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今月のおいしいハーブ くらしに香りを!ハーブレシピ

【今月のおいしいハーブ】では、毎回1種類の「食べておいしいハーブ」をピックアップして、そのハーブの面白情報や育て方を解説。《10分レシピ》 では今月のハーブを使って簡単にできるおいしいレシピをご紹介します。《お楽しみ応用レシピ》ではクッキングだけでなく今月のハーブで作れる楽しいレシピをご紹介!毎月ひとつずつのおいしいハーブと親しくなれるページです。

ちょっと個性派の名脇役タラゴン

ハーブ初心者にはなじみやすいとはいえないハーブですが、一度その風味に慣れるとファンになるタラゴン。甘みと酸味を感じる風味が魚介類やチーズなどによく合います!そんなタラゴンをもっと身近に感じるレシピをご紹介しましょう。

今月のおいしいハーブ【タラゴン】

【英名】Tarragon【別名】エストラゴン(仏) / フレンチタラゴン【学名】Artemisia dracunculus var.sativa / 分類:キク科・ヨモギ属 / 高さ:草丈約50cm / 多年草/開花期:5〜7月 / 性質:耐寒性

アニスやフェンネルに似た香りと、甘みの中にピリッとした辛みのある風味が特徴的。フランス料理に欠かせないハーブで、フィーヌゼルブ の材料にもされます。香りが失われてしまうため乾燥保存には向きませんが、葉は洗って刻みフリージング(冷凍保存)するといいでしょう。
タラゴンを酢に漬け込んだタラゴンビネガーもおいしい。消化を助け、利尿作用なども知られています。

【おいしい10分レシピ】ポークピカタ/タラゴン風味

ピカタ(伊:piccata)はイタリア料理の一種で、薄切り肉などに下味をつけて小麦粉をまぶし、パルメザンチーズをまぜこんだ卵液をからませてソテーしたものです。パサパサとした食感になりがちな薄切り肉をおいしく食べる調理法です。
タラゴンのみじん切りを下味に付け、仕上げに葉をそのままのせて焼き、2段重ねのタラゴン風味にしました。

材料(2人分)

Herb&Spice
  • タラゴン ……… 15g(約1パック15枝程度)

フレッシュ(生)のハーブS&Bでも取り扱っています。

食材
  • 豚ロースしょうが焼き用 ……… 6枚(150g)
  • 小麦粉 ……… 大さじ1
  • 塩・こしょう ……… 少々
  • 卵 ……… 中2個(塩ふたつまみを混ぜ合わせる)
  • オリーブオイル ……… 大さじ2

材料


作り方

材料の準備
  1. タラゴンの葉は枝からはずし、3分の1はそのままにして、3分の2は粗みじん切りにする。
  2. 豚肉は筋を包丁の先で切り、ガラス瓶などで軽くたたき、塩・こしょうを片面に軽くふる。ボウルに卵を割り入れ、塩を加えてよく溶きほぐす。
手順
  1. 準備2の豚肉の上に準備1でみじん切りにしたタラゴンを振りかけ、手で押して肉になじませる。
  2. 1の上から茶こしで小麦粉を(両面に)まんべんなく振り、手でなじませる。
  3. 2の豚肉を準備2の卵液につけ、熱したフライパンにオリーブオイルをしいたところに、みじん切りのタラゴンを振った側を下にして、中火の弱火で焼く。
  4. 焼いている面がきつね色に焼けたらひっくり返し、焼けた面に残しておいたそのままの葉のタラゴンを均等(6等分しておくといい)に散らし、その上から卵液を少量かける。裏面が焼けたらもう一度返し、後からのせたタラゴンと卵液にさっと火を通す。
    タラゴンの葉を仕上げにあしらう場合は、その分をとっておく。

レシピメモ

  • タラゴンの葉は滑りやすく肉にからみにくいので、小麦粉を振る前にしっかりとなじませるように付けるとなおいい。
  • 仕上げのタラゴンはお好み焼きの要領で、上から卵液をかけてから焼いて定着させましょう。

タラゴンの葉をはずす

豚肉の筋を切ってたたく

豚肉にタラゴン、小麦粉をまぶす

卵液をつける

フライパンで焼く


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【楽しい応用レシピ】とっておきタラゴンビネガーを使ったフレンチバンバンジー

タラゴンのおいしさを最も生かせるのが「タラゴンビネガー」。タラゴンを酢に漬け込むだけですが、1~2週間もおくと、甘みと旨味を感じる素晴らしい味になります。
でも、タラゴンビネガーをすぐ使いたいときには、こんなインスタントな方法があるのです!出来上がったタラゴンビネガーを使って、フレンチ風のバンバンジーを作りました!

材料(3〜4人分)

Herb&Spice
  • タラゴン ……… 15g(約1パック)

フレッシュ(生)のハーブS&Bでも取り扱っています。

食材
  • 醸造酢 ……… 約1カップ(ここでは米酢を使用)
  • 鶏胸肉 ……… 350g
  • 白ワイン ……… 100cc
  • きゅうり ……… 1本(100g)
  • 白ネギ ……… 1/2本(20cm/50g)
  • トマト ……… 中1個(140g)
  • 塩・こしょう ……… 少々
《バンバンジーのたれ》
  • タラゴンビネガー ……… 大さじ2
  • さとうきび糖 ……… 大さじ1と 1/2
  • しょうゆ ……… 大さじ1
  • 練りごま ……… 大さじ2

材料


作り方

材料の準備
  1. インスタントタラゴンビネガーを作ります。タラゴンは洗って水気を拭き取り、一枝を仕上げのあしらい用にとりおき、残りをトースターで表面の色が変わってくるまであぶる(焦がさないように注意)。
  2. タラゴンをガラス瓶に入れ、上からタラゴンがすっかりかぶるまで酢をそそぐ。ふたをして振りまぜ、最低2〜3時間漬け込む。
  3. 蒸し鶏の準備をします。鶏胸肉は皮付きのまま塩・こしょうを振りかけ、容器に入れて白ワインをまわしかけ、皮を上にして湯気の上がった蒸し器に入れて約10分蒸し、そのまま冷めるまで蒸し器に入れておく。冷めたら皮をはずし、手で細かく裂く。
手順
  1. きゅうりは千切りにする。白ねぎは細かい千切りにしてさっと水に放ってからペパータオルなどで水気をとる。トマトは薄切りまたは角切りにする。
  2. バンバンジーのたれの材料をよく混ぜ合わせる。
  3. 皿に1をふんわりと盛り合わせ、裂いておいた蒸し鶏をのせてタラゴンを散らす。
  4. たれをたっぷりかけて出来上がり。

レシピメモ

  • たれに唐辛子粉(チリーペッパー)を振りかけると、ぴりっとしてまた違った風味になっておいしい!

トースターであぶる

タラゴンを酢に漬け込む

蒸し鶏を細かく裂く

練りゴマと混ぜ合わせてソースを作る


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ハーブおもしろ情報

【情報その1】ロシアンとフレンチ

タラゴンにはフレンチタラゴンとロシアンタラゴンがあると聞きましたが、
どう違うのでしょうか?

ロシアンタラゴンA. dracunculoidesは生育が旺盛な多年草で、フレンチタラゴンの2倍ほどの大きさに育ちますが、タラゴンの特徴である風味がほとんどなく、食用としてはおすすめできません。でもきらきらと日に光る葉と、強いけれど繊細な姿はハーブガーデンに植えると素敵です。
一方フレンチタラゴンは、フランス産というわけではなくて、シベリアが原産です。なかなか気難しいハーブで、大きく茂らせることは困難なハーブでもあります。それでもその香りと味わいは他のハーブでは代用がきかないものなので、ぜひ一鉢でも育てたいハーブです。

【情報その2】葉を繁らせるコツ

タラゴンの葉を茂らせてどんどん収穫したいのですが、コツはありますか?

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タラゴンを茂らせるのはプロの生産者でも難しいと言われています。その理由のひとつは日本の高温多湿の夏にもあります。なるべく風通しのいい場所で、水はけのよい土作りをして育てましょう。夏期には弱りがちなので、やわらかい肥えた土に植え、肥料も十分与えて春から初夏までにしっかりとした株に育てて収穫をしてしまうのがいいでしょう。
寒さには強いので、冬期は屋外で寒さにしっかりと当てることで春の萌芽が促されるようです。

【情報その3】フランス名と英語名

タラゴンとエストラゴンは同じものですか?

はい!タラゴン‘Tarragon’は、英語名で、エストラゴン ‘Estragon’はフランス語です。日本で最初に広まった西洋料理はフランス料理なので、今でも料理用語としてはタラゴンよりエストラゴンの方が使われていたりします。ちなみにイタリア語では、エストラゴン‘Estragone’または ドラゴンチェロ ‘Dragoncello’と呼ばれるそうです。

【情報その4】フランス名の由来

タラゴンはフランス語でエストラゴンと呼ばれるようですが、
その変わった響きの名の由来はなんですか?

フランス語で、エストラゴンは「小さいドラゴン」という意味だそうです。またラテン語名の ‘dracunculus’は、細く尖った葉がドラゴンの牙に似ていて、くねくねと曲がった根が蛇を思わせるということに由来しているそうです。
古くからギリシアなどで薬草として使われていましたが、ヒポクラテスは毒蛇に噛まれた時の治療に使っていたそうです。その形と名前からの連想ではないでしょうか。

【情報その5】タラゴン風味のマリーゴールド

マリーゴールドに似たハーブで「メキシカンタラゴン」と呼ばれるものがありますが、
これはタラゴンの仲間ですか?

そのハーブは別名ミントマリーゴールドまたは、スイートマリーゴールドとも呼ばれています。キク科マンジュギク属のメキシコを原産とする多年草の植物で、フレンチマリーゴールドの近縁種です。さらにウィンタータラゴンとも呼ばれ、タラゴンに似た香りの葉と花を料理の香りづけやポプリに利用します。
通称名は似ていますが、ポットマリーゴールド(キンセンカ=カレンデュラ)とは異なる植物です。マンジュギク属の植物の根から分泌される成分は、植物全般、じゃがいも、にんじん、バラ、トマトなどに対し、土中のネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウなどを防ぐとされるので、コンパニオンプランツとして植えられることもあります。

*ミントマリーゴールドは、こちらのバックナンバーでくわしく解説しています。
ハーブ生活2005 vol.2

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種まき/苗の植え付け

ロシアンタラゴンは種から育てることができますが、フレンチタラゴンはまれに開花しても種を結ばないので、種まきはできません。
苗を植えるなら、秋か春に。屋外への定植は5月に入って遅霜の心配がなくなってから、日向〜半日陰に植えましょう。

肥料

肥沃で水はけの良い土に有機配合肥料などの元肥を埋め込んで定植。生育期は2週間に1回ほどごく薄い液肥を与えましょう。フレンチタラゴンは暑さに極端に弱いので、春の芽出しから肥料を与えて一気に生長させるといいでしょう。

水やり

加湿を嫌うので、水のやり過ぎには注意しましょう。

増やし方

秋に株元の地下部にできる吸枝を十分冬の寒さに当ててから(寒さにあわないと生長が進まない)、春先に短く切って挿し芽に。または株分けで増やします。

収穫・保存

梅雨前に株元から10cmぐらいのところで刈りとります。保存はオイル漬け、酢漬け、冷凍で。

夏越し/冬越し

暑さに弱いため、夏は半日陰の涼しい場所で夏越しを。特に西日を遮るように。
冬は株のまわりに腐葉土を敷いておおいます。鉢植えは室内に取り込むと寒さにあわないため、春に萌芽しません。寒さに当てることが大切です。

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【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【制作協力】吉田雅紀子、吉川和美