ヶ月ほどで根付く。
生の葉:ペーパータオルでくるみ、ビニール袋に入れて野菜室に。3〜4日は保存可能。または洗って水気をふき取り、ジッパー袋などに入れて冷凍保存。
乾燥:洗って水気をふき取った後に、ザルや紙箱にペーパータオルを敷いた上に広げて、室内のなるべく風通しのいい場所で乾燥させましょう。カリカリに乾燥したらセロファン袋やガラスビンなどにいれて冷暗所で保存。
毎年早春に株元を約10cm残して古い枝を切り取り、新しい枝を出させて株を更新させると元気に育ちます。鉢植えは年一回の植え替えを。花を見たい場合は、株の形を整える程度の剪定で育てると花付きがよくなります。開花後なるべく早く、株元を1/4残して剪定しましょう。
夏でも比較的涼しく冬は温暖という地中海沿岸地方に自生するコモンセージは、高温多湿の日本の夏が苦手。水はけのよい土作りをして、日当たり、通気性の良い場所で育てましょう。
素焼き鉢に植えて梅雨時は軒下に取りこんだり、真夏は涼しい半日陰に移動したりするのもいいでしょう。コモンセージは屋外で越冬できます。雪の多い地方では、積雪で枝が折れることがあります。
コモンセージと香りも薬効も似ていて同様に利用できるブロードリーフセージは、性質が強くめったに枯れないので栽培しやすい。
【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【制作協力】吉田雅紀子、吉川和美